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New Braver  作者: manaka
39/62

悲痛の涙

「俺の最大の必殺技で」

「お前の最大の必殺技…!?」

滝さんの1番強い技は竜巻の天華乱舞

更にその上の技は、もう貴明さんから教わった技しかない、と滝さんは言う

「だけど大丈夫か? そんな回復したばかりの体で」

純さんは滝さんの体を心配していた

「俺の体は、どうせボロボロなんだ 生きていても俺の体が良くなることはない 能力者をやっている以上は…」

<挿絵>

挿絵(By みてみん)

ルイは滝さんが技を出さない今がチャンスだと思い、先程雅人にぶつけた技を放とうとする

「じゃあ、今死ぬがいい!!"ブライトブロウ"!!」

「くっ!!」

滝さんは間一髪で棍棒でルイの技を避けた

「貴様…私の技を避けるとは」

「簡単に死ねるか!! まだ、諦めちゃいない!!"天華乱舞"!!」

まだ最大の必殺技を出す時ではないと咄嗟に思い返したのか、滝さんはいつも通りの必殺技で対抗した

「くっ…必ず、全滅させてみせる…!!」

滝さんの必殺技には適わず、ルイはテレポートで

消滅した

「……雅人…」

滝さんは敵を倒しても、雅人を心配していた

「司令官に言ったら、雅人がどうにかなるかもしれないぞ」

「まさか 死人を蘇らせるっていうのか?」

純さんはあくまでも真面目に答えた

「司令官なら…有り得るな」

「あれはいざという時の秘術 そう簡単に司令官がおいそれと出すわけがない」

「話してみる価値はあるんじゃねえか?」

滝さんはしばし腕組みして考え

「…仕方がない地下室へ行くか 智嬉とみづきの体も心配だし」

「ああ!」

そうして2人は司令官へ相談しに治療室へ向かった


集中治療室――

「司令官!ただいま戦闘から帰還しました!」

「おお、無事に戻ったか!」

「司令官…雅人が、雅人が!!」

滝さんは今にも泣きそうな顔で司令官に抱きついた

「雅人は、死んではいないんだよ」

「!!」

「瞬時にロダ様が雅人を引き取り、安全な場所へ移動させた あの時は私も本気で死んだと思ったよ 雅人は無事だがな…」

「えっ!?」

司令官が話をするのを止めた途端、空気が一瞬凍りついた

「まさか、智嬉が!?」

「ああ…あの時息が苦しいって言っただろう、もう、体は持たないかもしれない…私の秘術を使ってでも…っ」

「智嬉…!!」

滝さんはルイに言われた言葉を思い出していた

"幸せは一生来ないのだよ 一生…"

滝さんは医療ポッドの中に眠る智嬉さんの顔を必死に見つめる

「智嬉… ごめん…最後まで…守れなくて…」

「貴明の暴れた原因は、仲間が死んだからなんだ 自分の力が強いせいで敵も仲間も巻き込んで」

「……っ!! その力が、俺にあるんでしょう!? 俺は…仲間を死なせたくない!!」

滝さんの目には涙が溢れていた

司令官は辛い表情だった

「お前はここまで、よく誰も死なせずに、仲間割れもせずによくやっていると私は本当に思っている だけど、お前たちは人間… 私やトヴァースたちと住む世界が違う 永遠に生きれる体ではない」

滝さんは肩を震わせながら泣いていた

「ふ…智嬉…!!」

「随分冷たいな 司令官」

純さんが負けじと乗り出す

「なに!?」

「智嬉も俺たちと一緒に戦ってきた仲間だろ?なんとかしようと思わないのかよ!!」

「……君たちの勇気には一生敵わないな」

司令官はフードを取ると、綺麗な銀髪の肩ぐらいまである長さの髪が現れた

「貴明は、仲間をなんとかしようともせず、自滅していった 力が強く、暴走していたから けど、君たちならこの世界でやっていく価値がある… 私も、意地を見せよう」

「司令官!!」

その言葉に察したのか、滝さんは悪い予感に気づく

「司令官…まさか… 仲間を蘇らせたら、あなたは死んでしまうのでは?」

「……私がいなくても、お前は十分成長している もう、私の体もどうせ持たないのだ 仲間のために尽くしたいのだよ」

滝さんは司令官を強く抱き締めた

「司令官…嫌です…あなたまでも、死ぬのが

…!!」

「……俺たちの力を注いだら、智嬉さんは目覚めませんか」

俺は滝さんが泣いているのを見ていられなく、ついボソリと呟いた

「大胡!?」

「1人でなんとかしようとするから、貴明さんは死んだんでしょう? なら、みんなの力なら…」

「大胡… 私の体に、みんなの力を、貸して欲しい!!滝! 純!トヴァース!圭介!大胡!!」

「了解!!」

そうして、司令官の秘術がはじまろうとしていた――


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