019 お酒の流出
『新たにドワーフの洞窟がダンジョン化したことの影響で、お酒がいろいろな種族に流れています。今まで酒だけは退避させてたんですけどね。今回はミキサーワームの侵入箇所が悪かったです。』
「おー。どうなる?どうなる?」
『ヒューマンが製造を始めました。』
『獣人が製造を始めました。』
『オークが製造を始めました。』
「思ったより広まらない?あまり酒の種類もないねー。」
『魔力の強い畑を作っているのがエルフだけですので、米と麦に絞られています。』
「そっかー。もう少し様子見だね。」
『デーモンが面白い試みをしています。家畜《獣人》を使って農業を始めました。主にブドウの生産です。』
「ワイン目当て?」
『はい。ドラキュラ伯爵は血のように赤いワインがお好みのようです。』
「あらあらあら…。」
『…。ヒューマンの国でも農奴が始まりましたね。満ち満ちてほしいので、農奴という愚かな行為はしてほしくないですが、満ち満ちるまでの道のりは長いですね。』
「まさに酒の一滴は命の一滴だねー。」
『運命様もお酒を飲みますか?』
「うーん。お酒はあまり飲みたくないんだよね。コーヒーもらえる?ミルクたっぷり、お砂糖多めで。」
『どうぞ。』
このほろ苦い味がいいよねー。
「ふー。大人の味だねー。」
『えっ…?』
「ふー。大人の味だねー。」
『えっ…?砂糖たっぷりでお渡ししましたよね?』
「ふー。大人の味だねー。」
『…。クッキーもどうぞ。』
「さすが選択さん。気が利くー。」
サクサク、こきゅこきゅ。ぷはー。