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New Braver  作者: manaka
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本当の目的

「そうか…君たちが新しい仲間か」

「司令官、でしたっけ」

「ああ いかにも」

俺は息を飲みつつ、司令官に恐る恐る話す

「司令官、俺が能力者になる前に話があります」

「なんだね 」

「智嬉さんの前では話せません」

「…大胡?」

智嬉さんが心配そうに話しかける

「智嬉、ちょっと三人で席を外すよ 異変があれば教えて欲しい」

「は、はい!」

「行こう、2人とも」

司令官に連れてこられた場所は、地下だった

「滝が選んだメンバーは、皆優しい仲間ばかりだから安心したまえ 智嬉は滝が敵になったのが信じられなくて、この施設を守っている 滝をよく知っているのはあいつしかいない」

地下に降りていく最中、俺はハッと思い出す

「滝さんは結婚されていると聞きましたが、その女性は?」

「瞳か 瞳も同じ仲間だ 瞳は君たちの通信機を作成してくれている 小道具関係は皆彼女が作ったんだ」

「裏方みたいな感じですか」

司令官は階段を降りたあと狭く薄暗い部屋に俺たちを案内した

「"――――"」

司令官が呪文を唱えると、魔法陣が現れた

「ここは能力増強室 この施設の重要な部屋だ 言わば心臓とも言うべき場所 お前達の身を守るためにここで結界を張っている」

建物には、目には見えない薄い膜のようなものが張ってある

「で、話とは」

「俺は… 能力者になる目的がありません」

「大胡?」

「たまたま、敵になった滝さんを発見しただけです、俺はなんにも力や特技が、あるわけではありません!!」

司令官は俺をじっと見る

「…本当か?」

「なっなんですか!」

「大胡の後ろの君、まだ名前を聴いてなかったね」

「国本雅人です」

「雅人、後ろから大胡を顔めがけて攻撃しなさい」

「ええっ!?」

司令官に突然そんなことを言われて雅人は仰け反る

「大丈夫だ 彼を信じて」

「……っはあっ!」

後ろから風を切る音がした

俺は瞬時に避けて雅人の腕を抑える

「これが、見たかったんですか?司令官 こんなのただの喧嘩ですって!」

司令官は壁に立てかけてあった十手を俺にめがけて向けてくる

「ほらな、避けた」

「なにがしたいんですか!」

「普通の人間にこれが出来るか? 戦えるんだよ 君は なにも目的がなくて空手部なんかに入らないだろう?」

司令官は俺にやけに詰め寄る

「ぐっ…」

「軽い身のこなし、強い眼差し 正義感 君なら我々の戦力になるよ」

「司令官…」

「大胡、本当は、目的があるんだろう?」

能力者になるのが怖い

智嬉さんに言われるがままになったけど、司令官のオーラは只者ではないオーラがひしひしと伝わってくる

俺はずっと1人で生きてきた

怪しいかそうじゃないかぐらい区別できる

だけど、この人は…

「司令官、あなたは不思議な人ですね そんなに俺を手放したくないんですか」

「どういうことだ?」

「俺は1人で生きてきました 仲間も友達も作らず せめて1人で身を守れるように、空手部に入ったんです そしたら、みんな誰もが俺を怖がって 体から、不思議なオーラが溢れて…」


<挿絵>

挿絵(By みてみん)

俺は自分の手を見つめながら司令官に話す

「そうか……」

「司令官、もう俺は、誰に嫌われたっていいんです!俺を能力者にしてください! これ以上、失うものなんて、なにもない!!」

「覚悟があるなら、望むままに」

俺たち2人は、魔法陣の真ん中に立った

「"2人に能力を与えたまえ…"能力召喚"!!」

俺と雅人は司令官に技を与えられた瞬間、光の柱が俺たちを包んだ

(力がみなぎる…これが、新しい力…)

「終わったぞ 目を開けたまえ」

ゆっくり目を開く

「具合はどうだ?大丈夫か?」

「はい、大丈夫です 雅人は?」

「なんら変わりありません」

すると、なにかのサイレンが鳴り響く

「このサイレンは、智嬉か!」

「きっと敵ですよ、行きましょう!!」


走っている最中にサイレンの元となった人物を見つけた

ロビーにそいつは立っていた

「……滝…?」

「久しぶりだな、司令官」

敵の姿になった滝さんはニヤリと笑っていた

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