プロローグ 紅い夢
お久しぶりです。YUKIです。
このたび新しい小説を投稿することにしました。
以前から知ってくださっている方も、
新しく呼んでくださる方も、
よろしくお願いします。
夕焼けの光が路地を染める中、僕は立っていた。
ここはどこだろう?と思い、
歩き出そうとしたが足が動かなかった。
それどころか、手も動かない。
自分の体で動かすことが出来るのは眼球だけのようだ。
辺りを見回してみる。視界に公園が入ってきた。
滑り台、鉄棒、ブランコ、時計しかない
とてもシンプルな公園だった。
その公園に人影が見えた。数は1つ。
少年は道路にへたりこんでいた。
泣いているようだった。
よく見ると少年のそばには2人の子供が倒れていた。
少年と少女。
彼らの体は夕日の光よりも紅い鮮血に染まっていた。
顔は潰されており、誰なのかは分からない。
「知ってるくせに。」
誰かがそう言った気がした。
だけど、誰なのかは分からない。
このとき、僕は凄まじい怒りを覚えた。
泣いている少年に。
いますぐ殺してやりたいとさえ思った。
理由は分からなかった。
そのとき、少年が顔を上げた。
僕と目が合う。
涙で濡れた顔。
光を映していない瞳。
それらを見たとき僕は理解した。
この少年に憎悪を持ったわけを。
僕と目が合った少年の顔は----------
紛れも無く幼い頃の自分自身だった。
理解した時、僕の視界の景色は暗転した。
泣いている僕を残して・・・。
感想お待ちしています。