第35話 銀拳のパミューラス
いよいよリナはミューロボーズによって渡された地図を基に敵本拠地であるアクナゼウル城に到達した。ミューロボーズの地図は無事に目的地まで、無事に辿り着くだけではなく敵部隊に遭遇する事無く辿り着けると言う点で最高であった。リナにとって雑兵を相手に要らぬ戦いをする事は死への階段を下りて行く事と変わりがない。アクナゼウルトップ3がいる事はミューロボーズから聞かされていたリナはとにかく体力を温存したかった。アクナゼウル城に入ってからも、ミューロボーズの地図の指示通りリナは進んで行った為、かなり奥まで無戦闘で潜入出来ていた。このまま、誰とも戦わないのか?そう思った時の事であった。
「貴様?見慣れぬ顔だな。名を名乗れ!」
「バレちゃあしょうがないわね。私はリナ。クロムガス王国竜騎士団の生き残りよ!」
「名を名乗られたのなら、この俺も名乗らねばならないだろう。俺は銀拳のパミューラスアクナゼウル御三家最後の一人だ。」
リナが遭遇した最後の御三家の一人であった。ここまで来たら、総大将の首まで取りたい。だからこそ、パミューラスに負ける訳にはいかなかった。




