第30話 情報屋の男
その頃リナは、ある男の行方を調べる為情報屋と言われるテンザルトと言う男の元へ向かっていた。テンザルトは神出鬼没な男ではない為、居所を見つけるのは比較的容易であった。
「あの〜?」
「何か用か小娘?俺は金以外何も信用出来る物がない。だから、金を払えるなら、こっちの持っている情報を提供してやる。で?何が聞きたい?」
「だとすると、私の知りたい情報は超高額かも知れないけど、聞いてみるわ。ズバリ、アクナゼウル王国の軍人ミューロボーズの行方を知りたいの。」
リナは、グリージアを倒した際にミューロボーズと言う男には気を付けろと言われた事が影響していた。
「あのアクナゼウル御三家の変わり者か。ちょっと値は張るが2日間時間をくれ。その代わり20%オフにしてやる。」
「で?いくらなの?」
「7000マネマネだ。」
7000マネマネと言えば、一般人の平均月収入350マネマネの20倍の額だ。決して安いとは言えないものの、リナは支払える範囲内であった為、承諾した。ミューロボーズを追いかけ、奴を倒す事でアクナゼウル王国にリナの存在を知らしめるのが彼女の目的であった。しかし、それをするには少し相手が悪かったと言える。いや、高額な情報量を払ってまで簡単に倒せる相手では無かった。




