第34話 何奴
「お前は一体何奴なんだ?」
ミューロボーズは最後の力を振り絞ってリナに聞いた。
「私はクロムガス王国竜騎士団の生き残りのリナよ。」
「これからどうするつもりなのだ?」
「あてもない闘いの連続だから闘いを求めてさまようは。」
「これを持ってアクナゼウル王国軍本隊に乗り込め!」
「これは?」
ミューロボーズはアクナゼウル王国への地図をリナに渡した。
「今のお主の実力ならば、パミューラスやリクードルレベルなら、恐らく倒せるだろう。皇帝の実力は分からんから何とも言えないけどな。」
「いよいよ、敵の総本山に殴り込む訳ね?」
リナは、嬉しいような、まだ早いと言う様な気持ちが半々であった。
「言っておくが、お前が倒そうとしている奴等はアクナゼウル王国軍のトップ3だ。油断は即死を招く事になるから、気を付ける事だな。」
「了解。」
「ちと、喋り過ぎた。」
そう言うとミューロボーズは静かに息を引き取った。リナはとうとう敵の根城へのルートを手にした。敵の本拠地であるアクナゼウル城までの地図をミューロボーズから託されたリナは、ミューロボーズの死を見届け静かに去って行った。




