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第8話 悪戦苦闘
「どうしたリナ?石が粉々になるどころか、われてすらいないぞ?集中力が足りん。」
「くそ!こんなに石ころをわるのが難しいと思わなかったわ。」
リナは完全に奥義の修行を舐めていたと、しっぺ返しを食らってしまっていた。
「お前の実力はその程度のものなのか?」
ケイツァーは悪戦苦闘するリナに葉っぱをかけ続けていた。そんなリナも最初は石に剣をかすることさえ出来なかったが、次第に石ころにサーベルが当たる様になり、粉々とまではいかないまでも、大きく砕ける様にはなっていた。石ころとの距離や突進する角度など様々な要素を試行錯誤して雷を体に覚えさせようとしていた。まともにサーベルなど扱った事の無かったリナにとっては、兵士の下っ端の時代から使い慣れていたソルジャーブレード以外の剣を握るのはケイツァーが与えてくれた練習用サーベルと土羅権サーベルが初めてであった。持ち前のセンスと粘り強さを見せて1日1日確実に成長を見せているリナなのであった。