ep4 少女の話 その1
どもー、YUKIです。
今回から少女の話によって色々な設定が明かされていきます。
少女の話はep5まで続く予定です。
余談ですがこの話を書くに当たって、初めて神様の単位が"柱"であることを知りました。自分の知識不足を痛感しましたorz
少女「あんたやけに古いアパートに住んでるのね・・・。」
青葉の家を見た少女の第一声はそれだった。
青葉「ほっとけ。1人暮らしだから金が無いんだよ。
第一これで十分だ。」
少女「あんた1人暮らしなの?」
青葉「ああ、まあな。」
少女「ふうん・・・。」
青葉「とりあえず入れよ。」
中に入って少女がまず感じたことは、外観と比べてきれいなことだった。
だが、次の瞬間それは少し違うということに気づいた。
きれい、ではなく地味なのだ。
わかりやすく言えば物が少なすぎる。
漫画、ゲーム、パソコンなどが一つもない空間。
部屋にある娯楽といえばテレビと新聞ぐらいだった。
少女「あんた、本当に現代人?」
青葉「どういう意味だ。」
少女「趣味とか無いの?高校生なんでしょ?」
青葉「別に趣味なんて必要ない。」
少女「ふうん・・・。ま、いいわ。」
少女はそう言うとリビングの真ん中にあるテーブルのそばに座った。
それに続いて青葉も腰をおろした。
少女「じゃあ何から話せばいいの?」
青葉「お前の正体からだ。」
少女「正体・・・ね。確かにそこから話すといいかもね。」
少女は話し始めることを決めたようでまた息を吸った。
少女「あんたが言うとおり、私は厳密に言えば死神じゃない。
正しくは死神の候補生・・・ってとこかしら。」
青葉「候補生だって?」
少女「ええ、そうよ。」
青葉「死神の募集でもしてるってのか?」
少女「ま、そんなところね。」
青葉「・・・にわかには信じられないな。」
少女「そうでしょうね・・・ところであんたは神様っていると思う?」
青葉「は?いきなりどうした?」
少女「いいから質問に答えなさい。」
青葉「いるとは思うが・・・それがどうしたって言うんだよ。」
少女「そう、その通り。神様ってのはいるわ。
この世に生きる人たちの中には信じていない人もいるかもしれないけど、
神様は確かにいる。」
青葉「・・・お前まさか・・・。」
少女「多分あんたの想像通りよ。私を既に死んだ人間だと思ってるでしょう?」
青葉は黙って首を縦に振った。
少女「御名答。私は2007年に死んだ元人間よ。」
青葉「死んだ・・・2007年に・・・。」
少女「そうよ。あんたたちが世間一般に言う幽霊って類かしら。」
青葉「お前が仮に幽霊だったとして、死神候補生ってのはどういうことだ?」
少女「さっきも言ったように神様は確かにいるのよ。
大抵の人間は死んだ後、神様に判断されて天国か地獄に行くわ。
でも稀に普通の人間とは比べ物にならないほど強い思いを持った人間がいる。」
少女は、ちょうど私みたいにね、と言葉を付け足した。
少女「私たち人間は神様っていうのは色々な種類があると思っている人が多いけど、
実際にいるのは1柱だけなの。
この世界を創った神様。いわゆる創造神かしら。
その創造神が世界に関わるほとんどのことを管理して世界を見守っている。」
少女はそこで一拍置いた。
そしてまた話し始める。
少女「だけど、神様が直接関与しないことがある。
それは人の生死を決めること。
人に死をもたらす神、死神。人を生きながらえさせる神、生神。
この2つの役割よ。」
数々の常識はずれの言葉が青葉の耳には入ってきた。
それを信じる信じないの判断を下す前に彼女の言葉は続いていった・・・。
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