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第51話 正史



 この世界は昔、3柱の兄弟神によって生み出された。

 雷神らいじんが「守護」、氷神ひょうじんが「補助」、炎神えんじんが「力」を司り、助け合いながら世界を維持していた。


 仲の良い兄弟は、お互いの力をかけ合わせながら、様々な物を作り出した。

 水や空気、植物にそして、動物……。


 そして地上ができた。

 それが楽園アルカディエ



 そこは神々の理想だった。

 みな幸福に包まれ、助け合いながら、新たな命を作っていく。


 だからこそ自分たちの力を少しだけ与えた「御使みつかい」を作り、サポートさせた。



 彼らは神の元を離れても、どんどん進化していく。

 神々もそれを見守っていた。

 すべてが順調だった。



 ”人間”が生まれるまでは……。



 人間は、仲間内で争い、うそぶき、傷つけあい、奪い合った。

 地上にあるモノはことごとく奪い取られて行った。


 そしてついに、神が作り出した地上の力すら吸い上げる様になった。

 地上の力を使い、発展を遂げていく。


 けれど彼らが奪い取ったのは、地上が楽園であるためのエネルギーだった。


 ()()を吸い上げれば、地上は楽園ではいられない。

 手を出してはいけな()()だったのだ。



 その結果、自浄作用じじょうさようが働いた。

 失ったエネルギーを補填ほてんしようと、その場にいる者からエネルギーを奪っていった。


 動物も、植物も、空気も、そして人間も。

 等しく命を散らしていくことになったのだ。



 人間がそう気がついたときには、どうしようもないほどの亀裂きれつを産んでいた。

 地上にいる者達では、失ったエネルギーを補うことはできなかった。


 楽園が壊れていくのを、誰もとめることなどできなかった。



 人はい改めた。

 懺悔ざんげして、救いを求めた。




 そのとき、足りなくなった力をそそぐため、氷神が地上に降りた。

 亀裂から噴き出す崩壊の力をその身で止めたのだ。



 おかげで、楽園の崩壊はとまった。


 氷神はその身を代償だいしょうに、人間にやり直す機会を与えた。

 生まれてきた全ての者を愛していたから。そして、人間に希望を持っていたから。



 雷神は氷神の意志をくみ、もう二度と過ちを犯さないよう制限をかけた。

 崩壊へ進む人を襲う獣を作り上げたのだ。


 そうすることで彼もまた、人間にチャンスを与えようとした。



 ……けれど。


 炎神はどうしても人間を許せなかった。


 姉の犠牲の上に成り立つ地上など、全て壊してしまえばいい。

 そして姉を解放する。


 そういって、地上に降り立ち、壊し始めたのだ。


 雷神は止めた。

 地上を壊すことは、彼女の望みではないと。


 それでも炎神の怒りと悲しみは収まることはなく、ついに邪神へと身を堕としてしまう。

 そのとき、雷神が作り上げた獣もまた、邪神の瘴気に同調し魔物化してしまった。


 彼らはただ、人を襲う。

 大切なものを奪った者を消すために。


 だから雷神は覚悟を決めた。

 弟を、自らの手で封印ふういんすることを……。



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