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『とある生徒会と現代魔術っ!?』――その4――



さてさて。

大変お待たせしました。



前回の続きになります今回は?



とある作戦会議にて。

"優希他達"を含む荻高生徒会メンバーと"光雄とマリオン"でのオカルト部

絡みますっ!!


そんな訳でっ。


夢のコラボ企画。

『これが俺らの生徒会!!〜青春と言う名の悪ふざけ〜』

『光学の超高密度収縮粒子砲戦記』

始まり始まりっ!



 



 シン――。と静まりかえる無音の空間…。西側に傾き出した日差しが照りつける。



 そんな中にはたかも。まるで鏡の国に聳え建つ城の如く揺らぐ荻野原高等学校。


 無音と化した校門前に一台のセダンが停車する。

 運転席に腰を沈める人物は社内ラジオのスイッチを左手で摘む。

 そしてぶつくさと文句を言いたげな表情なのである。



「ったく。この"ポンコツ"。さっきからノイズが酷くぜんっぜん聞こえねぇ〜んですけど〜。ねえ。ちょっとぉぉ〜。もしも〜しっ。早く出て下さいよぅ〜。」


「あのっ。先生…。一体誰と会話してるんですか?」


「いや…。ちょっとね。こう…なんだ。」



「――もうっ。何でもないです。」



「そぉ〜お?」



 突然の助手席側からの質問に1人語りは一時的にストップ。

 更に痺れを切らしたのか。今度は手の平でパンパンと賑やかに叩き始める始末なのである。



「あのっ。松平先生。そんな事より。」



「ああ。どれ。あのスイカか?俺の実家の婆さんがなぁ〜。」



「ったく。もういいですっ!!」



 何ともまぁ〜。上手く噛み合わない会話で額にかかる茶髪を片手で弄り出す。 そして逆にふくれ顔で文句を言いたげになる少女。


 そんな矢先。一転歩置いてようやく少女がさっきから聞いている意味に気付くのだが?



「な。なんじゃこりゃ?久々の登校日で全校集会でもやってるんか? なあ。乃木先。」



 ガンガンと激しくダッシュボードを叩いていた手を止める。

 そしてゆっくりと車を発進させる。

 ひとっこ一人見当たらない通路を徐行するのだ。

 そんな矢先。2人の人物はフロントガラス越しに広がる異常な"ナニカ"を見付けてしまうのである。



「おいおいおいっ!いかんなぁ〜…。まったくいかんよ。」



「えっ。ちょっ!先生っ。危険ですって!」



 突然視界に入るナニカを大量に辞任する。それが一体何を意味するのか。

 乃木先は何となく理解する。



 そう。校門前の壁という壁に何かしらの張り紙を辞任。

 そして車外に降り、煮え切らない表情で引き剥がそうとする松平を止めに入る。



「まったく!こんな悪戯を。又々例の"オカルト部"の仕業か。こんな所。あの"教頭の石頭"に見つかっちまったら今度こそ廃部扱いだぞっと!」



「――せいやっ。」



「せっ?せせ先生っ。それダメぇぇぇっ!」



 そう。その瞬間乃木先は自分の目を疑う。果たしてこの2人になにが起こったのか!




  ◇◆




 一方その頃。荻野高特別課。階段を登りきった先。廊下の突き当たりにある。『荻高生徒会室』…。

 その一室内に複数の男女の姿が入り乱れる。



「ふぇぇw…。みんなして酷いですよぉ〜。」



 午後の西日が差し込むこの一室内にこの一連の異常事態を。そして原点に戻り人探しから作戦を立てる為に集まる。

 その一室内の中央を陣取る長机に突っ伏している奈々海。

 彼女は先程前、この場所へ向かう途中。

 たしかに無人だった筈の校舎内に溢れかえるその他の生徒やらに出くわす。

 そしてビクリ…。と何とも言えず。あわわと挙動不審に陥りる。

 そして、ここ生徒会室で。只今目の前でやれやれと肩を落とす優希他達にフォローされているのだ。



「いやまぁ。奈々海は事実を言ったわけだし。大丈夫だよなっ。はは。」


「なぁ…(汗)圭輝。あんたがフォローしても余計ややこしくなるだけやで。」



「んなっ!?」



 先程までのシビアな展開は何処へやら。

 何とも長机に突っ伏する奈々海。

 その彼女を境にして両腕を組ながらニヤケる紫苑に見透かされる。



 そんな圭輝は「ハァ…。」と膨大なため息を吐き捨てる。そして彼の横に佇む優希他に理解を求めるのだが?



「そうそう。さっきの演技。さっすが圭輝っ。惚れちゃいそうだぜ。」



「って?ちゃかすなっ!たく。優希他〜。このおれだって。なぁ光雄っ。君だったらこう――突然無人になる異常な事態とか分かるよな。」



「――へっ?」



 しかし相手が悪かったのか。

 光雄は只今この一室の奥側にある棚を漁るマリオンの後ろ姿を呆然とみていたのであるが。



「あん?圭輝。何か良いあんでも見つからかったのが?」



「いやまぁ。君に話し振ったのがww」



 しばしの沈黙。なにはともあれ。何時もの生徒会室に戻りつつあるのであるが。

 そんな中をせっせと小さな身体を必死に伸ばし、棚を漁るマリオン。



「うぅ〜。ちょっと〜。これっ!そこの"宏人"さんっ!この本が。ほらっ早くっ!」



「うげえっ……俺かっ!?」


「ほぅ〜?宏人。マリオンお嬢さんがお呼びやで〜。」



「なぁ葛城。おまえが。」



「ん?良かったな!今井っ。」



「ちょ……。マジ?」



 突然のマリオンの指名で瞬間的にヒクリ…。と口が歪む。

 普通の輩ならともかく。怪しげな魔法少女?に迂濶に関わるのはかなりヤバゲのようで。

 精神的ならまだしろ身体が素直に拒否反応を示しているのである(笑)

 そして宏人は。何やら助けを求めるように周りをキョロキョロと見渡す。



 当然の如く先程まで小馬鹿にされていた圭輝までも目を反らされる始末なのである。



 その間もマリオンは左手で棚を掴む。そしてむぐぐと必死に一番上にある資料に手が届かないようでブンブンと必死に手を翳しているのだが。

 何やら表情が先程より好まなしくないのだ!



 宏人は。そんな最中突如光雄に左肩を叩かれ反応する。

 何故か光雄は意味ありげな真剣な表情なのだが。



「なぁ。今井っ。一つだけこの俺様が忠告しとく。」


「なっ。一体なんなんだよ。」



「たのむ。とにかくマリオンを"怒らす"なw。俺様はきゃつの逆境に触れてだな――。」



「うっさいっ!!」



 瞬間言いかけた一言を最後に光雄は宏人の視界から消滅!

 「ぶぉらっ!?」と謎の断末魔を後方に。まるでワイヤーアクションの如く?

 謎の高速回転をしながら鈍い音を残し壁に激突し無惨な事になる。

 左手で棚を掴む。それを軸にした鮮やかな回し蹴りが目の前で炸裂したのだ。


 つかの間の沈黙。瞬間宏人は涙目で後方に佇む優希他達に訴えるも。皆して両手を前にノンノンとユニゾンする。



 そして。宏人は何とも可哀想にww…。とうとう水色ショートの髪を可愛らしく揺らすマリオンに。

 にっこりと悪魔の微笑みにビクつきながら彼女を支える。

 そしてマリオンは一番高い位置の資料を取り出すのである。




  ◆◇




 そして。未だピクリとも動かない約1名の間抜けな犠牲者?を残し、ここ生徒会室の長机にそれぞれのメンバーが腰を下ろす。



 その長机の一番端側。左右を挟んで皆が注目する中。中央に佇む生徒会長こと圭輝。

 机上に拡げられた資料。ここ十数年の間に起きた数々の旧校舎に関連性のある事件や事故等の説明を始める。

 そしていよいよ本格的な作戦会議を始めるのだ。



「みんな。この資料を見てほしい。優希他。これをたのむ。」



「あいよ。って?古っ!」



「なんや?優希他。どないしたん。」



 幾つかの古臭い新聞が挟んであったのか。それを机いっぱいに拡げて行く。

 数々の謎の解体工事での事故当時の詳しく記載された資料なのだ。



「なになに?こいつもか。し…昭和62年8月26日。午後14時40分未明。〇〇県立荻野原高等学校にて。旧校舎を解体作業中。2名"行方不明"――。その数日後。〇〇市付近にて重体で発見されるっ?」



「ええっと…。平成6年。8月26日?まじっ?〇〇県立荻野原高等学校旧校舎にて――。」



 たんたんと資料等を読み上げる優希他。

 数回の例を覗いてそのどれもが同じ場所。

 そして同じ時刻で起こる消失性の事件なのである。


 そんな中。1人だけ首を傾げ何かしらを見つめるマリオン。

 紫色の手袋ごしの手を小さな顎に器用にあてがう。 そして目の前に拡げられた数々の資料。更にその一点を真剣な眼差しで眺める。



 その様子にふと気がついたのか。彼女の隣に腰を下ろす紫苑はマリオンに質問する。



「なぁ。マリオン。さっきからあんた何処見てんのや。それに。なんか分かったんか?」



「――うぅ〜。ねぇ。紫苑さん。これっ!この新聞に記載されている写真っ。全部並べてみて。」



 彼女は一体何を見付けたのか。マリオンはガタンと椅子を鳴らして勢いよく立ち上がる。

 並べられた写真をじっと眺める。

 そして――。



「そうっ!分かったよ。これっ。この写真にある端側。このも――。」



「――べあっ!!!」



「「「――っ!?」」」



 とまぁ…。一瞬で一堂がこの一室に突如侵入する輩に凍り付くのだが?

 その数秒後。一堂壮大なため息が漏れたのは。言うまでもないのである。




  ◇◆




「――あの。マリオンさん。この真ん中にあるこれは?」



「うん。たしか私がバチカン図書館で見た事ある文字だねっ。『Absalon(アプサロン)』だよ。

ええっと――。紀元は約12世紀かな。」



 午後の日差しに照らされながらサラリとした黒髪ショートの髪を揺らす。

 自慢の小さな眼鏡をかけなおす。

 奈々海は先程前に優希他が拡げた資料。

 そね写真とここ生徒会に突如来訪した松平先生が持って来た大量のとあるプリント用紙をマリオンに見せる。



「やっぱりです!それで。えっと。その"Absaln(アプサロン)"という事はですねっ…。たしか――。」



「うん。"デンマーク"だよ。そこの大司教っ。ラテン語で略すと『Cesta-denorum(ゲスターダノルム)』デーンの事鍵を表した全16書のルーンだね。」



「12世紀とか。そっ…そんな(いにしえ)の魔術をですか…。」



 一体2人して何のスイッチが入ったのやら。長机を挟み意味ありげなオカルトトークに花を咲かせる輩なのだが(汗)



「おお〜い。奈々海。それにマリオン。"まっつー"がわざわざ美味しいスイカ持って来てくれたんだけど。ほらっ!作戦前の腹ごしらえに――。」



「今大事な所なんです!圭輝先輩。私達に話しかけないで下さいっ!」



「そうだよっ!」



「……。」



 圭輝はせっかくだからと言い掛けた笑顔のまま2人にじと目で見透かされる。 そして当然の如く渋々と両肩を落とし退散する。

 何とも寂しげな背中なのであるが。



 そして。つかの間の休息の後。いよいよこの一連の謎の事件を解決する為に。 圭輝を含む生徒会メンバー。そして。マリオン達オカルト部メンバーでの連合チームはあの旧校舎に乗り込むのである。



 果たしてこの"ヤバゲなチーム"?で旧校舎にてどんな混乱(カオス)になる事やらww



 更に無理矢理だが。

次回っ!"大乱闘"?もといっ。大決戦へ続くっ(笑)







ええっと…。今回は決戦前夜みたいなグダグダパートになってしまいましたねっ…はは(汗)



そして次回の絡みは?

いよいよあの旧校舎にて。生徒会チームとオカルトチーム。更に"うさん臭い"とある人物?を巻き込み。

なにやらかなりの頓挫(とんざ)の予感が(汗)



そんな訳で

次回もお楽しみにっ(笑)

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