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不死身少年と死神少女  作者: YUKI
罪悪感と生神少女
6/32

ep5 少女の話 その2

今回は夜の投稿となりました。

まぁ、読者の方には関係の無いことですが・・・。

今回で設定回はひとまず終わりです。

ちなみに前回の話で”直接は関与しない”という文章は

神様(創造神)直接が死を下しているわけでない、という意味です。


 青葉「死神と生神・・・。」


 少女「と、言っても全ての人間の死が


     死神や生神によって操作されてるわけじゃないわ。


     人の生死というものはその人の性格、行動、人との関わりといった


     多くの要因から成立するものなの。


     自分の生死を決めるのは自分次第ということなんでしょうね。


     その要因を無視して生死を決めることが出来るのが死神と生神の能力。


     だけど誰でもなれる訳じゃ無いの。


     老若男女、一般人、著名人問わず、


     人の死はその人に関係がある全ての人に影響を与える。


     良い影響か悪い影響かは人それぞれだけどね。


     世の中にいる全ての人間にそんな能力を与えてしまったら


     ものの数年で世界は滅んでしまう。


     だから、神様は特別強い思いを持った死者のみに能力を得る権利を与えた。」


     


 青葉「お前は特別強い思いを持っていたから死神の候補生になったってことか。」


 少女の言葉を遮るように、青葉は言った。


 少女「その通りよ。勿論、”候補生”というだけあってすぐになれるわけじゃない。


     私は死んでから5年、ずっと修行をしてきた。


     死神になるための修行をね。


     ま、修行の期間は人それぞれだけど。


     そしてあんたに死をもたらすことが死神になることへの最終試験。


     あんたが死ねば私は本物の死神になる。」


 青葉「何で俺なんだ?俺に何か恨みがあるのか?」


 少女「いいえ、生前の私とあんたとは何の関係も無いわ。


     強いて言うなら住んでた場所が近くってことぐらいかしら。」


 青葉「ならどうして?」


 少女「別に理由なんて無いわ。神に選ばれたのがあんただっただけ。


     とてつもなく運が悪かったってとこかしら。」


 青葉「・・・なるほどな。」


 少女「あら、怒らないのね。


     あんたからしたら考えられないくらい理不尽なことなのに。」


 青葉「理解は出来ないが納得はした。


     だが、まだ疑問がある。


     お前はどうして死神になろうと思ったんだ?」


 そう言うと少女は口をつぐみ黙ってしまった。


 青葉「悪いが話してもらう。そういう条件だったからな。」


 少女は青葉の言葉を聞いた後、少しだけ息を吐き、


 少女「ある人を殺すためよ。」と言った。


 青葉「死神が、死ぬ相手を選べるのか?」


 少女「そういう権利よ。


     さっきも言ったように死神は多くの要因を無視して


     人に死をもたらすことが出来る。


     つまり、死をもたらす相手をも選ぶことが出来るというわけ。


     そのかわりに相手を殺した後、


     無の世界に連れて行かれるって条件があるけどね。」


 青葉「無の世界?」


 少女「何も無い世界よ。天国でも地獄でもない世界。


     そこで生まれ変わる事も無く永遠に閉じ込められる。


     地獄よりも酷い世界でしょうね。


     でも、そうまでしても殺したい相手がいる。


     私と私の家族を------殺した人。」


 青葉「お前・・・殺されたのか?」


 青葉は驚いて尋ねた。


 少女「ええ。残念ながら相手の顔は見てないけど。


     でも、死神になれれば私を殺した人の正体も分かる。


     私が死神の候補生に選ばれた理由は


その人に対する憎しみの強さでしょうね。」


 青葉「なるほどな。だいたい分かった。


     もう1つ聞くが誓約ってのは何だ?」


 少女「それは単純なことよ。


     力を制御するための約束事。


     あたしたち人間にとって神の力ていうのはとてつもなく強大なものだから


     誓約無しで神になろうとしたら体がもたないのよ。


     例えば死神候補生は頻繁に死をもたらすことができない、とかね。


     死を一度もたらすだけでも、


     人間には想像できないほど大きなエネルギーを要するわ。


     でも、誓約は力を制御しすぎるからあまり多すぎてはダメなの。


     だからあなたに私の正体を話してはいけないって誓約は無いのよ。


     ていうか、本来は必要無いものだしね。


     通常の場合ならあなたは既に死んでいるはずなんだから。」


 これで少女の話は終わった。




 青葉「尋ねたいことは終わった。もう出て行ってくれ。」


 少女「はぁ!?冗談じゃないわよ!ここまで話させといて泊めてくれないの?」


 青葉「家に入れてやるとは言ったが泊めてやるといった覚えは無い。」


 青葉はきっぱりと言い放った。


 少女はすぐに何かを言い返そうとしたが、考える素振りを見せた後、


 自信たっぷりといった表情でこう言った。


 少女「私がここで叫んだらどうなるだろうな~。」


 青葉「何?」


 少女「このアパートは防音対策も万全じゃないみたいだし、私が悲痛な声で


     泣き喚いたら・・・一番困るのはあんたでしょう?」


 青葉「・・・!!脅してるのか・・・?」


 少女「別に~、独り言よ。」


 少女がそっぽを向いて言った。


 青葉はすぐにでも少女を外に追い出したかったが、


 彼女が騒いだら面倒な事も確かだった。


 青葉「俺には学校がある。俺が出かけてる間は家に入れない。


     お前を完全に信用してるわけじゃないからな。


     それでもいいということか?」


 少女「もちろんよ♪」


 青葉「・・・わかったよ。勝手にしてくれ。」


 少女「そうこなくっちゃね♪」


 青葉「・・・お前、名前は?」


 少女「綾川唯(あやかわゆい)よ。あなたは?」


 青葉「青葉リョウだ。」


 綾川「そう。よろしくね、青葉。」


 青葉「・・・はぁ。」


 こうして2人の共同生活が始まった。


感想等お待ちしております。

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