013 デーモン
「ダンジョンでモンスターに襲われてない種族がいるね。」
『はい。オーガの交配が進み、怪力だけでなく魔力操作スキルも獲得したデーモンになります。他の種族より狂気性が高いので順応しているのではないでしょうか。』
「だからって、ダンジョンに住むことは無いんじゃないかなー。」
『デーモンは単体では強いのですが、交配力が弱く睡眠時間も長いため、ゴブリンが大量に暴れ回っている地上では住むのは厳しかったようです。そのため、ダンジョンという、侵入者を撃退する警備員付の巨大な家は優良物件だったようです。』
「ゴブリン弱いのにねー。」
『数が違いすぎます。今だに知的生命体比率90%以上がゴブリンです。90%の壁は伊達ではありません。』
「でも、10%のは他の種族じゃん。」
『そのうち、9%はオークですから、似たり寄ったりです。』
「おっぅ。」
『運命様。満ち満ちさせるということは、一番多い知的生物の種族でも1%以下にするということです。よろしいですか?』
え?初耳です。
「まかせろ。とりあえず、コーヒーちょうだい。」
『承りました。』
ふーふー。ずずっ。にが?!
「想定していた以上に!にがっ?!」
『重要な話を右から左でしたので、濃いコーヒーをお出ししました。』
「やだなー。選択さん。きいてる。きいてるー。」
『私に殴るという機能が必要だと思いませんか?どうですか?』
Yes or No
あらやだ、この子、こわい。
「ノー!なかよく!たのしく!」
『…。冗談です。』
「なんだ、冗談か。あ・は・は・は・は。」