ちょっとかわった医師にインタビュー①
ひとり: (震える声で) ええと、錦木先生、本日はよろしくお願いします…。先生がお考えの「健康から生活を守る」という視点について、もう少し詳しくお聞かせいただけますでしょうか…?
千束: (にこやかに) おっ、ひとりちゃん、よろしく!「健康から生活を守る」って話、シンプルに言うとね、健康のために生活の楽しみを全部犠牲にするのは、違うんじゃない?ってことだよ。
ひとり: (目を泳がせながら) 生活の楽しみを…犠牲に…ですか?
千束: そう!だってさ、お酒はダメ、タバコはダメ、夜更かしもダメ、好きなものも食べちゃダメ…ってなると、何のために健康でいるのかわからなくなるでしょ?私の親父も昔はタバコ吸いまくってたけど、それが日常だったんだよね。体に悪いって言われても、なんか許されてた雰囲気というか。
ひとり: (小さく頷きながら) 確かに、昔の喫煙率は高かったと聞きます…。
千束: でも、だんだん「健康が一番!体に悪いものは全部やめろ!」って空気が強くなってきたんだ。特にコロナの時は顕著だったよね。「新しい生活様式」とか言って、手洗いやマスク、ソーシャルディスタンスが当たり前!って。私は当時から「なんか違うな」って思ってたんだ。
ひとり: (おずおずと) それで、先生はご自身の本で、その考えを…。
千束: そう!最初は編集者さんに「世の中の空気と違うから、もっと主張すべきだ!」って言われてね。でも、私は「医学的に見ても、健康が全てじゃないってことはあるはずだ」って言いたかったんだ。だって、人生って、別に何かの目標のためだけに生きてるわけじゃないでしょ?
ひとり: (ごくりと唾を飲み込み) 無目的に過ごす時間も、生活の一部、ということでしょうか…。
千束: そうそう!夜更かししてスマホ見たり、つい食べすぎちゃったり、そういう「ちょっとした無駄」みたいなのが、人間らしい生活なんだって思うんだ。そういう雑多な中に楽しみがあるんだよ。でも、健康とかっていう一つの目的のために、そういうものを全部切り捨てて最適化しちゃうと、人生がその目的に奉仕するものになっちゃう。それは寂しいよね。
ひとり: (深く頷きながら) 目的のために生きるのではなく、生活そのものを楽しむ、と…。
千束: まったくその通り!私だって、昔は勉強だけが全てだと思ってた時期もあるけど、結局それだけじゃなくて、もっといろんなことに興味を持つようになったんだ。大学出てフリーターやってたのも、世間から「お前はバカだ」って言われるのが嫌で、もっと広い世界を知りたかったからだしね。
ひとり: (目をキラキラさせて) 先生も、そういう時期があったんですね!
千束: うん!だからね、ひとりちゃんも、健康に気をつけつつ、自分の「好き」とか「楽しい」を大事にして、自由に生きていけばいいんだよ!それが、一番素敵な生活だと思うな!
ひとり: (感動したように) はい…!錦木先生、ありがとうございました!なんか、心が軽くなった気がします…!
千束: (満面の笑みで) どういたしまして!またいつでも相談に乗るからね!