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124話

「そうだな、まずは柴犬。俺の話が聞こえないようにしてくれるか?配信の後に聞かれるのは良いが、今話して茶化されるのは嫌だからな」


 まずは途中で配信を切られないように音声を聞けない上にしてもらう。


『え、何を言うの?』


「配信後に聞いてくれ。別にBANされたり炎上したりするような事は話す気は無い」


『って言われても配信主だよ?聞こえなかったら配信終わらせられないじゃん』


 とはいっても柴犬の警戒心は高い。自分が知らない所で何を言われるのか信用ならないらしい。


「そこはチャットで連絡をするから安心しろ」


 俺はそう言いながら、柴犬に『散々断ったが、味方になってやるよ的なツンデレをやるつもりだ。ツンデレなら味方になると言っても許されるだろうからな』とチャットを送った。


 ここで離れるかどうかは五分五分だろう。


『うーん。ならいっか。コメントの皆、全力で茶化してあげて』


「おい」


 柴犬はそう言った後、自身のマイクとスピーカーをミュートにして、画面外へ出ていった。


 恐らく聞かないと証拠を見せた上で別端末で配信を見て何を言っているのか聞くつもりだろう。


「ってことで今日の感想を話すか。まず言いたいのはこの1時間半私は誰と話していたんだ?ってことだな。俺はてっきりドッキリだと思っていたんだが、明かす気配が一切なくて驚きだった。話す内容も、声も全然違う」


「そもそも容姿が全然違うしな。俺は顔を合わせたが顔は見れなかったと語っていたが、あれは嘘だ。俺はそのイベントで一方的に顔を確認している。本人はバレていないつもりだったみたいだがな。ぱっと見の服の値段は成人した奴が着そうなレベルだったが、見た目は明らかに若かった。普通に稼いでいるだろうから別におかしくない」


「だから確実に別人だ。それに、本物の柴犬は気付いていないが、俺とあいつは随分と前からの知り合いだ。柴犬が配信を始めるよりもずっと前からのな。なにせおさな……切れたか」


 予想通り配信は聞いていたらしく、配信を強引に切ったようだ。どこから切られたかは分からないが、視聴者は不信感を持つことは出来ただろう。


 あんな無理やりな切り方をしたのだからな。


 後は柴犬が独力でリカバリーできないレベルまでの情報を話せたかどうかだ。


 というわけで配信を見ていたであろう樹が居る部屋に向かった。


「えっ……」


 すると部屋には樹と宮崎さんだけでなく、九重ヤイバファンクラブの6名と南一色さん、そして見知らぬ男性1名、見知らぬ女性2名の計12名がすし詰め状態で座っていた。


「お疲れ様!!!!!!!!!神!!!!!!!!!!!!」


 明らかな異常事態に驚いている間にアスカが笑顔で俺の方へ飛び込んできた。


「とりあえず上手くいったみたいだね」


「勿論!!神だったよ!!!!」


 とりあえず水晶ながめと柴犬が別人である説をはっきりと確定させることが出来たらしい。


「そっか。で、これはどういう状況?」


 水晶ながめがファンクラブ会員なのは大体予想つくが、12名がここにいる意味が分からない。普通にそれぞれ自宅で見て通話で実況するもんじゃないのかこれって。


「それは勿論会員No2のながめちゃんを救うために頑張ってくれているヤイバ君を応援するために駆けつけてきたんだよ」


「No2だったんだ……じゃなくて、キャパってものがあるでしょ。ここに来た事あるなら分かるでしょうに」


「分かるけどここ一択だったよね。いざという時に配信に乱入しないといけなかったから」


「そっか。言いたいことは分かったよ。じゃあそこの3名はどなたですか?」


 配信に乱入するにしても顔合わせた事ある人にしてくれませんかね。なんなら多分話したことすらないよね。


「私は会員No5、華山ミズキ。UNIONの2期生です。普段はファンクラブ会員として色んな方を会員に誘ったり布教したりしています」


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