第50話 アクナゼウロ2世
リナはかなりのダメージを残して最後の敵と対峙しなくてはならなかった。リザベラの所に行って来て一度帰還する事も考えたが、あと一人位どうにかなるだろうとそう、思っていた。しかし、これからリナが戦おうとしている相手は間違いなくアクナゼウル王国最強の敵であり、RPGゲームならラスボスと言っても良い存在であった。手負いで倒せる相手ではないが、戻るのもリスクがあった。リナにとっては、頭を使うスマート戦法が求められていた。ガムシャラに何の考えもなしに、戦えばはっきり言って殺られる事は火を見るよりも明らかであった。とにかくどんな事が相手に対して有効なのかと言う事を見つけなければ、リナがアクナゼウロ2世に勝てるチャンスは万に一つも無いだろう。これだけの戦いを繰り返して来た後に戦わなければいけないのは可哀想とも言えた。アクナゼウロ2世は稀代の斧使いである。そう、パワーだけはあると言う異色の親玉なのである。
「ワシは生まれてこの方、負けた事が無いんじゃ。」
それはアクナゼウロ2世をもってすれば、可能な事かも知れない。




