プロローグ
異能系……というか現代日本じゃないものを初めて書いたので、文章がおかしかったり、設定がおかしかったりいろいろあると思います。
何かありましたら、感想でもツイッターのほうにでも、言っていただけると嬉しいです。
物語のテーマとして、「ジャックと豆の木」「醜いアヒルの子」を取り上げております。
また、ほかの童話、寓話も絡めたいと思っています。
最後まで読んでくださるとうれしいです。
人間というものは、他と違う存在に対して敏感だ。周りから浮いた存在。異彩を放つ者。ある人はそれを「天才」だと言う。そしてまたある人はそれを「怪物」だと言う。
「ねえジャック、これからどこへ行くの?」
一面の草原、照りつける日差しを眩しそうに見上げながら、少女は青年に問うた。
「そうだなぁ。ダックリン、キミはどこへ行きたい?」
「そうね……」と考え込む少女。がしかし、結論はすぐに出る。
「私はジャック、アナタと一緒ならどこでもいいわ」
少女の灰色の髪が風にたなびいた。
「僕もだよ、ダックリン」
少女と青年は手を取り合う。
少女が笑うと、青年も笑った。
青年が笑うと、草木が咲った。
咲った草木を見て少女が笑った。
そしてまた青年が笑った。
「この世界の理不尽は」
「すべて消し去ってしまいましょう」
「手が届かないのならたかいたかい木の上から」
「あるいはしろいしろい翼を生やして」
「この世界を幸せで満たしましょう」
青年と少女は軽やかに謡う。
風が草木を揺らし、躍らせた。
「天才」と「怪物」は紙一重。どちらになるかは、彼等次第。
これは青年と少女の物語。
「天才」と「怪物」の物語――――
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
少し短めだったかなと個人的に思っています。
一話以降はもうボリュームを出せると思いますので、読んでくださるとうれしいです。