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不死身少年と死神少女  作者: YUKI
罪悪感と生神少女
3/32

ep2 死なない理由

どもです、YUKIです。

今週は連載初週なのでもう一話投稿しました。

もう1人の主人公、登場。

 青葉は困惑していた。


 いきなり目の前に現れた見知らぬ少女。


 彼女が言った言葉は、


 「何で、あんた死なないのよ!!!」


 さらさらとした黒髪のポニーテール。


 強い意志を持ったまっすぐな瞳。


 青葉は分からなかった。


 この少女が誰なのかも。


 この言葉がいったいどういう意味なのかも。


 正体を聞くか、言葉の真意を聞くか。


 どちらにしようか数秒迷ったが、最終的に青葉が選んだのは無視だった。


 つまり、こういうことだ。


 この少女はたまたま、俺に死が迫っていた場面に遭遇した。


 しかも、2度も。さらに、その両方を退けた。


 それを見た少女が自分に対して驚いた、ということだろう。


 それならば、この状況にも説明がつく。


 ハッキリ言ってそんなことにいちいち答えたくない。


 変に興味を持たれてもめんどくさいだけだ。


 青葉は体をもとの向きに戻し、何事も無かったかのように歩き出した。


 少女「ちょっ、何で無視するのよ!」


 青葉は答えない。


 少女「ねぇってば!目合ったでしょ!」


 青葉は答えない。


 少女「・・・待ちなさい・・・!」


 ・・・青葉の動きが止まった。


 最後の少女の声。今までとは全く違う、殺意が込められた声だった。


 青葉が再び振り返った。


 声に込められていた殺意を全身にまとい、少女は立っていた。


 少女「私の質問に答えなさい。なぜ、あんたは死なないの?」


 少女は再度同じ質問をしてきた。


 このままでは埒があかない。


 青葉は適当に少女をたしなめてさっさと逃げることにした。


 青葉「・・・お前が、今日の俺を見て何を感じたのかは知らないが

    

     俺に特別な力なんて無い。答えはこれでいいのか?」


 青葉は、早口でまくしたてた。


 少女は青葉の言葉を聞き、少し考えているようだった。


 その様子を見た青葉は再び、歩き出そうとした。


 しかし、少女の言葉が青葉を静止させる。


 少女「待ちなさい。あんたは私から逃げることは出来ないの。

    

     だから立ち去ろうとしても無駄なの。」


 青葉「ストーカー宣言か?最近のストーカーは豪快だな。」


 少女「そんな生易しいもんじゃないわよ。」


 少女は真剣な顔で言った。


 少女「私は---死神。あんたに死を届けに来た死神。」


 青葉「・・・・・・はぁ?」


 これは全く予想外だった。


 少女は真剣な顔をしている。


 とても、演技には見えなかった。


 だが、言ってることが非現実的すぎる。


 青葉「・・・あのなぁ、俺はそんな戯言に付き合ってる暇は無いんだよ。じゃあな。」


 少女「嘘じゃないわよ。現にアンタが一番分かってるでしょ?


     今日、あんたは死にそうになった。しかも、2度も。


     それは、私がもたらした死。


     でも、あなたはそれを跳ね除けた。

   

     あたしが、持った疑問は2つ。


     なぜ、あんたは死なないのか。


     もう一つは、なぜ、全く動揺しなかったのか。


     普通、死にそうになったら恐怖とか不安を感じるでしょ?


     そこから助かったら、喜びや安堵を感じるでしょ?

    

     でも、アンタにはそれらの感情が全く見えなかった。どうして?」


 自らを死神と名乗る少女は尋ねる。


 が、青葉は答えるつもりは毛頭無かった。


 青葉「知らん。だいたいお前の言ってることは矛盾してる。」


 少女「矛盾?」


 青葉「そうだ。仮にお前が死神だったとして、なぜ俺が死なない?

     

     人を殺せない死神なんて死神じゃない。信じろという方が無理があるだろう?」


 少女「だから、それが分からないから尋ねてr」


 青葉「最近の死神は標的が死なないと、


     どうして死なないの?って尋ねるのか。ひどく滑稽だな。」


 少女「なっ・・・」


 青葉「とにかくだ。今の俺からしたらお前は痛いこと言ってるガキだ。早く家に帰れ。」


 少女「あんた・・・死神なめんじゃないわよ!」


 少女が先ほどとは別の怒りを言葉に込めて叫んだ。


 少女「分かったわよ!じゃあ、嫌でも分からせてあげる。

  

     今日中にアンタは死ぬ。絶対に!」


 青葉「・・・はぁ。もう勝手にしてくれ。」


 青葉は少女に背を向けて家へと歩き始めた。


 彼女の叫び声を背中で受けながら。

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