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第55話 人の上に立つ者
戦いの話とは少し話題がそれるが、リナが勝利するにせよ、アクナゼウロ2世が勝利するにせよ、いずれにしても、勝者がこの世界を統治して行く事になるはずである。つまり、人の上に立つ者として、それに相応しい人物で無ければならない。少し位どうにかなる。そんな気持ちでは、リーダーは務まらない。リナにそこまでの覚悟があるかは定かでは無いが、彼女にこれから先の事を考えている余裕は無かった。どんな未来が待っているにしても、リナはリナであり続ける。確定しているのはその点だけであった。ここで負ける事は、彼女だけの不利益に留まらない。大陸全土の人民にとっての不利益でもある。最もアクナゼウル王国に優遇されている人は確かにいたものの、それはほんの一握りの人物であり、大多数の民衆は、何かしらの不安を抱いていた。リナはそんな民衆の希望の星なのかも知れない。リナはある作戦を実行する為、天井にゴウカーエンを放ち穴を開けた。それは相棒のリザベラ(飛竜)を呼び入れる為の穴であった。




