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第43話 安定感
信頼感とは逆に、リクードル副長の安定感はアクナゼウル王国最強クラスであった。いつも強いNo.2がいてくれるから、皇帝(アクナゼウロ2世)も仕事がしやすかった。この安定感こそ、皇帝と副長の目に見えないホットラインの源であり、彼の強さの秘密でもあった。いつもはそんな強さもあって戦えてもせいぜい20分前後で、それ以上戦ったと言う事はここ十数年で記憶に無い。リクードル副長も、リナの強さについては認める所があったのかも知れない。かれこれ1時間以上戦闘開始から時間は経ったものの、リナは防戦一方であった。致命傷こそないものの、二刀流の剣士など、滅多にいるものではない。見極めも大事であろうが、そろそろリナも反撃に出て良い頃合いであった。これまでの激戦を経てリナは、確実に成長はしていたものの、まだ力が足りていない上に気合や根性に頼り過ぎているという側面がある事は否めなかった。




