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「タイガ!」
落馬するタイガを見た。それは同時に騎馬戦の終了を意味しており、俺は迷うことなくタイガのもとへ駆け寄った。
「おい!大丈夫か⁉目ぇ開けろコラ‼」
タイガはこちらの呼びかけに応じることなくだんまりだ。
「あ~あ、やっちまったぜ~」
そう言って下品にケラケラ笑いながら去って行くのはこの件の容疑者である3年3組の連中。
朝、半そで短パンで運動会に対するダルさを吐露していた二人も一緒だ。
故意だと思うべきか?いや違う、そんな筈はない……と、信じたい。
まるでどこかの漫画の世紀末を彷彿よさせるファッションで騎馬三人騎手一人の四人が去って行く。笑いながら。
「おい」
別に気にすることじゃなかったかも知れない。むしろ関わって変に拗れるほうがよっぽど良くない。
ガラの悪いヤンキーどもはどこかの誰かさんと違って察しが良く、すぐこちらを向いた。
「何だ?」
余裕かましてニヤついているのを見てイラっとくるが、両拳に力を込めて平静を装い続ける。
「コイツ、お前らが落としたんだよな?何かないのか、謝罪とか、心配とか」
俺の問いかけに世紀末ヤンキーどもは嘲笑するように言った。いや、個人的にそう聞こえた。
「はぁ?何言ってんだよ、騎馬戦で怪我する可能性があることくらいそこで寝てるヤツだって理解してたはずだろ?何で俺たちが謝らないといけないんだ?あ?」
素直に謝っていれば少しはこのイライラも収まっていただろうに……
先頭で腕組みをするヤツが先ほど言ったことに後ろの三人が笑っている。何がそんなにおかしいというのだろうか?虫唾が走る。
「おい、何だよその目は?ケンカ売ってんのか?」
そう聞かれ、鼻で笑い飛ばす。
「そう見えんなら、そうなんじゃねぇのか」
限界だった……
「んだ?やんのか⁉」
両拳の掌からは血が滴っている。痛みが思考を冷静にすることはなく、怒りは加速する一方だ。
争うべきでないのはわかっていても、このまま引き下がるのは気に食わない。
「うるせぇな……」
「は?」
マヌケな声を漏らすヤンキー相手に俺の堪忍袋は限界に達していた。
「うるせぇって言ったんだよ世紀末ヤンキーども!弱い犬ほどよく吠えるってか?御託はいいから来るなら来やがれコンチクショウ‼」




