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屋敷での休息、ラボクラウンの仲間たち

王都を出てから5日後の夕暮れ時、ついにラボグラウンに到着した。


「はぁ〜。

 どうにか本日中山に到着してよかったっすね。

 今日はふかふかのベットで寝れるっす。」


サムは、疲労困憊のようで今にも倒れそうだ。


「そうだな。王都からお疲れさま。

 今日は、休んで明日あいつらを召集して今後について考えよう。

 ひとまず、屋敷に向かうぞ。」


ひとまず、休もうとおもいアズールの屋敷を目指す。

屋敷を目指す道中の人通りの少なさが、帰ってきたことを実感させる。陽が落ちるとここらへんいったいは、暗闇につつまれるため店仕舞いをしていく。門からの一本道を歩いていき、屋敷へと到着する。

前の領主が使用していたものをそのまま利用しているが、普通の一軒家よりも一回りくらい大きな家になっている。

ドアのベルを鳴らし、扉を開けて中へと入る。

サムが部屋にいるであろう人物に聞こえるように呼びかける。


「帰ったぞ〜。」


そうすると部屋の奥の方から、かけ足気味の足音がトコトコ聞こえてくる。

頭は白髪になっているが、表情は若々しく場を和ませそうな雰囲気ある初老の女性が顔を見せる。


「お疲れさまでした。領主様。

 寒かったでしょう。もう少しで食事の用意ができますよ。」


「ありがとう。それまで自室にいるから、準備ができたら呼んでください。

 何かこちらは、かわりなかったですか。」


「はい。こちらはいつも通りてましたよぉ。

 天気も良くてねぇ。ただ最近は冷えてきていたんで、王都からの帰りで雪が降ったらたいへんだと心配してたんですよ。」


「そうですね。天気が崩れる前に帰ってこれてよかったです。」


「それはよかった。よかった。

 旅の最中、孫は迷惑かけませんでしたかの?」


「迷惑なんてかけてないから。

 もう16歳なんだから、心配しすぎだって、ばあちゃん。」


こちらの初老の女性は、名前をナミエといいサムの祖母である。屋敷の家政婦として働いている。サムの両親は早くに流行病で亡くなっており、ナミエが親代わりとしてサムを育ててきた。


「そうですね。従者として立派に行動してくれました。もう一人前てますよ。」


「ほらな、ばあちゃん。おれももう一人前なんだよ。」


「そうですかぁ。まだ心配でねぇ。

 こないだまで、カミナリがなったら1人で眠れなかったからねぇ。」


「いや、いつの話だよ!」


玄関で少し談笑後、アズールは自室へと向かった。アズールは、屋敷の2階にらある一部屋を自室としている。サムとナミエも週の2日ほど自分の家に帰宅したりするが、基本は屋敷の1階に住んでいる。1階には、食事部屋やお風呂場、洗濯所があり、2階にはアズールの自室以外は空き部屋となっている。

アズールは荷解きがひと段落すると、ベッドに横たわり天井を見上げだ。

姫君がこの屋敷に住みなら、一部屋掃除する必要がえるなぁとぼんやり考え睡魔と格闘していると、サムが晩ご飯の用意ができたと呼びにきた。

2階を降りて食事部屋に向かうと、食卓には暖かい料理が並んでいた。


「さぁ、お腹空いたでしょう。

 冷めないうちに召し上がってください。」


シチューを皿に取り分けながら、ナミエが食事をうながす。先ほどまで眠気があったが、とたんに空腹が上回ったようで食事をとり始める。王都から帰還している道中で、野宿した際にシチューを作って食べたが、それと比べるとナミエが作ったものは数段上をいく絶品だった。サムなんて、一心不乱に食べている。アズールも空腹の虫を鎮めよと、食べすすめていく。

落ち着いたところで今回の旅について、サムとナミエが談笑をはじめる。はじめのうちは、王都の人の量が凄かっただの、王都にある建物は綺麗だっただの、他愛もない話が続いた。アズールは話には入らず耳を傾け、聞き役に徹していた。


「王都で食べた料理も美味しかったな〜。

 料理は何頼んでもよかったし、たくさん食べたな。

 ただ、お酒は許可してくれなかったんだよ。

 俺だってもう一人前だから飲んでもいいだろう?」


「何いってるんだい。

 一人前っていうなら、恋人のひとりでもできないのかい?お酒なんてそれからだよ。」


そうたしなめたナミエに向かって、思い出したようにサムが言葉を続ける。

 

「あぁ!!

 1番の目玉のニュースを言ってなかったよ。ばあちゃん。

 領主様に縁談の話しがあったんだ!

 しかも、相手は他国の姫様みたいなんだ!」


その言葉を聞くと、ナミエはアズールの方を向き物凄い笑顔で祝いの言葉を述べる。


「まぁまぁ、それはたいへんおめでとうございます。領主様。

 わたしは、孫のことも心配していたのですが、領主様についてもこのまま独り身でいるのかが、心残りだったんですよ。」


「それは、心配かけて申し訳ありませんでした、、」


アズールは、ひきつった笑顔をうかべながら返答する。


「いえいえ。とんでもない。老人か勝手に心配してたことですから、気にしないでください。

 それにしても、めでたいですねぇ。

 このお屋敷に住むんでしたら、部屋の準備をしないといけないわ。2階の大きな部屋に移動されますか?」


「いや、、ちょっとどうするかは決めていないのでひと部屋だけ準備してもらっていいですか。」


「かしこまりました。

 家具はどうしましょ。いえでもそれは、お嫁さんの趣味もあるからこっちで勝手に決めるものでもないですね。

 領主様、礼服の準備はできていますか?」


「いえ、それもまだ準備できてないですね。。」


「後回しにしてもいいことないですよ。

 それこら、後は、、」


「あっ。ちょっと旅の疲れがら出てきたので、自室で休息しようと思います。」


アズールは話しが止まらなくなっているナミエから逃げるように、席を立つ。


「そうですか。明日のご予定は?」


「午前は、一度ギルドに顔を出そうたら思います。

 午後は、屋敷で政務を行う予定です。

 昼食は、外で食べるのでいりません。」


「かしこまりました。」


「それから、サム。

 明日の午後14時に、応接室にくるようホークとレスシタール、ムツに伝えてくれ。今後の方針について話しておきたい。」


「了解っす。」


では、おやすみといい自室に戻る。抜け出した部屋からは、サムとナミエの話し声が聞こえる。おそらく、先ほどの話しの続きを話しはじめたのだろう。

自室につくとベットに横たわり、しばらくは明日にしなくてはいけないことなんかを、考えていたと思う。しかし、想像以上に旅の疲れがあったのだろう。すぐに、睡魔が訪れ意識が遠のいっていった。



次の日の14時に応接室にアズールが呼び出した3人がそろって席に座っていた。

応接室は、テーブルを囲んで椅子が配置されており、一つは、長く3人ほどが腰かけることができる椅子となっている。

その1番大きな椅子に座ってるいるのが、3人の仲でももっともがたいがいいレスシタールである。彼はラボクラウンで兵士長を務めている人物である。歳は、40才ほどでありアズールよりひと回りほど歳上となっている。背は180cmほどで、口髭を生やしていて、片目に眼帯をしているため一見山賊のような印象をうける。しかし、ラボクラウンにいる兵士の中で唯一兵学校を卒業しているキャリアを持っている。また、顔に似合わず面倒見は良く兵からの人気も高い。


レジスタールの右隣の席に座っているのはムツと、呼ばれる女性である。ライトグリーン色の長髪で、身長も160cmと女性にしては高めである。階級は副兵士長でありもともとは、他国の貴族であった。アズールが領主になる前に傭兵として活動している際に、知り合いそれから行動を共にしている。基本無口で仕事のこと以外は、話さない。しかし、戦場ではもっとも勇敢で真っ先に戦い始める。戦場でもっとも勇敢に戦った人物に与えられるフォーロンホープ勲章を何度も授与されている。年齢も20代半ばであり、若い指揮官は、部下が命令を聞きづらい傾向にあるが、ムツの場合は配下に配属されることを望む人も多い。


最後に、ムツの向いに座っているのが、ホークと呼ばれる男である。彼は、ラボクラウンの内政をしきっている。40代半ばであるが顔は疲労の色がこく目にはくまがあり、弱々しい印象をうける。さらに、かなりの心配性で、神経質でいつも何かを不安そうにしている。そんな気弱にみえる男だが、事務処理においては卓越した能力をみせ、判断は公平で正確である。また、自分の中の信念を強くもっており、信念に反することに関しては頑固である。もともとは、王都の役人であったが左遷されて別の街の役人をしていたのを、アズールがヘッドハンティングで連れてきた経緯がある。


そんな、3人が待っている中駆け足で呼んだ当事者が部屋に入り、余っている席に座る。


「すまん。少し遅れた。

 午前中にギルドに行っていたのだが、少し話しこんでしまった。」


「いえ、まぁ結構ですよ。

 最近戦があるわけではないので、訓練や見回りくらいしかやることがないですので。」


そう、レスシタールがタバコをふかしながら返答する。


「こっちらは、そうでもないですよ!

 今年も終わりますから、今年の税収の計算や来年向けの予算の作成、いろいろやることはありますから!」


ぷりぷりしながらホークが、言葉を続ける。ホークとしては、集まる連絡を当日におこなったことが納得いっていないようだ。自分の予定を崩されるのを何より嫌がる男だ。アズールは、いつものことなので気にせず話しをすすめる。


「そうか。だが、至急最優先で対応する必要があることがあるから呼び出した。

 今回、王都に呼び出された件についてだ。」


そう言うと、アズールは縁談の件について話し始めた。



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