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第2話 相棒
クロムガス王国を防衛するのはクロムガス騎士団の役割なのであるが、クロムガス兵は一人一体の飛竜と戦闘を行う事から、クロムガス騎士団はクロムガス竜騎士団とも呼ばれる。6〜15歳までクロムガス国立竜騎士育成アカデミーで、教育を受けた者にしか、クロムガス竜騎士には成れない。そんなアカデミーも資金難から今年での廃校が決まっていた為、リナの代が最後のアカデミー卒業生となる。595年からは育成アカデミーではなく、代わりに竜騎士育成課程を設ける事で、その代替とする予定であった。話がそれてしまったが、それは全てクロムガス王国が健全な状態で存在している平時の時の事である。アクナゼウル王国の侵略を受け、ほとんどのクロムガス騎士団が壊滅した今となっては、戦争に勝利するどころか国家存亡の危機であった。リナは土羅権サーベルを腰に差し、竜小屋へ向かった。
「おう!元気にしていたか、リザベラ!」
リザベラとは、リナの相棒の事で若い飛竜であった。リナはリザベラに乗って一旦クロムガス王国を離れる事にした。