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130話

 この配信に来ているのは俺が柴犬と会話していた配信を見ていた人が大多数だろうからな。


「少し勘違いしている奴らも多いようだが、俺は今日は配信していないし、参加もしていない。そして俺が登場する動画が投稿されてもいない。分かったな?」


 だが、あの配信に登場していたのはあくまで友人Yであり、九重ヤイバとは一切関係のない謎の高校生というスタンスである。


「えっと何のこと?」


「ながめの知らない世界、知らない次元の話だ。だからコメント欄が言っていることは気にするな」


 あまりにもわざとらしい話だが、ながめはあくまで柴犬の事は知らない体で配信を進めていく。


「滅茶苦茶気になるんだけど」


「駄目だ。理由を知ったら今度は2週間位失踪しそうだからな。それより重大発表だろ」


「分かったよ。じゃあ皆、これから言う話は全て本当だからちゃんと信じてね」


 ながめがコメント欄にそう念押しした後、少し貯めて、


「実は私たちって幼馴染で、小学生の時から家族ぐるみでの付き合いでした!!」


 と暴露した。


 すると、俺が登場してきた時よりも、ながめが配信を始めて声を出した瞬間よりも爆速でコメント欄が流れていた。


「まあ、そういうわけだ。黙っていて悪かったな。言う機会を逃していたんだ」


「ヤイバ?言う機会を逃していたってどう考えても嘘だよね?偏向報道は止めようか」


「偏向報道じゃないぞ。今日になるまでながめが気づかなかったのが悪いんだろうが。俺はちゃんとながめが気づいたタイミングで公表しようと考えていたぞ」


「……それはあまりにも普段と違いすぎるヤイバが悪いよね?」


「俺はいつでもこうだ。そして普段と違いすぎたとしても毎日顔合わせた上で配信上でも定期的に話しているんだから気づけ。馬鹿か」


「馬鹿じゃないわ!!!テストの点数は私の方が高かったでしょうが!!!!」


「いつの話だよ。俺の方が高かっただろ」


「この間の定期テストと最近の最Vaka決定戦の事無かったことにしようとしてる?755点&270点君?」


「直近は実力テストだろうが。無かったことにするな3教科で400点の女」


「でも直近の勝敗は2勝1敗なんで!!!!!」


「じゃあ高校に入ってから全てのテストで勝負するか?何勝何敗だったか?」


「そんなことはどうでも良いよ!!皆の疑問に答えてあげないと!!!置いてけぼりになってるから!!!!!」


「自分の都合が悪いからって思いっきり話題変えたな」


「何の事かな?」


「まあそんな話はどうでも良い。誰かからの質問に答えていくぞ」


 アスカから質問の準備が出来たと連絡が来たので、フリートークを止めて質問コーナーを始めた。



「まずは一つ目。『どのタイミングでお互いが幼馴染である事を認知しましたか?』だそうだ。ながめはどうだったか?」


「30分前だけど。分かっててこの質問準備したし答えさせたよね!?!?」


「どうだろうか?俺はあくまで用意された質問に答えてもらっただけだ。それに、話によるとマネージャーの検閲も通っているらしいからな?」


 と後ろに立っているアスカと村上さんに聞いてみると、大きく頷いていた。


「ここに味方は居ないんだね……」


「気のせいだ。にしても気づくの遅すぎないか?最初に九重ヤイバを知ってからどれだけ経ってるんだよ」


「1年くらい……?」


「1年前?そんなに前だったのか。それは気付かなかったな」


 ながめが九重ヤイバファンだというのが発覚したのは初めてのコラボよりも後の話である。せいぜいコラボの数週間前位に認知したものだと思っていたが、完全に予想外だった。


「まあアスカちゃんがちょくちょく話してたからね。面白くてカッコいい子だからおすすめだよって」


「なるほどな。でも俺に気づくことは無かったと」


「……これはヤイバが悪いよ。顔は似てるなとは思ってたけど、声も話し方も普段とは全然違うんだから」


「そんなことは無いだろ。クラスの男子は全員分かるって言ってきたぞ。活動の事一切話してなかったのに勝手に見つけてきやがった」


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