第2話 西の森の魔女
「西の森の魔女・・・・・・というと」
西の森の魔女。とはよく言ったものだ。
正確には西の国”ブラッドスペル”
その女王エリザが若い女の血で若さを保つ魔術を行っていることから尾ひれがつき
西の森に点在するその国にいつしか魔女が住んでいる。
という話にまで発展したのだ。
「あの魔女を討伐に出た我が騎士たちも数人返ってこぬのだ。」
「そういえば、エリザは美しく強いものが好きでした。騎士たちは彼女の条件に当てはまってしまったのでしょう。」
まるで旧知の仲のように語るクローディア。
「クローディア殿は西の魔女と知り合いなのか?」
「東西南北で魔女と呼ばれている私たちは、全員同じ師。つまり、全知の魔女ノアの元で修行していました。しかし、魔女。とは本来ひっそりと影で生活するもの。彼女のような者はもはや魔女にあらず。ですわ」
ぴしゃりと冷たい目で語るクローディア。
彼女の中では師の教えこそが全てであり、それに反する者は軽蔑の対象なのだろう。
「そういえば、ノア先生はこんなことも言っていましたね。」
それで思い出しました。と言うかのように彼女を顔を上げる。
【東西南北にお前たちが散らばった後、いずれ1人が他の3人を制し、その国の王を射止めるだろう。
その時、私はもう一度お前たちに会うことになるだろう。今とは全然違う姿で。】
「もしかしたら、このことを言っていたのかもしれませんね。その依頼お受けします。」
どんな形であれ、また先生とお会いできるのなら。