父から子へ 〜だけどキモいおじさん〜
お盆の季節は 死んだ親父を思い出す
迷惑をかけ続けて 親孝行なんて出来ずに
最後の手向けは 終末介護
俺は 介護士になって自立していたんだよ
思い出すなぁ……
カップ焼きそばのソースが上手く混ざらない
幼く無知な俺
コンパスみたいに 円を描くだけ
麺を持ち上げるようにして 混ぜるんだ
親父が教えてくれたやり方は
今でも欠かさずやってるよ
これ以上 完璧な混ぜ方が
あってたまるか あってたまるか……
今では俺がお父さん……
にはなれなかった
若い頃の俺は 正社員になれず
苦しさを社会のせいにして
ただ 自堕落に生きていた
彼女とのケンカも
将来と お金の話だけ……
やり直せるなら やり直したいけど
神様は いつも言うのさ
100%の成功はない
失敗はお前のせいだが
100%の成功はない
何の実績も 家族も持たず
ただ 自立しただけの俺を
親兄弟は認めてくれた
でも 友達は結構いなくなったよ
それが全ての答えになるだろ
今では 小説書いてイキるだけの
キモいおじさん
親父 溢れる愛をありがとう
だけど 俺は今 キモいおじさん