表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

薄暗い部屋の中で

注意:会話の中に長文の説明が紛れ込む事が今後も多々あると思いますがそんな中にもしれっと伏線やちょっとしたネタをぶち込んでいくので注意してお読みください。もし気づいて少しでも笑っていただければ幸いです。

街中にある小屋の薄暗い部屋の中に2人の男の影があった。


「コウ、ちゃんとブツは用意出来たんだろうな?」


そう問いかける男はとても厳つい顔をしていた。

小市民に声を掛ければ泣いて命乞いすること間違いなしである。老人が見て仕舞えばあまりのショックに召されてしまいそうなほどだ。

見た目も相まって不審者丸出しであった。


「勿論です。純国産の上物、鮮度を保つ為に小分けにしてあります。どうです?試して行かれますか?」


コウと呼ばれた男が懐から取り出したのは透明な袋にパッケージされた白い粉末だった。

総量で目算50グラム程の量はあるだろうと予想できる。

この量なら末端価格で金貨50枚は間違いないだろう。


厳つい男はその言葉を聞き流しそのまま懐に収めたあと代わりに袋を取り出した。

ガチャリと金属質の音が鳴る事からその粉末の対価が入っていることは間違いない。


「コウ、俺はお前を信用している。見た目は怪しいが仕事はきっちりやるやつだってな。こいつは約束のもんだ。中身の確認をしてくれ」


「俺の方こそレオニスさんのことは信頼してますよ。中身の確認も結構です。早速試しに行きたいんでしょう?」


そう言って袋を手に持つ。ずっしりとした重みを何度か確かめたあとそのまま懐へとしまい込んだ。


「お前にはお見通しか。そりゃあこんな上物なんだから使いたくなるものが人情ってもんだ」


「ええ、わかります。俺も男ですからね





こんな上物のマタタビ粉を手に入れたら猫獣族の娼婦に試してみたくなります」


「バッカ野郎、お前誰かに聞かれたらどうすんだよ」


「いや、聞かれても問題無いんじゃないっすか?やばいお薬なんかじゃなくてマタタビなんですし」


なにやら後ろ暗い取引かと思えばどうやらマタタビだったらしい。マタタビが金貨数十枚の価値になるとは不思議な話であるが後ろに手が回る類の取引ではなかったようだ。


「お前さんが色々不思議なモンを持ってるのは今更だがイマイチ価値ってモンを分かってないよな。このマタタビはとてもいいモンだぞ。お前さんの故郷じゃどうなのかは知らんが獣王国なら献上すりゃあ爵位は硬いだろうな」


「爵位ってさすがに盛りすぎでは?せいぜいが末端価格金貨50枚相当なんですから。」


「そりゃあ値段で言えばそんなモンだがそれを手に入れられるってのがデカいんだよ。自分達が求めている希少な物を入手できる奴を多少の優遇をする事で今後も手に入れられる可能性が出来るなら安いもんだろ?それに領地付きって訳でも無いから其奴が手に入れられないなら問題を起こした時に爵位を取り上げちまえば済む話だからな」


「爵位ってそんな簡単に取り上げていいものなんですか?」


「名誉爵位なんかはあっさり取り上げられる事もあるだろうな。名誉爵位持ちに与える年金だって湧いて出てくる訳じゃねぇんだからよ」


「なるほど、まあ俺には関係無い話なんでしょうけどね」


「おいおい、こんだけいいモン手に入れられるのに爵位は欲しくねぇってか?」


「だってめんどくさそうじゃ無いですか爵位とか、変な貴族に目を付けられても困りますしせっかくこっちに来てるのに余計なことに煩わされず気ままに楽しみたいじゃ無いですか」


「あー、気持ちはわからんでも無いがな。しかしBランクになればほぼ確実に騎士爵になるぞ」


「え!そうなんですか?困ったな・・・爵位ってどんな感じの扱いになるんですか?なんだかめんどくさそうです」


「あーっと爵位の扱いだったか。


この世界における爵位の扱い


基本的に領地持ちの爵位>名誉爵位で名誉爵位は二階級下の爵位とほぼ同等(上位になったり功績によっては例外あり)。


名誉爵位と准男爵位は一代限り。


爵位(降順)


王爵(現王位に付随する名誉爵位、任期限定、別名王様のお小遣い)


大公(前王に与えられる名誉爵位)


公爵(基本的に王家の親族が持つ名誉爵位だが現王が認める優秀な人物には付随して直轄領を割譲される事もある)


侯爵(王族やその親族以外では最上級の爵位。名誉爵位の場合この爵位では給付年金が上から下まで幅広く存在し下は他の名誉爵位と同じく2階級下の領地持ちと同等だが上は下手をすると王族でも頭が上がらない人物もいる。領地持ち爵位の場合は同じく領地持ち伯爵以下を一定の範囲内でまとめる役割がある)


公子爵(現王直系の子供に与えられる名誉爵位。王位の移譲があった時に公爵位になる)


辺境伯(王都から離れた土地を納めている伯爵に与えられている爵位であるが年金額については土地が王都より遠い為年金額は伯爵より多い場合がある。名誉爵位は無し)


将爵(さらに多大な戦果を上げた1番上の等級の正騎士爵の者に与えられる名誉爵位で最低でも伯爵と同等の発言力を持つ※ただし戦いに限る)


伯爵(領地持ちなら人口3000以上でこの世界的には都市レベル)


子爵(領地持ちなら人口1000以上でこの世界的には町レベル)


正騎士爵(正騎士≧男爵であり戦功多大な騎士爵位の者が与えられる名誉爵位。領地は持たないが男爵と同等かそれ以上の位に当たり3等級に分けられている。)


男爵(領地持ちの場合人口300以上で年間収益が黒字レベルからそれ以上のピンからキリまで色々)


準男爵(領地持ちの場合基本的に一代限りでその場合土地の開拓者に与えられる事が多い。市町村で言うなら村でおおよそ人口100〜のレベル)


騎士爵(名誉爵位のみ。冒険者でいうならBランク相当。侯爵以外の名誉爵位の中では唯一年金の額に差があったりする)


名誉〇爵:領地無し。年金付き。

〇爵:領地あり。年金付き。


名誉爵の場合年金は「これあげるから今後の成果にも期待してるよ?」的な扱い。基本的にどう使おうが本人の自由だけど何か問題を起こした時はあっさり爵位を取り上げられておしまいという事もありえる。


通常の爵位の場合年金は付随する領地運営用の給付金的な扱い。名誉爵の年金とは額も違い使用用途の報告義務がある。領地持ちの場合私的な金は領地運営の収入から基本的に賄われている。


また領地持ち爵位を持つ者の中には功績により名誉爵位を持つ者もいる。


名誉爵位については基本的にランクアップ制みたいな物があるがランクアップと言っても年金の額が変化するだけで早々上の爵位にはならない。そして年金の額のランクアップも基本的には騎士爵と侯爵でしか発生しない。


また騎士爵の年金額がランクアップして準男爵相当になるとそのまま爵位がスライドする訳でも無くそのまま年金の額が増える。ある一定以上の功績がある場合は正騎士爵へとランクアップする。


正騎士爵は1番したの等級から始まり功績次第で等級が上がって行くが1番上の等級に行ってなお大きな功績を残すと将爵へと叙せられる事がある。


王国ではかつて将爵位でありながらなお戦果をあげ過ぎて唯一例外的に大将爵の名誉爵位を与えられた人物がおり。他国においても唯一無二の大将爵に相応しい人物であると認識されている。



爵位の上昇下降、剥奪、引き継ぎについて


爵位の上昇下降は主に功績によって決まる。

ただし功績を挙げたが爵位の上昇に満たない場合は功績相当の勲章(年金付随、規定年数あり)の受勲で済ませる事が多い。


名誉爵位の叙爵はその爵位より3階級上位の領地持ちの者であれば誓約神の名の下「私は誓約神の名の下にこの者の働きを評価し新たに叙する」と誓約したのち王宮の指定部署に届ける事によって叙爵されるものとする。


爵位に見合う働きが出来ていない場合は初年度は爵位の下降、次年度にて剥奪となる。(ただし規定によりその原因が本人の働きと関係の無い事象によるものの場合は無効とする)。


爵位の下降と剥奪の際は誓約神の名の下「私は誓約神の名の下にこの者の働きを正当に評価する者である」と2家以上の侯爵位と3家以上の子爵位の者が誓約する事で正当なものとする。


爵位を子孫に与えられる場合該当者は誓約神のもと移譲者への課題評価が無いことを誓約し、その爵位持ちを束ねる侯爵位を持つ者が誓約神にその者に特定の意図が無い事を誓約することによって正当なものとする。また、侯爵位の場合は王に同様の誓約をしてもらう。


って感じだったな。やや抜けはあるがこんな内容でほぼほぼ合ってる筈だ。不安だったら図書館で調べるなりしてくれ」


「詳しいっすねレオさん・・・」


「そうか?お前さんが潜りたがってるダンジョンはBランクが条件だったろ?まあ安心しろって。所詮は騎士爵のペーペーだからな。領地持ち貴族なんかは一々からんでこないだろうさ」


「そう言うものなんですか・・・じゃあしょうがないっすね」


「でだ、約束通り金貨30枚と次の依頼を手伝えばいいんだったろ?いつ行く?」


「レオさん達が予定が合えば3日後でどうですか?早ければそれはそれでって思っていたんですけど色々とやる事もあるので」


「おういいぜ、うちの奴らには俺から伝えとく」


「では昼頃に1階ホールでお待ちしてますので」


「昼だな。じゃあ俺は早速楽しんでくるとするわ」


そう言ってレオニスは部屋から去っていった。思わずコウはレオニスの相手を務める娼婦に冥福を祈った。


(すまん、見知らぬ猫耳娼婦さん・・・マタタビブーストのかかったレオさんの相手は大変だろうけど頑張ってください。きっと金払いは良いはずですから)


ライオン系獣人のレオニスもベースがネコ科だからかバッチリマタタビが効く。


こちらの世界でネコ系統の獣人にはマタタビが一種の性欲剤の様な役割も持っており特に獣人の男性には重宝されていた。


自分に使ってよし、相手に使ってよしで言ってしまえばマタタビキメセ〇〇スである。とは言っても依存性等の心配はない。


しかも何故かこちらに元々あるマタタビはあっちの世界のマタタビより効能が低いためか持ち込んでみたマタタビがとんでもない高値で売れてしまっている。


どの世界でも男の欲望と言うのは変わらないものだ。ネコミミと心おきなくニャンニャン(死語)出来るなら誰だってそうする俺だってそうする。




「なにやらコソコソとしていると思えばマタタビですか、悪事を働こうとしていた訳では無くて逆に安心しました」


急に女性の声がかけられてびくりとする。部屋の中もどう言ったことか普通の明るさに戻っていた。


いや、別に悪い事をしようとしていた訳では無いしこちらでもあっちのマタタビは効能が高いと言うだけでちゃんと合法の品物だ。


なぜ部屋を暗くしていたかと聞かれると・・・そう、悪ノリである。


「サフィアさん・・・なぜここに?」


サフィアと呼ばれたメイド服の少女はなんてことのないように答えた。


「私はコウ様にお仕えするメイドです。そしてメイドたるものお仕えする主がどこにいようとも侍る事が当然ですので。」


「いや、それって答えになって無いよねサフィアさん・・・」


「コウ様、以前から私の事はサフィとお呼びくださいと申していたはずですが?」


そう答えたサフィアはやや不機嫌そうな雰囲気を纏う。表情には変化が現れて無いのだがなんともわかりやすい。これはコウがサフィアと会った時から変わらずその事に思わず苦笑してしまった。


「コウ様?」


「いやごめんサフィ。初めて会った時からサフィは変わらないなって思ってさ」


言われた通り彼女の愛称で呼べばサフィアの雰囲気も不機嫌そうなものから嬉しさの溢れるものに変わった。


「まだコウ様にお会いして数ヶ月もたって無いのだから当然だと思いますが・・・まあいいです、ルークスが夕食を一緒にするのを楽しみにしていましたよ?用事が済んだのであれば早めに帰りましょう」


「ルーくん俺の事構い過ぎだろ・・・まさかホモなのか?」


思わず尻の穴に力が入る。ルークスはイケメンだが俺はホモではない。別に男色を差別することは無いがそれはあくまでも自分がターゲットにならなければの話だ。


「別にそういった話は聞いたことはありませんよ?同じ歳で対等に話せる友人が出来たのが嬉しいのでしょう。今まで気軽に出歩けると言うこともなかった訳ではなかったのですから」


「それならいいんだけど・・・それじゃあ余り待たせても悪いし行くとするか」


そう言って立ち上がるとサフィアは無言で俺の腕を取る。彼女の纏う雰囲気はご機嫌だ。


「あの、サフィ?別に腕を組む必要は無いって前々から言ってるよね?」


「何か問題でも?」


平坦な声だが何故か俺には普段より嬉しそうな声音に聞こえる。やっぱりこの兄妹は俺に対して距離間が近すぎるんでは無いだろうか。


「はぁ・・・まあいいか。それじゃあ行くぞ」


そう呟いた次の瞬間には俺たちの姿は部屋から消えていた。

そんなわけで(どういう訳だか)見切り発車で書き始めて見ました。あ、ちなみに最近(と言っても結構空いてる)ダンジョンのあれは若干設定を使うかもしれないぐらいの関係しか無いのでお気をつけてください、と言うか余り気にしないでください。そっちをがっつり使った方も一応しっかりと考えていく予定です。

プロットも書き溜めもなく思いついたことを書き連ねて叩きつけて行くスタイルでやってるので読みづらい部分や変な表現、誤字脱字等多いと思いますが寛大な気持ちで読んでやってください。

感想大歓迎です。

誤字脱字報告やおもしろかった、つまらなかったなんて一言でもいただければ励みになります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ