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ジリリリ……ジリリリ……
鼓膜を震わせる不快な音に意識を起こされる。
耳元で騒ぐ目覚まし時計は迷惑なことに上に設置されたスイッチを押すだけでは止まらない。裏にあるオンオフのスイッチを切らなければならなかった。
では何のために上のスイッチが付けられているのか疑問であるが、今こんな寝ぼけたときの疑問を素面になるまで覚えているとは思えない。
裏側のスイッチをオフにし、俺の睡眠に安寧が訪れる。
「おにぃ、起きて!ケータイのアラーム鳴りっぱなしだよ」
親切にも起こしに来てくれた我が最愛の害悪の声に自分のケータイのアラームを切り、またも安寧が訪れる。
「ねーるーなー!おーきーろー!」
「だぁ‼うるせぇ!起きるから!起きたから!」
渚は俺を起こすためにメガホンを使って耳元で叫んだ。
大変不快である。耳がキンキンする。
若干不機嫌になりながら身を起こすと、騒音はそそくさと部屋から出て行った。
「おにぃ起きたよ~」
「まったく……」
目覚まし時計、ケータイに続き第三の刺客である妹に頭を抱え、大人しく布団から出て制服に着替える。
今日は学校に呼び出された母と共に車で登校するため、日常的にはあまり食べない朝食を食べた。
渚は同じ高校に通っているが、テニス部の朝練があるということで先に学校に向かった。
自転車で二十分の登校ルートは車で向かえば十分程度、現時刻が八時なので大体八時十五分には到着するだろう。
始業のベルが鳴るのは八時二十分、呼ばれた時間も同じ時間なので丁度いい時間だ。
俺と母が学校に到着したころには学友達は教室で着席している頃だろう。
母がここまで考えてこの時間に出たかどうかは謎だが、多分何も考えず何となくこの時間に出たのだと思う。
八時三十分
校長室の前で待たされること五分、ドアが開かれ中にいた関先生に中に招き入れられ、俺と母は二人揃って校長室に足を踏み入れた。




