素直じゃないヤツら
その頃 滝さんのいる病室では
既に俺は、荒井病院へ到着していた
「あの…蒼山滝さんは何階にいらっしゃいますか 俺は滝さんの仕事仲間ですが」
受付嬢に聞くと、滝さんは2階にいるらしい
(寝ている滝さんを見るだなんて、なんか不思議だな…)
案内された通りに行くと、一番端っこの個室だった
半ば緊張しながら、部屋の扉をノックする
「滝さん、春山大胡です!!」
「ああ大胡か!今開ける!」
元気そうな滝さんの声を聞いて俺は胸を撫で下ろした
ゆっくり扉が開くと
入院用の服…ではなく、私服であった
「あれ?滝さん、病院用の服じゃないんですか?」
「ああ、純が言うには、普段通りにしてくれて構わないってさ 確かに手術とかもないしな 疲れただろ、上がりなよ」
顔色は普段よりちょっと赤い?感じだが、身体の動きは普段とさほど変わらなかった
「退屈でしょう、なにもすることがなくて」
「まあな…無理はしない程度に、筋トレとか、新聞とか読んでるから気にすんな あと度々仲間から連絡くるし」
滝さんは思ったより明るかった
「司令官から急に入院だって聞いて驚いたんですよ あっそうそう…」
俺はふと司令官、の名前で思い出し、ポケットからネックレスを滝さんに渡した
「これは?」
「瞳さんと司令官が考案したネックレスです 能力を制御する作用があるとか… 」
俺が話していると、滝さんはもう、理解しているような雰囲気だった
「早速つけるよ ありがとう 」
滝さんが首にネックレスをつけようとすると、瞳さんと司令官がテレポートで俺たちの目の前に現れた
「うわっ!!」
「あれっ!? 瞳か!!」
「あっ早速つけようとしてるわね 私が手伝ってあげるわ」
瞳さんがそういうと、司令官はニヤリと笑った
「ふ、瞳、お前本当は滝に会いたかったんじゃないのか?」
「なっなにを言うんですかっ!!」
「瞳…どういうことだ?」
瞳さんは罰が悪そうな顔をした
しっかり滝さんにネックレスをつけてあげると、瞳さんはため息をこぼす
「はあ… 久しぶりね、滝」
「あ?ああ…そうだな」
「あなた歩ける? ちょっとそこの休憩室に行かない?」
「なんか訳ありだな いいけど」
2人はおもむろに歩き出し部屋からいなくなった
「ふっふふ……っ!」
司令官はさっきから笑っている
俺は首を傾げた
「司令官、なにをそんなに笑っているんですか?」
「瞳は私が強引に連れ出したんだよ こうでもしないと、中々顔を出さないからな」
「司令官…」
部屋から誰もいなくなってベッドに空きが出たので、司令官はベッドに腰を掛けた
「あいつになにかあってからでは、遅いだろう 滝は徐々に回復に向かっている 順調にいけば、今週末には退院だな 発作もない」
「なんで滝さんを病院に?」
「私が滝を浄化した時、立てないぐらいの体調の悪さでな…あんなに歩ける状態ではなかったんだ」
俺は驚愕した
「そんな…」
「驚異の回復力だ…貴明の力は少ないけれど、確かに強い あれは敵に狙われてもおかしくない強さだ」
司令官は首をゴキゴキ鳴らした
「さあて、私は滝に伝えなければならないことがあるし、それを伝えたら帰るとするか お前も疲れただろ、今日は休んでいいよ、ありがとうな」
俺は司令官にそう言われ、優しく微笑んだ
「は…はい、では一足先に施設へ戻っていますね!」
施設へ戻るだけなので、個室にいれば人目もつかないので俺はテレポートで帰還した
帰還すると、 そこには
ロビーで雅人が敵に狙われていた
「なっ…雅人!!」
「大胡…助けて…」
雅人は敵に捕らわれて首にナイフを突きつけられていた
「仲間が来たようだな… しかし、お前には私には勝てないが」
「貴様四天王の1人だな!?」
俺は空手の構えをする
「私は四天王の1人、"テック"… 目的の為ならば、非常の手も使う」
「そうはさせるか!!」
俺はポケットの中にある通信機を鳴らした
「大胡…っ」
テックはナイフを俺の体に向ける
「余計な真似はするな 動くとこいつを殺すぞ」
「くっ…大胡…逃げて…」
「弱音を吐くな!! 雅人!!みんながいるじゃないか!!」
そういうと、俺の体が光出した!
「こ、これは…!!?」