018 ゴブリンなりの環境適応
「ん。んん?あれー?」
『どうしました?』
「永久凍土の地帯で氷が蠢いてない?」
『あー。これ、気になりますよね。アイスゴブです。』
「アイスゴブ?」
『私も気になったので時間をさかのぼって確認したところ、ゴブリンが氷との交配に成功して誕生してました。たまたま雌の形の氷の塊があっただけなんですけどね。』
なにそれ?!。怖い…。動物や植物ならまだしも、既に生物じゃないじゃん。
『ちなみに砂との交配にも成功してサンドリンが誕生しています。』
氷が解けたら?砂が固まったら?怖い…考えるのをやめよう。
「ゴブリン以外にも、こんな交配してないよね?」
『ゴブリン以外ではありませんね。せいぜい、迷いの森の土偶樹とトレントが受粉してドリアードが生まれたくらいです。』
「ドリアード?」
『エルフの形のトレントです。トレントよりは小さいですが、エルフよりは2倍くらい大きいです。』
「そっかー。トレントに足ができたのはよかったねー。根じゃ移動が大変だもんね。」
『はい。動物には小さな一歩でも植物には大きな一歩です。そういえば、トレントの種が鳥に運ばれ浮亀の背中でトレントの村ができています。』
「おー。以外に早く浮亀の背中に知的生物が住んだね。これは楽しみだ。」
『知的生物といっても、鳥に木の実をつままれながら光合成しかしてませんけどね。』
「浮亀のドリアードは小さいね?エルフの子供くらいしかないよね。」
『高度が高く気温が低い、しかも土がほとんどないので、成長には適していません。』
「そっかー。」
あ、あくびした。
目尻の涙がたまりません!