011 ゴブリンとミキサーワーム
『運命様。ゴブリンたちが続々と放棄された洞窟の奥深くに進んでいます。』
「なぜに?なぜに?だって、合わないように悪臭スキルをミキサーワームに与えたのに!」
『わかりません。観測しましょう。』
ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ、ごぶごぶ
とうとうゴブリンとミキサーワームが洞窟の奥深くで出会った。出会ってしまった。ゴブリンたちが次々と飛びかかる。
「あー!!!」
そして噛みちぎる。
「あれ?」
『どうやら、珍味として認識されたようです。』
「珍味?」
『たとえば、コレを。』
クラッカーにブルーチーズをのせたシンプルな料理だ。
ぱくり。
「うまっ?!臭いのにうまっ?!なるほど。じゃー、ミキサーワームも美味いのか!食べたい!」
『ダメです体が穢れます!悪臭スキルを舐めないでください!しかもミキサーワームは鉱石食って生きていた生物ですよ!ゴブリンの脳みそがおかしいだけです!』
「そっかー。何はともあれ、もくろみ通り!ゴブリンとの交配は防げた!」
『ささいなことですが、不測の事態も発生しています。』
「珍味ってこと?」
『いえ。洞窟に入ったゴブリンが悪臭にさらされ続けた影響で、魔素融解を起こしモンスター化しています。』
「魔素融解?モンスター化?」
『魔素とは創造の元です。その創造が維持できなくなるくらい臭い中にい続けたため、ゴブリンの体から魔素が粘り出し洞窟にはりつき、狂気と暴力に変化…いえ、単体の変化と言うより洞窟全体を指してダンジョン化と言った方がいいでしょう。』
「へー。」
おちゃー、おちゃー、玄米茶、お?僕の記憶の中に紅茶とかコーヒーとかいろいろあるねー。
『理解していませんよね?簡潔に言うと、ゴブリンが洞窟に溶けてこびりついた汚れになりました。』
いえ、途中から聞いていませんでした。はい。紅茶が飲みたいです。