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第6話 サーベルの基本
「師匠!時間がないんです。急いで教えて下さい。」
「その師匠って言うの、やめてくれないか?それに焦っても剣の実力は上がる事は無い。」
「では、どうすれば早く上達出来るのでしょうか?」
「サーベルの基本を身に着けないとその望みは叶わないだろうな?ただ、お前は剣の筋は良いから焦らんでも、直ぐに強くなる。」
「そのサーベルの基本って何ですか?」
「サーベルは、斬る事よりも、突きに特化した剣だ。だから、どんな体勢からでも突きを繰り出すフォームをマスターする事。それなんだ。」
ケイツァーは言葉での説明はそれくらいにして、丁寧に基本の姿勢をリナに教え始めた。リナも言葉での説明よりはよほどそちらの方が良かった。天の構え、地の構え、真の構えの3つの構えをリナは特訓し始めた。天の構え(上段)、地の構え(下段)、真の構え(中段、正眼)これらをマスターして、初めてその先へ進む事が出来る。ただ、今のリナには、明確な目標があり、その為に成長のスピードは加速していた。