第22話 お楽しみはディナーと共に
脱出出来る見込みはほとんど無かった。
「やめときな。ここは陸の孤島の異名で名高いディルドタワーの地下4階だ。女一人で脱出なんて無理さ。」
リナは黙ってそれを聞いた。
「それにしてもぺっぴんだな。お頭がサンタクロースの様なコスプレをさせるって言った時はマジかよ?と思ったが、見れば見るほど吸い込まれるな。」
「アンタたちの目的は何なのさ?」
すると、お頭と呼ばれる男が入って来た。
「目的?決まっているじゃないか?たっぷり楽しませて貰った後に賞金首として、お前をアクナゼウル王国に差し出すのさ。まぁ、急ぐ案件では無いし、お楽しみはディナーと共にってところかのう?」
リナは思った。この手錠と足枷さえ無ければこんな奴等に舐められる事も無いのにと。土羅権サーベルやその他身に付けていた物は全て手下Aが管理しているのは確認済みであった。それをどう奪うかと言う事よりもまずはこの牢屋から脱出する事を考えなければ、ならなかった。お楽しみの時間がリナにとっては運命を分けるものになりそうである。




