陽桜瞳との再会
「さっきダンボールを整理していたらお茶のセットが出てきたんですが飲みますか?」
「ああ 大胡、さっきは話の途中で敵が来てすまなかった」
「いえ大丈夫ですよ なんの話でしたか?」
司令官は、俺の両肩をガシッと掴み力強い眼差しを向けた
「司令官…!?」
「君に、リーダーになってもらいたい 今のリメンバーズチームは、正直長く戦えるか分からない まだ純には、リーダーになってもらうが、将来…君には…」
司令官は不安そうな表情だった
「じゃあ、俺はどういう立場になるんです?」
「君は、立場的にはキャプテンだな 」
「キャプテン…!? 」
「分からないことがあれば、変わらずリメンバーズチームのみんなに聞いたらいい 大胡はどうだ?あいつらは気に入ったかね?」
小さいテーブルを司令官の前に差し出し、お茶を差し出した
「…滝さんは話しやすくて頼りがいのある人で好きです 智嬉さんは、ちょっと気難しいかもしれませんね」
俺が困ったように話すと、司令官はクスクス笑った
「そうか、あいつは真面目なんだよ リメンバーズチーム一員全員、なぜか真面目なやつらばかり集まってしまった」
「純さんは不良ですよ」
俺も床に座った
「不良だが、仲間を思いやる優しいやつだろ? 私は…あいつらと戦えて、良かったと思っている 正直、ここまで敵を倒してくれるとは思わなかった」
司令官は腕組みをする
「貴明が倒せなかった四天王を倒してしまえば、残るはボスを倒すだけなんだ」
「やはりいるんですか、最後のボスが」
「蒼山貴明が最も恐れていた敵だよ 私たちも最後まで倒せなかった敵がいる それは、まだ言えない… 滝が回復してから、皆に話すよ」
お茶を1口飲むと、司令官は立ち上がった
「さて、敵が来ないうちに私もアジトを調べよう お前はどうする?」
俺は、キャプテン、と言われて少し体が固まりそうになったが、司令官に話しかけられて目が覚めた
「…敵が来ないうちに俺も、滝さんの顔を見に行きますよ」
「そうか なら これを頼む」
司令官は懐から小さい水晶のネックレスを俺に渡した
「これは?」
「瞳と私で作った、新しいネックレスだ 敵にはもう引きちぎられないよ」
「……分かりました、必ず、滝さんに渡してきます」
俺は身支度して早速荒井病院へ向かった
(ジャヤ…お前の思い通りにはさせない)
司令官が司令官室へ戻ると、そこには
「ん? あれは」
見覚えのある女性のシルエットが扉から見えていた
「瞳か!!」
「司令官!?」
「お前が案内したのか、智嬉」
智嬉さんはスパイ用の服装に着替えていたが、道中に瞳さんと出くわした
「お疲れ様です 司令官 まあそんなとこですね俺はこれからアジトへ行くんで 」
「くれぐれも気をつけろよ 敵は増えて4人だ 見つかったらすぐに通信機で連絡しろよ」
瞳さんはおずおずと智嬉さんをじっと見る
「智嬉…」
「ん? 大丈夫だ、 お前は夫の心配しろよ じゃ、行ってくる!」
智嬉さんはテレポートでアジトへ直行した
「智嬉にグレネード渡すの忘れてたわ」
「お前途端に冷たい声出すよな っていうか久しぶりだな、瞳」
瞳さんは司令官に言われて敬礼した
「お久しぶりです、司令官!」
「…なんで夫には顔を出さない 会いたがっているぞ」
「私があの人の顔を見たら…私じゃいられなくなりますから… 早く帰ってきて、って、言いたくなってしまうじゃないですか」
瞳さんは司令官に背を向けて話す
「瞳…」
「司令官、あの人を、よろしくお願いします 私は変わらず研究室にいますから」
研究室は、瞳さんの実家にある1人だけの研究室がある 司令官も入れるようにしてあるらしい
滝さんも知らない場所である
「… ダメだ、お前も、1度あいつの状況を知る必要がある、来なさい!!」
「えっ!??」
司令官は半ば強引に瞳さんを滝さんの病室へテレポートで連れていった