第4話 男好きの女王魔女
ブラッドスペルの入り口の門の前では、検問が行われていた。
エリザは自分好みの男と美しい女以外の入国は許可していない。
その為、兵士たちの目を通して入国者を仕分けていた。
「クローディア殿その姿は・・・・・・」
近くまで来た頃、小休止明けにエディンが見たのは、ショートヘアになり見た目だけなら優男風の姿をしたクローディアだ。
「エリザは男好きなんです。この姿の方が国に入るのは容易いでしょう。以後私のことはロディと呼んでください。」
「わかりました。」
検問前まで来た二人。
エディンは気が気ではない。
「そこの2人組止まれ」
「ブラッドスペルに何用だ。」
兵士たちがにらみを利かせる。
「西の国ブラッドスペルで一番お美しいという女王陛下に謁見を。と思いまして」
にこやかな笑みで答えるクローディア。
「彼は私の護衛の騎士です。」
話を振られてエディンは会釈をする。
【ロディ様がいらしゃったわ。ようやく私を迎えに来てくださったのね。盛大におもてなししなくては】
兵士たちは顔を見合わせると
「入国許可が出た。城へ向かい女王陛下に謁見せよ」
無事エディンとクローディアはブラッドスペルに入ることが出来た。
入ってすぐ、城から迎えの馬車がやってきた。
「ロディール様、護衛騎士エディールイン様、お迎えにがらせていただきました。」
「ルメル!?」
エディンは驚いた。
迎えに来た人物は、格好こそ執事っぽくはなっているが、自分の部下であるはずの第11師団隊ルメル
がそこに現れたからだ。
「エディンさん無駄です。この方は幻術にかかっている。エリザの一番得意な魔法です。」
男を惑わし、女の血を浴びる。
それがエリザという魔女だ。
「迎えありがとう。城まで頼むね。」
「御意」
あくまでも、誰かのフリをするかのようなクローディア。
小声で私に合わせてください。と言っているのが聞こえたので、エディンは従うことにした。