濃いイベントはお断り01
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目の前に灯された明かりを、子供の様にそれを見た。灯りは自分の手のひらの上で静止している。自分でイメージし、流れ出したエネルギーに念じたのだ。最初はまったく感じが掴めなかったのだが、アードルフの指導のお陰で具現化することが出来た。
初めての体験にワクワクしていた。これは”ライティング”の魔術と言い、一番最初に覚える術だ。危険が少なくて、かつ利便性が高いので重宝するそうだ。他にも、生活魔術を幾つか教えてもらった。
先程の明かりの”ライティング”
水気を集めて水を出す”ウォーター”
風を起して洗濯を乾かす”ウイング”
これらは生活では欠かせないとの事。ぶっちゃけた話、女性の場合使えないと家事が出来ないので、嫁に行くのに困るそうだ。(家事する気があっても、術を使えないと駄目なんてカルチャーショックだよ)
「料理をするのに火の術が要るけど、流石に馬車の中じゃ危険だからね。向こうに着いたら役場の人に相談して教えてもらうといいよ。・・でも驚いた。実際見て、イメージするのに慣れたら良いくらいに思ってたんだけど、リサは筋が良いみたいだ。」
言われて私はにかんだ。
(あはは・・・多分、中2力のせいです;;)
「教えてもらった通りやっただけですよ、・・必死だったし。」
”そうだね”と笑われた。
「初歩の生活魔術は公的な訓練校に行けば無料で教えてもらえるから、大丈夫だよ」