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7 秘密の共有を

階段の踊場で固まる二人


何か言わなきゃ……



「えっとさ、これは……その……」


「千尋……それって本物か?」

「本物か? て、偽物があるの?」

「そりゃあ、豊胸とかパック入れたりとか、色々あるみたいなんだ」

「そうなんだ……やけに詳しいね」


「おっと、別にそういう願望があるわけじゃないぜ、オナネタにするのだったら、やっぱり天然モノが良いだろ? 天然モノを見極めるのに、そう言った知識も必要になるんだよ」


今の僕に、そういう話されても、すっごい気まずいんですが……



「俺としてはさ、やっぱり大きい胸に顔を埋めたり、挟んで貰ったりしたいわけよ」

「そうなんだ……」

「でもなー、妹好きとしては、小さいのも、こう、護ってやりたくなるなるだろ?」

「……」

「だからさ、どっちを選べって言われると、マジで悩むんだよなぁ」


「えっとさ……じゃあ、両方選んじゃえば?」

「両方ってお前! 妹で巨乳か? そりゃあ、あれば最高だな!」

そうかー、それは盲点だったな、と口元に手を当て本気で悩んでいる



「ちょっと、正哉……」

「でもなー、両方って言うのは中々いな……」

「正哉!!」

「お、おぅ、どうした?」

「そろそろ、着替えたいんだけど……」


「ああ、ゴメン。つい熱が入っちまって」

「ふふ、別に良いよ」


いつも道理に接してくれた方が、僕も助かったし

そうでなければ、何を話して良いのやら、困っていたと思う



正哉は、着替えたいと言った僕に、背中を向けると


「あ、あのさ……女だろうが何んだろうが……俺は……俺は『千尋』が好きなんだ。だから……千尋がどんな姿でも……別に……」

最後は尻窄みにになってて良く聞こえなかったが

正哉の気持ちは良く伝わった。


そんな時、チャイムが鳴る


二人とも、まだ着替えが終わってなかった

正哉は、ヤベェと一言発して階段を降りていくが、中程で立ち止まると

「もし、話せるようなら聞くからさ、少しでも千尋を支えたいから」


あ、別に言いたくなければそれで良いからな。と付け加え

走って降りていってしまう



踊場に一人り残され、正哉の言い残した言葉について考える

「好きって、どっちの好きなんだろう」

まさか……LOVEは無いよね


もし、LOVEだとしても……

いや……やめておこう

変に意識して、今の関係を壊したくないもの



それに、男の子を恋愛対象として見ることは、やっぱり出来ないや

ずっと男の子として生きてきたし、いくら身体が女の子になったからって

心は、そう簡単に切り替わるものじゃないし


それに、まだ男の子に戻るのを諦めた訳じゃないから


あ、ヤバ。早く着替えないと



結局、授業は10分以上遅れたが、皆病み上がりだと思ってくれて居るので、お咎めは無かった。



やっぱり正哉に全部話そう

そう考えが纏まったのは、お昼直前だった



ただ、最初から親身になってくれてる、香住を無視して話を進めちゃうのは、何か違うと思い

香住に正哉の事を話してからにする。


どうせ、お昼は何時も香住と一緒に食べてるし


お昼をチャイムが告げると、香住がお弁当を持って来てくれるが

今日は、ちょっと他のクラスメートに聞かれたくない話なのでと、教室から移動する。


まだ肌寒い季節なので、誰も外で食べようとしない為、屋上は貸切状態

お蔭で気兼ねなく、話ができそうではある


寒いけどね



「え!? バレたってどう言う……」

「さっき、上がって来た階段の踊場で着替えてたんだけど、丁度そこに正哉が……」

あははとおどけ(ながら)話す

「あはは、じゃないでしょ!」


で、どうすんのよ?と聞かれ

「うん、僕は正哉になら、全部話しても良いと思う」

そうはっきりと言い伝える


その言葉に迷いがないのを感じ取ったのか



「まあ、千尋が良いなら……私がとやかく言う問題じゃないし……」

と、ちょっと何処か寂しそうに言う



でも、反対されなくて良かった。


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