第36話 技のキレ
パミューラスの強さはアクナゼウル御三家随一のものだと言われていた。それはパミューラスの技のキレが並大抵のものではないと言う事が、大きな要因となっていた。その技のキレにリナは終始押されていた。その突破口も見えないままいたずらに時間だけが過ぎて行く。
「グリージアやミューロボーズを倒したと言うから、どれ程の実力かと思ったがなんて事はないな。」
「正直今までの2人とは全くタイプが違ってやりづらい。」
リナはまだ必殺技を鞘に納めていた。まだまだ弱らせる事が出来る。不充分なまま雷を決めた所で、不発に終わってしまっては、何の意味もない。ここがリナにとって我慢のしどころであった。
パミューラスの最大の武器は銀拳の名の通りまばゆいばかりの銀の手甲による打撃技である。アクナゼウル王国においてパミューラスに勝てる者は今の所2人しかいない。副長のリクードルとアクナゼウロ2世だけだ。この銀拳を崩さずにはリナの勝利はない。
しかし、そこまでの力の差は無いとリナは感じていた。とにかく一発でもこの銀拳をまともに喰らえば立っているどころか、生きている事もままならないだろう。




