第20話 サルスカウェング解放
しかし、それはガルティン中将も同じだった。自分の楽しみにしている事を奪われた時の殺意と言うものは筆舌に尽くしがたいものがある。
「お前はどう見ても私の部下では無い様だが?」
「通りすがりの風来坊よ。ちょっとしたお節介。」
ガルティン中将は重い腰を上げた。
「私の狙いはこのサルスカウェングをアクナゼウル王国から解放する事。」
「それをこの私がさせるとでも?」
ガルティン中将はさきほど述べたように重武装の兵士である。リナの土羅権サーベルだけでは攻撃が届かない。そこでリナはマスターしたばかりのオラやオラオラと言った火属性の下級魔術をやどした魔法剣で戦う事を決意。その効果は思いの外大きかった。戦いはものの3分で決着がついた。必殺の雷を使わずとも、オラオラを混ぜたストライクオラオラで、呆気なく絶命した。その威力に驚いたのはリナの方であった。敵がなまじ、強い相手だった事も、リナにこの程度のものかと認識させるのには充分であった。こうして、雑兵もたちまち撤退しサルスカウェングはガルティン中将の支配から解放された。




