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モンスターランド  作者: 牧名もぐら
第一章
5/6

機械種というもの

モンスターランドに跋扈する機械種たち。そんな彼らの、ありきたりな日常風景。

 赤茶色の荒野には、台地が無数に並んでいる。上空から見れば地に無数のひびが入っているようにも見えるだろう。しかし台地の名の通りその一帯は突如として地が押し上げられたような具合でそびえ立ち、それらは角ばってブロック状なものだから、本来の大きさよりも一際大きく見え、不毛の荒野に目立っていた。ここを知る者の間では『ロットテーブル』と呼ばれている一帯である。並ぶ台地の隙間は無数に分岐する迷路と化しているが、道幅が広いことと台地がそれほど高くないことから、じめじめと陰気であることはなく、むしろ休息するには丁度いい環境を持っていた。なにより、行きずりの機械種に襲われるリスクが低いのだ。そう思い、ここに定住する者もいた。


 ロットテーブルの迷路をやや複雑な道程で進んだ先に、それはあった。台地の岩壁に穴が開けられており、そこから内部はくりぬかれて空洞となっているようだった。といってもごく狭く、いくつか並んだ穴を出入り口、窓、とした家のようだった。


 その質素な家の前に、数十体の機械種が並んでいた。先頭のものは黒色で人型のようだが、ずんぐりした体形に脚は短く、腕は右に二本と左に一本。左手は三本の指を持つが、右の二本の腕はそれぞれ先端が剣のようになっていた。


「出て来いよ、ええ! ここにいるんだろうが!」


 怒気を孕んだ調子で言うと、開きっぱなしの四角い戸口から、三つの小さな影が出てくる。機械種だ。三体のいずれも小型で、人型には程遠い姿をしている。


 一体は、横棒の胴体の両端に腕をもつ、浮遊型の青い機械種。浮遊さえしていなければ、全高は人類種よりも低くなるだろう。横棒状の胴体には二つ、突起した目があり、そこを節に胴は斜下へ曲がっている。その曲がった先から生えている腕は短いものの、四本指の掌は巨大で、両手を広げた全幅は大型機械種の全高にも届くだろう。


 次に薄茶色の機械種は小型から中型ほどの大きさで、厚みのある胴体の前面に四肢があるが、足はもはや機能を期待できないほどに短く、現に移動は体を左右に揺らして器用に重心を移動させながら行っている。胸の前にVを逆さにしたような形で付いている腕も、脚ほどではないが短く、それでなにかしらの作業が出来るようには思えない。胴の上には長い首があり、それと垂直になるようにある板のような薄い顔には、突起した目が付いている。背面には尾のようなものが付いているのも特徴だろう。


 三体目は、人体になぞらえるなら、弧を描いた水色の胴体を持っており、大きな足と細い腕がそれに付いている。胴の側面にある太い脚はその強靭さに比して使い勝手が悪いようで、地に引きずるように置き、腕を使って移動している。この機械種もまたごく短い尾のようなものを持つが、それから出た突起の先端には二つ、水色に輝く結晶があった。


「なんスかー、うるさいっスねー」


 巨大な手を持つ機械種が言った。対する集団を注意深く見る。


「ボクら、オタクらと面識はないと思うんスけど。それともこのツァーキが?」

「ハァ!? 俺だって、こんな奴ら知らねえよ!」


 首の長い機械種、ツァーキが言うと、対する集団の先頭にいたリーダーらしき機械種がしびれを切らす。


「ごちゃごちゃ言ってんなよ、チビ共。俺たちはヤツがあの角を曲がっていったのを見たんだよ」

「っスからー」

「いいから、ヤツを、出せ!」

「…………」


 怒鳴るリーダーの背後にいる機械種たちも、あからさまに殺気立つ。三体の機械種はしばらく黙って顔を見合わせる。観念したように結晶付きの機械種が言った。


「なら、中を見ていくといいよ。それで納得できるはずだから」


 集団の長は三体を見た後、背後の適当な機械種たちに頭を向けた。


「ログ、バッファ、見て来い」


 リーダーに選ばれた二体は、小さな穴倉の中へと入っていく。しばらくすると、中から先に一体が出てきた。


「どうだった」

「いないよ、オルグ。ただ、もっと良いものを見つけた。バッファ」


 呼ぶと、家の中からもう一体が出てくる。手の大きな機械種に似た浮遊型だが、それより一回り体は小さく、目は胴の中央で窪んだ単眼、手の大きさも体格に見合ったものだ。そのバッファが、自分よりも大きな物体を運んで来ていた。


「あ」


 手の大きな機械種が、間抜けた声を出す。他の二体も、失念していたとでも言いたげに頭を振ったり上を見たりしている。


「こいつは……」

「ソウルだよ、オルグ。それも二つも!」


 二体の話す横で、バッファは言葉もないまま運んで来たものを地に下ろす。一つは青い円盤で、石のような質感で全く光沢しないそれは、接いだような加工の跡がない。もう一つは奇妙な形の代物で、黒い爪のようなものが三つずつ左右にあり、それを繋ぐ中央の部品は、下部にマントを模した部品と、上部には二股の角のような装飾が取り付けられている。明らかな加工物であるが、何かしらの生物なのではないかと疑うほどに生気を帯びており、禍々しく、大気を冷やす。特に青い円盤と同じ、それ単体には加工跡のない石のような材質の黒い爪だ。


 ならず者たちの長オルグは、検品するようにそれらを順々に左手で取って見る。

「青い方は見慣れたソウルって感じだが……こいつは何だ? ソウル……なのか? 黒いソウルなんて聞いたことも見たこともねえが」


「あのー、その二つは返してもらえると嬉しいんスけど……」


 大きな手を上げながら機械種が言うと、睨みつけるように数十の機械種が彼を見た。


「いいや、貰っていく」

「昔友達に貰ったものなんスよ」

「俺には関係ないな」

「その妙なソウルは、カニーにしか扱えないよ」


 二つの結晶を尾に持った機械種、マスターが会話に入りながら、手の大きな機械種、カニーを指す。


「それはこのヘンテコな飾りのせいだろ」


 オルグは黒い爪が取り付けられている角やマントを見る。


「バラせばいい」

「機械種には無理だよ。そもそも、それ自体ソウル並みの硬さを持っているんだから」

「なんにせよこんな所で腐ってるテメエらなんかより、しきりに戦争がある俺たちの方がよっぽど使い道はある。ソウルもその友人とか言うやつも、そっちの方が嬉しいだろ」

「ありえないっスね」


 空気が張りつめる。オルグとその傘下たちが小さな三体をじっと見つめ、手の大きな機械種カニーと、二つの結晶を持った機械種マスターが睨み返す。ただ一体、首の長い機械種、ツァーキだけが相互を見て狼狽えていた。喧嘩になって、こんな軍団に勝てるわけがない、少なくともカニーのソウルが敵の手中にある今は……ふと、彼はバッファと呼ばれていた個体と目が合った。能天気に状況も分からなければ何を考えているのかもわからない、そんな風体でぼーっとしているバッファもまた、首の長い機械種に気が付いたようだった。ツァーキが手を振ると、バッファは浮遊する体を傾けた。首を持っていれば、ちょうど頭を傾げた形になったのだろう。ツァーキは、バッファに対してある確信を得た。この子は、まさか……。


 空気の破裂する音が響いた。それとほぼ同時に鋭い音を立てて、オルグが持っていたソウルが弾かれたように空中を舞う。カニーが大きな手でそれを捕まえた所で、その場の全員が発砲音の砲へと振り返った。


「あー、うん……やあ!」


 彼は、台地の上(あるいは崖の上とも言えるだろう)から集団を見下ろしていた。人型で、膝から下と肘から先が緑、腿と胴と上腕が青系で、緑色の前腕には赤い腕輪を嵌めている。頭部に光る半透明の結晶体は青空にあっても輝き、彼と言う機械種の自信そのものようにも見えた。特に機械種には珍しい、人類種にほど近い直線的な体形は長身で、並べばオルグよりも頭一つ大きいだろう。


 右腕には青い三叉槍と赤い錫杖が抱えられており、左腕は変形して、手首の辺りから生えている銃のようなものを左手で掴んでいる。


「きっっさまァ……ル・ギル!」


 オルグを初めとする数十のならず者たちが、怒りを彼一体に向ける。残る三体は、納得か諦めか、力の抜けたような声を漏らす。


「旦那もしつこいね、俺をこんな所まで追ってくるなんてさ」

「貴様の! その! 腕に着けているソウルを! 返せ!」

「えー」


 長身の機械種、ル・ギルは左手の銃を回転させ、前腕の側面に着かせると、自身の腕を見る。荷物を持つ全く同じ造形の右腕も見ると、オルグに向きなおった。


「どうして?」

「そいつは俺が探し当てたソウルだからだ!」

「俺には関係ないね」

「野郎ども!」


 数十の機械種たちが一斉に臨戦態勢に入る。体にある、あらゆる凶器を向けられ、極彩の機械種ル・ギルが叫んだ。


「カニー!」

「時間をくれ!」

「死ぬ前に頼むぜ!」


 手に持っていた二本の得物を放り上げ、ル・ギルは崖際より跳躍する。腰にあった円筒状の物を二つ投げると、両の前腕を変形させ、二丁の銃でそれを撃った。爆発が起こり、機械種たちへ先制を取る。デタラメに撃ちながら降下し、何とか着地に成功して見せた。煙の残る中、爆発で多大な損害を受けた個体から確実に仕留める。跳ぶ前に放り投げた得物が彼に向かって降下し、三叉槍はル・ギルに襲い掛かろうとしていた一体の関節を叉に引っ掛けながら、地面に刺さった。ル・ギルは錫杖を手に取ると、即座に熱を込め動けなくなっている機械種の頭に突き刺す。三叉槍を手に取って、次の敵に向かう。


「来いやコラァ! 痛っ」


 瞬く間に喧騒が起こり、爆音やら衝突音やらがロットテーブルの隘路に響き始めていた。多くの機械種はル・ギルの下へと向かっているが、何体かは小型の三体へと迫っている。


「あの馬鹿め、カニー、頼んだよ!」


 カニーは不気味な装飾品を背に取り付け、青い円盤のソウルを左手の甲に着ける。左手を自身の体の前へ据え、掌を地面に向ける。右手もまた体の前に置くが、掌は自分に向け地に対して垂直になるようにする。


「分かってるっスよ、マスター」

「ツァーキ!」

「ええー!」

「やれ!」


 尾に二つの結晶を持った機械種、マスターは、でんぐり返しの要領で体を回転させる。両腕だったものが脚になり、太い脚は強靭な腕になる。尾が頭になると、二つの結晶は角となって輝いた。近くの機械種を殴ると、吹き飛んで台地の岩壁にめり込む。


「くそぉ」


 ツァーキは腕を回転させ、Vの形にすると、首を後方へ下げる。頭を直角に向き直し、首と平たい頭が地面と平行になると、両腕の間に光線が通る。目と目の間にある窪みから発射された何かが光線を通り抜け、適当な機械種に当たると、小規模な爆発を起こした。多少怯んだその隙に、マスターが鋭く一撃を叩き込む。


 オルグの軍勢は数の多さゆえに誤射も多く、囲むほどに一度に多くの機械種が倒れる。それは不運によるものとしてはあまりに多く、ル・ギルの戦法、あるいはまるで拍の取れない軽快な身のこなしによる必然の結果と言えた。並の機械種の動きではない。手下の残骸が飛んでくるにつれてオルグは徐々に気を昂らせ、小さなカケラが頭に当たったのを皮切りに、ついに彼は喧騒の中心へと歩み出す。


「ちくしょうめが! どけ! どけえ!」


 オルグは手下をかき分け投げ飛ばし、極彩の機械種の下へ辿り着く。


「ハァ……げ、オルグ」


 ル・ギルは左手を力なく垂らし、脚も一部がえぐれている。この集団を相手にしていては軽傷すぎるとも言えるが、相応に参っているように見える。それでも右手に持っている二つの得物を振るって攻撃を仕掛けるが、オルグはそれを右腕の二本の刃で弾き飛ばし、返す動きでル・ギルを吹き飛ばした。オルグは指示を出し群がる手下を引かせる。


「どけ! 俺がやる!」


 オルグの傘下が退くと、ル・ギルは逆巻く炎を盾として発生させていた。もっとも、最前オルグが殴った時よりも損傷しているのは、彼の手下どもの攻撃を完全には抑制しきれなかったことの証明だろうが。


「俺のソウルをォ!」

「なんだよダンナ、サシでやろうって? 案外粋なとこもあるもんだね」


 炎の中で粋がる盗人に、オルグの怒りは頂点へ達した。二本の腕をわきわきと蠢かしながら、オルグはル・ギルへと早足に寄っていく。必殺の怨念は誰が見てもそうと違わず、鬼気迫るその迫力に、オルグの手下たちはル・ギルの死を確信する。他でもない、オルグ自身も。


「しゃらくせえ、一撃で仕留め、ガッ!?」


 オルグがル・ギルに向かって振り上げた刃が、止まる。周囲の手下どもも静まって、ただ一体、ことを起こした張本人だけが言葉を発した。


「どっちにしろ、あんたは貰ってたよ、ダンナ」


 青い三叉槍はその背部に止まり、赤い錫杖は灼々と一層紅く、熱気を発してオルグの胸部より先端を覗かせている。傷口から赤くなった金属がどろりと溶け出ていた。


「グッ……アァ……」


 オルグは胸を貫く錫杖を左手で抜こうとするも、掴んだ端から手は赤熱し、力を入れた指は溶断されていく。


「所有者の意思で呼び戻せるんだよ、これ。いいお宝だろ」


 オルグが刃を振り下ろす。ル・ギルが錫杖を呼ぶとオルグの胸から抜け、彼の手に収まる。変わらず熱を発し続けているそれを迫る刃に当て、瞬で溶解させると、もう一振りしてオルグの胴体を中頃より切り飛ばす。胴部を半分だけ残されたオルグは、体を軋ませながら地に崩れた。


「オ、オルグ……!」

「ボスっつっても所詮はただの機械種だな……お前らん中じゃ一番強かったんだろうが」


 ル・ギルは片膝を着いたまま三叉槍も呼び戻す。まだ動く右腕で二本の得物の柄を掴み、満身創痍の我が身も厭わず敵地にあって啖呵を切った。


「さあ、次はどいつだ!」


 周囲の機械種が怖気ず構えたその瞬間だった。唐突に、大地に影が落とされる。雲が遠方より急速に集束し、暗雲がロットテーブルにもたれる。雨が降り、雷が鳴った。落雷に白んだ世界で、流石の機械種たちも異変に気付く。しかし、もう遅い。


 巨大なバケツをひっくり返したように、空から大量の水が一度に降り、機械種の集団はそれに巻き込まれた。洪水、激流、その波に抗える者は一体としておらず、渦を巻くそれにひたすら揉まれる。ル・ギルもまた巻き込まれた一体であったが、そこにツァーキとマスターが近寄る。ツァーキは体を横倒しにし、浮遊型のように音もなく浮いて、マスターはそれに乗っていた。ル・ギルを波から掬い、すぐに洪水から離れようとすると、ついでに『もう一体』も掬い上げようやく彼らは安全地帯へ移動する。洪水は局所的なもので、見えない壁の内側で渦を巻いているようだった。カニーの元へツァーキが着地すると、マスターが二体をそこから下ろした。もはや空は、晴天へ戻っていた。


「良いぞ」

「はいよー」


 カニーは伏せていた手を上げる。水は猛烈に流れ続けるまま中央が盛り上がっていき、幅は狭く高さを増していく。やがて青空へ上る水の柱となるとその中を底から天まで、小さな水の刃が無数に生まれ上っていった。機械種たちを痛めつけ、切断し、トドメを刺しながら、しかし唐突に水の柱は凍りつく。カニーが両手を閉じると、透明な氷塊は収縮し、彼の手に乗るほどの大きさまで縮む。直後、氷の玉は弾け、中からは大量の鉄塊が落とされた。氷は水へと戻り、遥か遠くへ向かって離散していく。


「終わった?」


 元の姿に戻ったマスターが、カニーに聞いた。


「まだっスね。雲を元あったとこまで戻してるっス」

「無理をさせたね、申し訳ない」

「その言葉はル・ギルから聞きたいっスね」


 極彩の機械種は微動だにもせず、もう一体洪水から救った機械種、バッファもまた動かないままでいたが、ツァーキが側で面倒を見ていた。五体以外にあるのは、数十に及ぶ機械種の大群だった鉄塊と、ロットテーブルの連立する台地だけだった。


「あと、嫌だろうけど、ル・ギルの治療も……」

「了解っス」


▽▲▽▲▽


 極彩の機械種、ル・ギルが意識を取り戻すと、彼にとっては見知った岩肌がその眼前にあった。ロットテーブルの穴倉だ。かつてル・ギルが自身の大きさに合うよう、穴倉の中の高さを変えたため、天井は高かった。上体を起こし、自身の体を見下ろす。乱闘で傷ついた箇所が見当たらず、左腕も動き、完璧な状態だった。


「ル・ギル、起きたか」


 ル・ギルはマスターの声に振り向く。近寄ってくる彼の背後で、カニーとツァーキがバッファと戯れていた。ロットテーブルの台地の一つに設けられたこの居住空間はごく狭く、部屋の区切りもないわけだから、寝ていたル・ギルの横でずっと騒がしくしていたということになる。


「おはようマスタ痛て」


 マスターの細い腕に小突かれ、ル・ギルはわざとらしくそう言って見せる。痛覚の鈍い機械種同士での、ありがちなコミュニケーションの一つだった。


「あ、ル・ギル起きたっスか」

「ありゃ本当だ」


 カニーは親指で二本の指を弾かせ、ツァーキは尾で彼を強打し、バッファは二体を見習い無難に殴ってみせた。ル・ギルは困惑し、最もらしい不平を垂れながらも、それらを全て受け入れていた。


「久しぶりに帰ってきたと思ったら、これだもんね」

「そうっスよ、あんな無茶ぶりを、しかも僕たち全員を危険な目に合わせて」

「純粋に死ぬと思った」

「悪かったよ! 悪いと思ってるよ。だからカニーの宝物取り戻すの手伝ったんじゃん」

「いやあれはそもそも」

「怖い奴らもいなくなったしお宝も手に入った。見た感じ新しい仲間もできたみたいだし」

「それで解決?」

「丸っと解決」


 マスターの言葉に、ル・ギルはまるで臆せずそう言って見せた。四体は顔を見合わせ、それからル・ギルへと向きなおった。


「一つずつ話していこう。ル・ギル、君は反省すべきなんだから」


 ル・ギルは一瞬だけ、不満を口にしそうな態度を見せた。しかし彼はふと、このねぐらに空けられている窓や戸口などの穴から見える外の様子を伺った。外は暗く、明かりがない。すっかり夜になってしまっていることに気付いて、初めて屋内が薄暗く、小さな炎(ツァーキが起こしたのであろう)によって照らされているのだと知った。果たして、ル・ギルの知るこの仲間たちは夜になればすぐに寝に入り、明かりを灯すなどということはしない筈だった。それがこうして起きて、ル・ギルが目覚めるのを待っていたのだとしたら、その理由は計るに易いものだった。


 ル・ギルは諦めたような口ぶりで言った。


「話すよ。ついでに今まで何をしていたのかをもな。ただこれだけは確かなことだから先に言っとく。もう敵は来ない」


▽▲▽▲▽


 どうってことはないぜ、俺はロットテーブルを出た後はずっと旅を続けていたんだ。もちろん、一人で。人気のない遺跡を見つけては忍び込んで、お宝があればそれを盗る。ツァーキに教えて貰ったのが自分で思っていた以上に気に入っちまってたってわけだ。でも残念なことに、ほとんどの遺跡は既にどこぞの機械種が荒らした後で、お宝なんててんで見つからない。入った先で別の機械種に出くわして喧嘩、みたいな修羅場も実際何度かあった。こうして帰ってこられたのはマスターが鍛えてくれたおかげだって、礼を言っとくよ。


 んでま、それで色んなところを旅しながら、ある時遺跡を見つけたんだ。いやそれまでも見つけてたよ? でも違うんだ、その出入り口はこの寝ぐらの出入り口くらい小さくて、二つあったんだが、どっちも閉じてたんだ。つまり、誰も入ったことのない遺跡だったってわけだ。入り口をそのまま力尽くでこじ開ければ早かったんだろうが、まあセオリー通り、出来るだけ穏便に済まそうとしたんだ。色々試してな、この頭を使って侵入するってのが遺跡探しの醍醐味だろ? まあそれで、水の加護で軽く水を吹っかけてやると、片方の扉からちょっと音がしたんだ。で、後は簡単さ。その後も水をぶっかけて試して、最終的には水の加護を使いながらだと、扉を押し開けることができるって答えにたどり着いたわけ。もう片方はどうしても開かなかったが……問題はなかった。何故ならその先は同じところに繋がっていて、これが馬鹿でかい部屋なんだ。幅もあれば高さもあってよ、天井の真ん中あたりがぼんやりと光ってるんだ。ここもああいう風にしたくない? ああ、そう。えーとそれで、中央に高い階段があって、上っていくと台座があったんだ。底にあったのが、これ。赤い杖と青い槍。錫杖? 三叉槍? ふーん……ま、ソウルを見つけたわけだよな。どう見てもソウルだろ、この質感。でも、このソウルは他とはちょっと違うんだ。完全に俺を持ち主だと認識してる。呼べば来るし、他の奴が触ってもそれは移らない。もちろん、普通のソウルと同じように対応する加護も強くなる。武器型ソウルだから特別なのかな? え? 道具型? どっちも変わんねえよ。……それで、持ち歩くことにしたんだが、如何せんそうするには勝手が悪くてな。手に持って動くって言うのは中々くたびれることで、そこでカニーにこいつらをしまうための道具を作って貰おうって思ったのさ。ついでに加工技術も教えてもらいたくて。しくじったと思ったぜ、おかげで爆弾も滅多に使えなくて、自分で作れたらもっと安全に旅が出来たはずだったって。で、ロットテーブルに向かうその帰り道よ。ヤツらに出会ったんだなあ! オルグ一行。まあ些細なことだぜ? オルグが火のソウルを持ってた。この腕飾りな。ほら、俺って水と風の加護あるけど火はないじゃん? それで欲しくなっちまったんだよ。錫杖? そらこいつも火のソウルだけどさ、どうしても欲しくってまあ盗むことに決めたんだ。簡単だったぜ、手下が奴をオルグって呼んでるの聞いてからオルグの前に行って、オルグって強いやつの手下になりたいんだが、どこに行けば会えるかなって。それで手下になって行進して、隙を見て盗んだのさ。で、後は追われてここまで来たって寸法さ。


▽▲▽▲▽


 非難の目はル・ギルとツァーキを行きかい、カニーとマスターは諦めたような声を漏らした。


「例の道具型ソウル、見せて貰っていいっスか?」

「おう」


 ル・ギルは自分の横に寝かせてあった二本を取り、カニーに渡す。彼は警戒しながら受け取ると、端から端までを舐めるように見た。


「短いっスね」

「まあな」


 カニーの指摘した通り、二本はル・ギルが扱うには長さが足りていないようだった。長身のル・ギルの脚ほどの長さもなく、槍や杖と言ってもそれほど体格にそぐわなければ、むしろ使い辛いのではないかとさえ思える。逆に言えば、戦場でやったように片手で両方を持つのも容易いという事だが。


「これでよくもまああんな大勢に喧嘩を売って……」


 カニーが呆れたように言う。


「上物手に入れて調子に乗ってたって部分はあったな、正直、少しだけ」

「炎が出せるようになったくらいでアッツ!!」


 突然大声を上げて、カニーは錫杖を落とす。マスターとツァーキがその身を案じる一方で、地では錫杖が熱気を発していた。その変化も既に収まりつつあるが、砂を焼く音にカニーに構っていた二人も、そしてカニー自身と黙するバッファも、錫杖に注目した。


「……ル・ギル」

「……あれ?」


 沈黙があり、ル・ギルはその中で手を伸ばした。錫杖は彼の下へと戻っていく。何事もなかったかのように手中に収まった錫杖を見ながら、ル・ギルは困惑したように言った。


「俺のだ」

「ル・ギルが発動したんじゃないの?」

「俺はツァーキじゃないぜ」

「人聞きが悪いなァ」


「所有権とは別に」マスターが口をはさんだ。「錫杖の加護は誰でも使えるってことなのかな」


「手が焼けたっスけど」


 カニーの巨大な掌に、一本の細い跡が残っていた。わずかに抉れているものの、機械種にとっては十分軽傷の類いだ。マスターが言った。


「所有権はル・ギルにあるからね」

「ということは、この温度に耐える素材で作らなきゃいけないってことっスよね」

「いけるのか?」


「あの鉄塊から火の加護を持ってた機械種の肌を見つけ出せれば」

「ああ、覚えてないけどアレ、やったのか……俺も手伝うよ」

「当然っス」


 ル・ギルとカニーが話していると、ル・ギルはバッファが自分の持つ錫杖に注目しているのに気付いた。彼の体は橙色だから、火傷はしないだろうと、バッファに錫杖を渡す。ル・ギルが持つと短く、頼りなく見えた錫杖も、小型のバッファが持つと立派な得物に見えた。中々様になる取り合わせに、バッファ自身も喜んでいるようで、左右に規則的に揺れているのは踊っているようにも見えた。


「バッファ、だっけ。オルグの機嫌ばっか取ってたから、あんま知らないんだよな。ここで育てるのか?」


「だって、どう見ても生まれたばっかじゃん?」


 ツァーキが言うと、カニーが馬鹿にしたような口調で言った。


「ル・ギルもこんなだったっスよ」

「老いぼれは嫌だね、記憶力がなくて」


 馬鹿を言えと、そのようなことを三体が言った。バッファは錫杖に火を灯らせ遊んでいたが、そこで四体を見た。貶し合っているくせにいやに楽しそうにしているのは、オルグ一行と旅をしていた時には見たことのない光景だっただろう。故に見入ったのか、あるいは将来、自分もその輪の中に溶け込んでいるのを夢想したのか。その真意はバッファ自身にも分からない。バッファに分かるのは、彼らの間に格差が存在していないという事だった。それがバッファの持つ唯一の知識による、見解だった。


▽▲▽▲▽


 機械種たちにとって気候の変化はほんの些細なことですらなく、それこそ鋼鉄の肌が赤熱でもしない限りは熱さなど感じない。故にロットテーブルを取り囲む荒野の炎天下に身を晒しても全く問題はなく、マスターたちの穴倉が快適な南北を走る隙間にあるのは、入り組んだところならばどこでも良いと、彼らが適当に選んだ結果だった。


「じゃあ東西側の道にすりゃあ良かったじゃねえか」


 ル・ギルは一人、穴倉の前でごちる。空は青く、雲が切れ切れに浮かんでいる。とうに陽は昇っているが、ロットテーブルの南北を走る隘路にまだ光は当たらず、薄明るくはあるものの、穴倉の中はまだほとんど真っ暗だ。カニーたちは、起きる様子を見せない。ル・ギルは旅の慣れで早く起きたが、彼らはいつも陽がこの道に射すまで起きないのだ。


「カニー……なあ……約束したよなあ……工作をするってよお……」


 結局、カニーが起きて不貞腐れたル・ギルを見ることになったのは、それから相当の時間を経た後になった。


「起こしてくれればよかったのに」

「次からそうする」


 それからそう経たないうちに五体が揃い、ツァーキはバッファを連れてどこかへ消え、マスターは穴倉の横で、カニーとル・ギルが鉄塊を切りだそうとしているのを見ていた。


 カニーが円盤のソウルを左手の甲に着け、鉄塊の前に立つと(と言っても、彼に足は無いのだが)、四本指の中二本の間に水が発生した。五本目の水の指はすさまじい勢いで噴出しているようで、飛んで勢いを失った水は見えない管を通るように弧を描いて噴射元へ帰っていく。カニーがその五本目の指を鉄塊へ差し込むと、何の抵抗もないかのように容易く、しかしゆっくりと鉄塊を切断していった。切り取った一部を手に取って、カニーはル・ギルに見せた。


「こんなもんスね」

「コツとかは」

「とにかく鋭くするイメージっスね」


 ル・ギルは人差し指を立てる。途端水が噴き出すが、カニーの様にはいかず、長く放物線を描いて台地の壁に掛かった。ロットテーブルの乾いた赤土に黒い線を残して、すぐにル・ギルの放水は止まった。


「あと短くっスね」

「無理だよ。無理だよカニー! ここ乾きすぎ。全然水でないもん。カニーはソウル使ってっからよォ!」

「じゃあル・ギルも使えば?」

「天才だな」


 ル・ギルはマスターの横を通りすぎ、穴倉の中から青い三叉槍を持って再び鉄塊の前に立った。槍を構えると、地にあった黒い染みが消える。槍の先端にある三つの切っ先それぞれを補強するように、水が幕を張った。


「それじゃ切れないっスよ」

「勝手になったんだよ」


 ル・ギルは再度集中する。切っ先に纏わり付いていた水は姿を徐々に変えていき、一つの薄い、透明な膜が、三つの切っ先を覆うような形で生まれた。三叉槍ではない、一つの切っ先を持つ槍へと、疑似的に姿を変えたと言っていいだろう。


「おっほほ」


 当のル・ギル自身が最も嬉しそうにしながら、鉄塊へ切りこんでいく。ソウルの力を身に感じ、高揚しているのがカニーとマスターに分かった。


 それからル・ギルは鉄塊から必要な素材を切り出し、カニーに習って二つの長物用の鞘を作った。鞘と言っても簡素なもので、輪に柄を通し、槍と杖の膨らむ所で引っ掛ける、というものだった。それにル・ギルは少しの細工をし、更に工作を続けて次の旅の準備が出来るまでに、およそ一週間の日が流れた。


「足の調子はどうっスか」

「悪くない、さすがカニーだぜ」


 ル・ギルは自分の脛の辺りに取り付けられた、灰色の装置を見る。小さなものだが、派手な体色のル・ギルにそれは目立っていた。ル・ギルの要望で、彼が作ったものをカニーに取り付けてもらったのだ。と言うのもこれは外付けではなく、機能のためにはル・ギルの体に一部を埋め込まなければならなかったからだ。


「脚力を大幅に強化ねえ。使いすぎると脚がダメになるから気を付けるっスよ」

「はいはい」


 穴倉の小さい出入り口から這うようにして外へ出ると、ル・ギルは早速走り回る。跳躍し、一旦足を止めると、彼の足の装置が低い機械音を出す。そして、衝撃と共にル・ギルは空高くへと跳躍した。


「ひょおおおおおおおおお」


 ロットテーブルを、空から一望する。無数の台地が乱立している様は、上空からでは大地にヒビが入っているように見えた。自分がどこから飛んだのかも分からない高空で、ル・ギルは腕を振って体を回転させた。荒野の果てに、山が見え、海が見え、森が見えた。旅した世界の知らない姿に大笑いしながら、落ちていく。


「楽しそうっスね」


 カニーがマスターに言う。


「流れてるのに気付いてるんスかね?」

「まあ、風の加護があるから、落ちてバラバラになることはないよ」


 台地の上に落ちたル・ギルが穴倉へ戻ってくるのに、そう時間はかからなかった。

 日が暮れ始め、ツァーキとバッファが戻ってくる。既に暗い穴倉の中で、三体はル・ギルに聞いた。


「次の旅はどこに行くんだ?」

「まだ決めてないなあ」

「サウザントマウンテンとかどうっスかね」

「ああ、あの高っけえ山」

「ガバルァの森も良いよ」

「なんか、もっとこう、刺激をよ……死の渓谷とか」


 三体の口が一斉に閉じる。暗闇の中の沈黙から、ル・ギルが反省した。


「ごめん」




 ル・ギルが朝早くに起き、錫杖と三叉槍を操る練習をしていると、穴倉からバッファが出てきた。


「よう、珍しいな」


 ル・ギルは二本の長物を腿の辺りに着けた鞘に収める。


 橙色の体を地から浮かせて、ゆっくりとル・ギルに近寄っていく。バッファは未だに言葉を発せない。機械種ならば、すでにある程度の言葉を操れて当然だが、バッファはいつまでも黙したままだ。しかし、自我のようなものが芽生えつつあるのは、教育に熱心なツァーキを初め、ル・ギルにも周知のことだった。ジッと見つめ合って、ル・ギルは、バッファの一つ目の窪みからレーザーでも出てくるのではないかと疑った。彼は火の加護を持っているから、出来るかも知れない。そしてふと、気付くものがあった。


「なんだよそれ」


 弧のような胴体の右肩の辺りに、妙な刻印があった。ル・ギルはバッファを引き寄せもっと詳しく見ようとする。それが何なのかに気付くと、隘路に光が満ち始めた。台地の上辺を見やる。真っ白な光が頭を覗かせていた。円の輪郭が現れるにつれ、道の影は押されるように失せていく。ゆっくりとした影の後退が道の半分まで来た頃、カニーが穴倉から出てきた。


「どうしたんスか」


 バッファを捕まえて離さないル・ギルに、カニーが言う。ル・ギルはバッファごと、カニーに寄っていった。バッファの右肩の辺りにある、奇妙な刻印を見せた。


「何だと思う?」

「『BUFFER』」


 カニーがその文字を読むと、ル・ギルは彼の飛び出た二つの目をまじまじ見る。


「なんスか」

「カニー、俺も全く同じに読めたよ。これは、『バッファ』って読むんだ。何故だ?」

「そう書いてあるからっスよ」


「気になることがいくつもある。俺はマスターたちの体にこんなのがあるのを見たことないぞ。バッファが初めてだ。俺はカニーたちに教わったこともない文字を読めた。こいつはオルグたちと一緒にいたときからバッファって呼ばれてた。つまり、あいつらも文字を読めるってことになる。この文字を読んで名前を付けたんだ。カニー、俺は……文字が読めるぞ! なんでだ!」


 熱心な独り言は一転、言いだしへと帰結した。ル・ギルの剣幕に、カニーがたじろいでいると、ツァーキとマスターが穴倉から出てくる。


「どうしたのさ、ル・ギル」

「うるせーよ」

「いや、いやよお、文字が読めるんだ、俺」

「それは、そうか」


 マスターは他の二人と顔を見合わせた。カニーは両の掌を上に向け、どうしようもないと言いたげな恰好を取る。ツァーキはル・ギルを一瞥して、「いいんじゃない」と言った。二体の反応を確認して、マスターはル・ギルに向きなおる。


「文字が読みたいの?」

「違う。俺は知りたい。なんで俺が文字を読めるのか」

「ル・ギルは、人類種にあったことはある?」


 ル・ギルはマスターの言った単語をそのまま口にする。機械種たちに虐げられ、地を這うモンスターランドの弱者。そして、強力な聖霊の加護を持つ者たち。彼らは機械種よりも劣っているが、それよりも多くの優れているものを持っている。そのようにル・ギルは、カニー、ツァーキ、マスターの三体から教わっていた。


 聖霊の時代より生きる、彼らから。


 だがル・ギルは、人類種を見たことがなかった。


「人類種に会えば、何か分かるのか? 人類種はどこにいる」

「次元城だよ」


 ツァーキが言った。

「異次元にある城だ。機械種が見つけるのは、それこそ強力な運がないとな」

「実力もね」


 再びマスターが言う。


「次元城は人類種にとって重要な場所だよ。だから、彼らの安全のために相応の、機械種への対抗策があるはずだ」

「具体的にはどうすれば良い」


 ル・ギルは背の低い三体と目線を合わせるよう、膝を曲げる。

「人類種を探すんスよ。次元城を目指す」

「連中は、機械種がいるのに旅をしてんのか?」

「次元城が一番安全っスからね」

「旅の途中の人類種は、次元城の場所の手がかりを持ってるらしいぜ」

「つまり、野性の人類種を探せばいいんだな」


 ル・ギルは立ち上がり、言った。


「じゃあな三人とも、行ってくるぜ」

「相変わらず即決だね」


 呆れるように言いつつも、マスターは、そしてカニーとツァーキも、誰も彼の決めたことに反対しない。ル・ギルは一度向けた背を、思い出したように振り返る。


「四人だったな。今度会う時は喋れるようになっとけよ、バッファ」

「ル・ギル、聖霊の加護を」

「おう、聖霊の加護を」


 マスターと言葉を交わし、今度こそ去る背中を、バッファは漠然と見つめた。カニーは穴倉へと戻り、マスターもカニーに続く。ツァーキはバッファを、またどこかへ誘った。いつも通りの光景の中に、ル・ギルの旅立ちもまた、当たり前の出来事のようだった。淡白で、あっさりとし、その間に感情の奔流はない。ただ己のために生き、抱いた衝動には逆らえない。ロットテーブルの機械種も、モンスターランドの機械種たちの一部に過ぎない。その点で彼らは決して特別ではなく、ともすれば、機械種というもの、その縮図がその荒野にあった。


 ル・ギルはいつか再び、この荒野へと帰る。あの台地群、ロットテーブルへ。


メインの機械種たちの造形は詳細に書けるのですが、そうでないモブキャラたちは名前も造形も考えるのが大変です。聖霊の加護を持たせるかどうか、そうでないなら黒くなるから、文章でも分かる印象的なデザインにしなければ、と言った具合で。

本来であればこちらを一話とするべきでしたが、やはり初っ端は人間が話を引っ張らなければ読者は付かないと、こっちを二話にしたんですね。

三話もよろしくお願いします!

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