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第53話 負けられないプライド
予想を遥かに超える皇帝アクナゼウロ2世の実力に、リナは防戦一方であった。体力は回復したが、連戦のダメージはメンタル面に蓄積されていた。そんなリナをあと一歩の所で支えたのが、負けられないと言うプライドであり、故郷クロムガス王国を復興させると言うハートであった。超えるべき障害はこの皇帝アクナゼウロ2世だけなのである。その想いだけで、踏ん張っている様なものであった。数ある戦いの中でもこれ程の魔法使いに会った事は無い。それはアクナゼウロ2世がただの斧使いではない事の何よりの証であった。リナが負けられないプライドを持つ一方で、アクナゼウロ2世はやっと花咲いたアクナゼウル王国の隆盛の流れを途絶えさせてしまう事にもなりかねない。いや、自分が主導して来ただけに、皇帝たる自分がリナに敗れれば、崩れ去るのはすこぶる早いのかも知れない。その予兆は随所に見られていたのだが、リナもアクナゼウロ2世も、この勝負に集中していた。




