表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

107/130

107話

 現在残っているのは奏多、一色、修士の三人だ。信じられない事ではあるが、この中に2名1位と2位が居ることになる。


 修士が上位に来るのは修士課程の人間な上に数学と英語で1位を取っていたからと分かるのだが、奏多と一色のどちらかが上位に来るというイメージが一切湧かない。


 一色も奏多はどの教科でも1位を取っていないからな。何をしたらここに入ってくるんだ。


『なんと、311点で修士さんです!!!!!』


「は?」


『え!?』


 流石に修士が1位を取って終了だろうと思っていたが、何故か2位だった。


 点数内訳は

 数学95点

 理科88点

 国語45点

 英語83点


 となっていた。修士課程の理系大学生らしく、数学と理科と英語がちゃんと高かった。


『結構取れている自信があったので行けるかなって思ってたんですが、これでも足りないんですね……』


『そうだね。残念ながら2位だよ。ただ2位でも十分に高いけどね。大学受験勉強したのっていつの話よ』


『今M2なので6年前ですかね』


『M2。2年前も似たような事を聞いた気がするなあ……』


『2年前の私?うっ、頭が……』


『というわけでなぜかM2をループしている修士さんでした』


 ばける雑にメタネタ使うな……


 いや確かにデビュー時からずっとM2なのは無茶があるとは思ったけども。M2であり続ける限り忙しいってことなんだから。


 しかし、これで1位じゃないのか……


 これに一色か奏多が勝利?全く想像がつかない……


 奏多は所々頭の良い回答が出ていたものの、1位を取れるほどだったかと言われると違う。


 そして一色は出てきた解答の8割はボケだったからな。あれで1位を取れるわけがない。


 ただ、どちらがシリウスに負けるのかって考えると妥当なのは一色か。


 まあ、どちらにせよ意外な結末ってやつだな。


『ってことで1位と最下位を発表するよ!!!今回最も頭が良かったのは、南一色ちゃんです!!!!!!』


『やったあ、私の大、勝、利!!!!今日は祝杯だああああ!!!!!!!』


 ばけると一色、奏多以外の参加者が固まっている中、勢いよく酒を開ける音を鳴らす一色。


 いや、そんな馬鹿な……


 一色が1位を取った事も驚きではあるが、何よりも驚きなのはその点数だった。


 数学94点

 理科89点

 国語74点

 英語82点


 合計339点という化け物みたいな点数であることもそうなのだが、全教科1位の点数マイナス1点だったのだ。


 まさか狙った?ボケを連発していたのは点数調整が目的?


 でも他の受験者の点数なんて分からないよな。偶然か……?


『にしても皆驚いてるね。そんなに意外だった?ヤイバ君』


 色々と考察をしていると、一色から唐突に話題を振られた。


「意外どころの騒ぎじゃないだろ。あれだけボケて1位って何がどうなってるんだ」


『そりゃあボケているところ以外は全部正解を書いているに決まってるでしょ』


「そんな当然みたいに言うなよ。んで、もしかすると普通にやれば満点だったか?」


『多分ね』


「何者だよお前」


『私?UNION2期生の南一色。麻雀とお酒が大好きな皆のアイドルだよ!』


「そういうことじゃないだろ」


『まあまあ。ダメダメだと思われていた美少女が実は一番頭良かったって展開、強キャラの登場みたいでカッコいいでしょ』


「その展開が良いのは理解できるが、今回はテコ入れ感があって微妙だな」


『なんで!?!?!?!?!?』


 確かにそれはカッコいい展開だし、気持ちも分かるが、ここまで唐突に1位に浮上されるとカッコいいよりも困惑が勝つ。なんならクソゲー味まである。


 もう少しぎりぎりで勝つとか何かの教科で1位を取るとか、ボケた回答が一つもなかったみたいな感じで可能性だけでも見えるようにしてくれ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ