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34 入浴

前回の小鳥遊先輩と千尋の絡み

大丈夫だろうか…

耳吹くだけだし、大丈夫だよね

怒られたら直します。

神社に戻ると、龍神が主屋の入り口で待っていた

僕の浮かない表情を見て、察したように目を伏せる


「なあ、本当にもう、どうにもならないのかな?」

「相手は、祟り神だからな…ただ、全く希望が無いわけではない」

「方法があるの!?」

「祟り神は、祀り上げる事で守護神へと変わることがあるんだ、心から慰め労る事が出来れば…或いは」

「具体的にどうしたら良いんだ?」

「具体的って…知らん」

知らないってコイツ…またいい加減な


「ただな…お前の妹の場合、祟り神だけじゃなく、他の物の怪も取り込んでるんだろ?それだと簡単には行かないかも知れんな」

そう、ソコなんだよ

小鳥遊先輩も言っていたが、物の怪を取り込み過ぎてて理性はないと

でも、実際は会話が出来たし、まだ間に合いそうでもあった。


明日か…

もう一度試してみよう

そうと決まれば、明日に備えて風呂入って寝る


湯冷めしないようにと、帰って入ろうと思っていたから

お風呂は、湯を抜かずにそのままだ。


風呂上がりに、パジャマとして着る中学の時のジャージを用意する

こういう時、余り成長していない自分の身体は便利ではある(虚しいけど)

ただ、ファスナーが上まで上がらんのよね

胸が邪魔で…

まあ、それも男に戻るまでの辛抱だし


風呂場は寒く、何時か婆ちゃんがヒートショックでも起こすのでは無いかと心配する…が

あの婆ちゃんじゃ…無いな

冬場でも、滝が凍ってない限り、冷水で御祓し平気で居るぐらいだし


元々、神社建てる宮大工さんに、建築依頼するので広い風呂になる

僕1人で入るには勿体無い位だ。

掛け湯をして湯船に入って居ると、風呂場の戸が開く。


「なんだ、お湯を張ってあると聞いたのに、結構寒いな」

「龍神!?ば、バカなんで入ってきてるんだよ!」

「いや、何時も水にばかり浸かって居るので、お湯と言うものに興味があってな」

「そう言うのは、僕の居ないときにしろよ!」

「別に良いだろ、ほら場所開けろ、入れんだろ」

「誰が場所開けるか!というか、掛け湯ぐらいしろ!」

強引に湯船に入ろうとする龍神に、蹴りを入れ妨害する


「お前な、この神社の守護神を足蹴にするとは罰当たりめ」

そう言いながらも、ちゃんと掛け湯をしてるので、素直な奴だ

でも、そうすると湯船に入れない口実が無くなってしまう。

仕方ないので、龍神が湯船に入ると同時に、入れ替わるよう僕が出る



腕を掴まれ引き戻される

「ぶは、何すんだよ」

「何って、夫婦の「すきんしっぷ」と言うヤツだ」

「夫婦って、もう契約無くなって元に戻るんだから必要ないだろ」

「厳密に言えば、まだ契約中だ」

「…変な事したら殴るからな」

「変なってなんだ?」

そう言って抱き寄せようとしたので、左ストレートを御見舞いする

「そう言うことだよ馬鹿野郎」

殴られた頬を擦りながら、見納めなんだから良いだろとかブツブツ言っている

良いわけあるか


しかし、コイツ(龍神)食っちゃ寝してるわりに、腹筋割れてるのな

背も高いし、黙ってればイケメンだし

コイツ(龍神)と言い、正哉と言い、僕の周りの男共はどうしてハイスペックなんだよ

余計自信無くすわ


はぁ

ため息をつくと湯船を出る

「どこ行くんだ?」

「身体洗うんだよ」

「なに!?俺が洗ってやろうか?」

コイツ…絶対何かしそう

「いや、いい、自分で洗えるし」

「遠慮するな、この龍神自ら背中流してやろうと言うのだ、有り難く思うように」

ニヤケタ顔…

何か無性に殴りたくなって来た

「御神体を放ったらかしで、僕が先に洗ってもらう訳に行かないだろ、ここに座れ僕が洗うから」

椅子の上をポンポンと叩く


いや、俺が先だと譲らない龍神に、仕方なく此方が折れてやる

何かしたら、角で突いてやるからな


龍神に背中を向けて椅子に座っていると

全身泡だらけにして抱き付いてくる

「アホか!どんな洗い方だよ!」

肘で龍神の頭を小突きながら言う

「『いんたーねっと』で、こうするんだと遣っていたぞ」

「だからネットに毒され過ぎだ!」

このバカ龍め!

ゲシゲシと殴っていると、此方も泡だらけになり、滑ってバランスを崩す

僕の足が、龍神の足元にぶつかって倒れ込まれる

「イテテ…ってお前!どこ触って…」

「クッションがあって助かった」

「僕の胸はクッションじゃねー」

身の危険を感じたので、手の平に液体石鹸を掬って

「食らえ!目潰しアタック!」

龍神の目に塗りたくる

「ぐあぁ、目があぁぁ」

龍神が悶えている間に、泡を流し脱衣場に逃げる


危なかった

やっぱり、男は危険だな

元男として、良く解って居た筈なのに、油断した。


ゆっくり風呂も入れないとは…

さっさと着替えて逃げよう

ジャージに着替え自分の部屋に入る

こんな時、家が和風造りなので、襖は鍵が掛からないのが残念だ


宿題を済ませ、途中で放置していたラノベを読んで居ると

龍神が部屋に入ってくる

「またか…ノック位しろよな」

「そう睨むなよ、また『たぶれっと』が真っ暗になったんで『ぱそこん』借りるぞ」

「全く、やけに今晩は僕に絡んで来るじゃないか」

机のパソコンに視線を向けたまま

「いや…お前帰って来た時、今にも泣きそうな酷い顔だったんでな」

「心配してくれたんだ?」

「まあ、そのなんだ…夫として心配しただけだ」

そう恥ずかしそうに言うので、笑ってしまう

「大丈夫、まだ祟り神を守護神に出来そうだから、望みは捨ててないよ」

ありがとな

そう声を掛けると

「ふん」と照れ隠しに言ってくる


一応、テーブルをどかし、客用の布団を床に敷いてやる

コイツ(龍神)の事だ、また僕の部屋で寝落ちしそうだからな

前回のように、香住に殺されそうになるのは、遠慮願いたい


あー、なんか香住の武器に成るような物も、隠して置いた方が良いかな

テーブルは廊下の端に出しておいて

他にも、花瓶とか持ちやすく、武器に成るようなのは片付ける

此れで命までは取られまい。


備えあれば憂い無し


本当は、龍神を部屋から追い出すのが一番なのだが

言っても聞かないし。


「僕は先に寝させてもらうぞ、寝るなら此方に布団引いたから、そっちで寝ろよな」

そう言って深夜アニメ視てる龍神におやすみを言う


なんか…デジャヴュだな


日常に成りつつある、異常事態に危惧しながら、眠りにつくのだった。


正直、R15で何処まで良いのか…

風呂シーンも、運営さんに言われたら直しますので、変更されてたら察してください。


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