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転送術士候補生 ―In the Fairy’s Forest―  作者: よのもり せいう
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その12 術士長の回答(Part.D)

姫と勇者は住民と談話し、ハーミアとオリヅルはワープ屋開業の準備に忙しい。

そんな中、王宮転送術士長レイジマッハと会話する機会を得た。

今回の件についていくつか疑問のあった私は、せっかくだったのでもう一つ聞いてみることにした。


「…なるほど。では、なぜ今回、この支部の担当転送術士にあの異国の少女が選ばれたのですか?」「ふむ?ここの担当?は・・・オリヅルだったか。」


意外な質問だと、少し目を見開く術士長。

絵に描いたように感情がすぐ面に出るところが、実に良い。

とはいえ高位の肩書きをもつ文官が、末端の術士の事情など知るはずもないだろうが・・・。


「あれはあの転送術士が単に異動希望を出していたからだ。」「「…!」」


どうやらそれはライトも知らなかったことのようで、二人で目を見張ってしまう。

そんな我々にしてやったりと嬉しそうな術士長。


「勇者殿は貴殿らに何か恩を返したいと言っておった。それが故に今回は働きかけてやったが、あやつに付いてきたヒヨッコはまだ学生の身分であるし、素性を調べれば将来は実家のワープ屋への配属を希望しておるではないか。故に、いかにこの配属が良い案件とはいえ、学生の方には異動を命じなかっただけである。」


残念だったな、と得意になって饒舌な回答が返ってくる。


彼がルーシェの感謝の意を汲んでオリヅルを今回の任に選んだこと。

彼はこの異動が良縁であると考えていること。

そして彼は、彼女らの意をも汲もうときちんと調査していたこと。


これらの条件は、私がこの短気な転送術師長に好意を持つには十分だった。

まあ、どこか私がハーミアではなくオリヅルに融通したことを不満に思っているように受け取られているきらいがある点だけは違うのだけれども…それはいい。


ただ一点、オリヅル本人が異動希望を出していたことには驚いた。



その12・終


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