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不死身少年と死神少女  作者: YUKI
転校生と傍観少年
31/32

ep29 昼食時の談笑

約半年振りの投稿となりました。YUKIです。

ツイッターを見てくださってる方以外は

失踪したんじゃないかと思われていたかもしれませんね・・・。

私事になってしまうのですが先日まで受験生でして

3月5日にその肩書きがとれました。

待っててくださった方がいるのかどうか微妙なところですが、

趣味ですのでこれからも投稿していきます。

とにかく、これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

 宮守遥を学校まで送った翌日、青葉はため息と共に朝の身支度を行っていた。


 青葉「はぁ・・・。」


 綾川「何よ、朝からため息なんかついて。」


 朝食を食べながら今日のことについて考えていた青葉は


 もう1度短くため息をつきこう言った。


 青葉「昨日会った宮守って奴は俺の学校の転校生なんだぞ?


    転校生と1番最初に会話するなんて・・・。」


 綾川「美人な知り合いが出来て良いことじゃない。」


 綾川は不思議そうな顔でつぶやく。


 青葉「それが困るんだろうが・・・。」


 青葉は本当に困っているように呻いた。


 あの後、岡崎と宮守は連絡先を交換し、


 その場の成り行きで青葉も連絡先を交換することになってしまったのだった。


 青葉「転校生ってことは学校に慣れてないってことだ。


    そうなったら宮守は俺や岡崎に積極的に話しかけてくる可能性が高い。


    美人な転校生が転校初日に真っ先に話しかける相手がこの俺だぞ?


    周りの奴らの注目を集めるに決まってるじゃないか。


    そんなことになった面倒なのは目に見えてる。」


 綾川「あんた相変わらず周りと関わらないようにするのね。」


 綾川は若干呆れたようにそう言った。


 青葉「当然だ。というよりもこれまでずっとそうやってきたんだ。


    それを変えるつもりは無い。」


 青葉は強い口調で返答した。


 と、同時に夢の中での”僕”の言葉が頭の中で反響する。


 ---------「君は”あの日”からの救いを求めた。」


 青葉は軽く舌打ちをした。


 こんな朝の会話にまで介入してくるこの言葉に。


 そして、この言葉を過剰に意識してしまっている自分自身にも----------







 朝のSHRにて近藤先生から紹介を受けた宮守はやはり生徒からの注目を浴びた。


 何人かの生徒たちから質問を受け、それに丁寧に答える宮守。


 青葉は昨日、彼女に対して抱いた印象は間違ってなかったのだと改めて思った。


 そして、昼食時。


 青葉が購買でパンを買って自分の席に戻るとなぜかそこに岡崎と宮守がいた。


 青葉「・・・何か用か?」


 岡崎「3人でご飯食べよ!」


 岡崎は自分の弁当箱を目の前に掲げてみせる。


 青葉「岡崎はいつも女子の友達と食べてなかったか?」


 岡崎「そうだよ。でも、もりりんと仲良くなりたいし


    今日はこの3人で食べようよ!」


 青葉「だったら余計に女子のグループで一緒に食べたらいいんじゃないのか?」


 青葉が岡崎に食い下がっていると不意に宮守が口を開いた。


 宮守「あの・・・もしかして迷惑ですか?」


 青葉「えっ?いや、迷惑っていうか・・・。」


 申し訳なさそうな様子の宮守に流石の青葉も言葉に詰まる。


 宮守「昨日とても親切に学校まで送ってくださったので


    もっと仲良くなれるといいなと思ったのですが・・・。」


 岡崎「大丈夫だよもりりん、青っちはちょっと照れ屋なんだよ。」


 青葉「誰が照れ屋だ!あと、気になってたんだがもりりんって何だ?」


 岡崎「もちろん、あだ名だよっ!」


 岡崎が笑顔で答える。


 宮守が同じように笑顔を見せているということは


 このあだ名を受け入れたということなのだろう。


 彼女の適応力の高さに青葉は若干驚いた。


 青葉「・・・・・・わかったよ。お腹もすいたし早く食べよう。」


 結局、青葉が折れることとなった。




 岡崎「もりりんは前の学校では何か部活とかやってたの?」


 昼食を食べながら岡崎が尋ねる。


 宮守「私は美術部に所属していました。


    運動が得意では無いので・・・。」


 岡崎「美術部か~。私は絵があんまり上手くないから羨ましいな。」


 宮守「特別上手いわけでは無いですよ。


    ただ幼いころから絵を描くのが好きで


    それが今日まで続いてるだけです。」


 青葉「・・・何というか2人は結構反対な部分が多いな。」


 会話を聞いていた青葉がぼんやりと呟く。


 岡崎「えっ、そうかな?」


 青葉「ああ。宮守は運動は出来ないが勉強が出来て芸術面にも長けている。


    対して岡崎は勉強や芸術面はからっきしだが運動神経が良いだろ?」

 

 岡崎「それって私女子としてどうなの・・・。」


 がーんというような擬音が聞こえてきそうな声で岡崎が答える。


 若干ショックを受けたようだった。


 宮守「2人は仲が良いんですね。」


 岡崎「そりゃあ、私と青っちだからね!」


 青葉「いや、意味分かんねえよ。」


 青葉がすかさず突っ込む。


 岡崎「一緒に遊ぶくらい仲良いよ!」


 宮守「そうなんですか・・・。私もお友達になっても良いですか?」


 岡崎「何言ってんの!一緒にご飯食べたんだからもう友達だよ!ね、青っち?」


 青葉「え・・・あー、そういうことになるもんなのかな?」


 岡崎「そういうものなんだよ!


    青っちも友達じゃない人とご飯食べたりしないでしょ?」


 言われてみると確かにそうだった。


 というよりも高校生になってから誰かと昼食を食べるのは初めてだった。


 青葉「まあ・・・そうなるのか。」


 宮守「よろしくお願いしますね。」


 宮守が笑顔で頭を下げる。


 岡崎とはまた違った種類の綺麗な少女が


 自分に向ける笑顔に青葉も拒否する気にはなれなかった。


 青葉「あ、ああ。よろしく。」


 岡崎「うんうん友達が増えるのは良いことだね!」


 岡崎が頷く。


 岡崎「・・・・・・あれっ?」


 不意に岡崎が周りを見渡す。


 宮守「どうかしましたか?」

 

 岡崎「いや・・・今誰かに見られてたような気がしたんだけど・・・。」


 青葉「そうか?俺は感じなかったけどな。宮守はどうだ?」


 宮守「言われてみれば・・・という感じですね。」


 青葉「まあ、転校生が俺みたいな生徒と一緒に昼食を食べてたら


    幾分奇妙に見えるんだろ。


    視線を感じても不思議じゃない。


    気のせいかもしれないしな。」


 岡崎「うーん・・・そうだったのかな。」


 結局岡崎は納得したようで、また次の会話を始めた。


 ・・・が、岡崎が感じた視線は気のせいなどでは無かった。


 しかし、その視線が誰のものなのか。


 また、どういった意味合いのものなのか。


 それはまだ誰も知る由も無かった------------------------------

 


気が向いた方は感想等お願いします。

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