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第五章 信じる力 そして伝えたい思い

レナ・アンケリーは身を潜め、スナイパーゼクトの隙を狙っていた。

スコープで狙いを定め、引き金を引く。

銃口から勢いよく撃ちだされるレーザー。

しかし、そのレーザーは間一髪で避けられた。

「そんなっ!?」

「ふ、この程度で俺を倒せると思うな!」

次の瞬間、スナイパーゼクトは姿を消した。

「あの野郎、どこに消えた!?」

ジェイクが辺りを見回す。

「なんて素早さなんだ……。」

「こうなったらバラバラに散ろう。

 拡散して相手を混乱させるんだ。」

ディンの言葉に三人は頷く。

そして散らばる四人。

その時、スナイパーゼクトが再び、姿を現し、ライフルをれなに向けて構える。

レナがそれに気付き、レーザーライフルを構えようとする。

だが、遅かった。

レナより先に引き金を引いたスナイパーゼクト。

そのレーザーは瞬時にレナに命中した。

「きゃああっ!」

その場に倒れるレナ。

「レナッ!?」

すぐさま三人がレナの元へと駆け寄る。

「はあはあ……。」

スーツのおかげで重傷は免れたものの、息は苦しそうだった。

「く、一先ず撤退するぞ!」

次の瞬間、四人は本部へ転送された。

「ふ、逃げたか……、所詮はこの程度か。」

プログラントベース治療室。

レナはベッドに横たわっていた。

命に別状はなく、今は眠っているという。

その知らせにほっとする。

その時、うっすらとレナが目を覚ました。

「……皆……?」

「レナッ!」

そして起き上がろうとするレナをセレンが止める。

「駄目だよっ!

 まだ安静にしてなくちゃ!」

「私は大丈夫……。

 それよりも、ごめんなさい! 

 私のせいで……。」

「馬鹿言うな。

 誰もレナのせいなんて思ってないさ。」

とジェイクが励ます。

しかし、レナの表情は暗い。

「どうした、レナ。」

ディンが様子に気付き尋ねる。

少しの間の後、レナは口を開いた。

「ううん……。

 ただ自分の能力がもっとあれば、こんな事にはならなかったのにって……。」

「レナ……。」

更にレナは続ける。

「私ね、皆の中で一番能力が低いの……。

 それで私、思った。

 いつかそのことで皆に迷惑かけちゃうんじゃないかって……。

 本当にそうなっちゃったね。」

俯くレナ。

その時、再びゼクト出現の連絡が入る。

するとデニーが部屋に入って来た。

「レナはまだ動けない。

 今はお前達三人で向かってくれ。」

「了解!」

三人は部屋を後にした。

部屋にはレナとデニーの二人だけになった。

「ごめんなさい、こんなことになって……。

 ダメだな、私……。」

するとデニーは口を開いた。

「あいつらはレナ、お前が来るのを待っている。

 誰もレナの事を駄目だなんて思ってはいないんだ。」

「え……?」

「レナ、自分の力を信じろ。

 そうすれば能力は答えてくれるはずだ。」

デニーはレナに対し、頷き、ある物を置いて出て行った。

「デニー……。」

そしてレナはテーブルに置かれたある物を手に取る。

それは修理されたチェンジャーブレスだった。

すると画面にメッセージがあると表示されていた。

「メッセージ?」

再生ボタンを押す。

「えーと……、レナへ。

 早く良くなって、また元気な笑顔見せてくれよな!」

「こほん……レナ?

 元気になれる本を何冊か置いておいたから試しに読んでみて!

 お大事に!

 ほら、ディンも!」

少しの無言の後、

「レナ、俺は、俺達はお前の力を信じている。

 だからレナ、お前も自分を信じろ。」

と、そこでメッセージは切れた。

「皆……!!」

レナは目を閉じ、しばらくして目を開けた。

覚悟を決め、ブレスを腕に装着し、部屋を出て行った。


「さあ、どいつから狙い撃ちしてやろうか?」

笑いながらライフルを構えるスナイパーゼクト。

三人は変身解除まで追い詰められていた。

「まずはお前からだ!」

 と、ディンに狙いを定め、引き金を引こうとした瞬間、

ズキュンッ!

と一発の銃声が鳴り響いた。

それはスナイパーゼクトのライフルを弾き飛ばした。

「何!?」

「レナっ!!」

銃声がした方向を見ると、レナがレーザーライフルを構えていた。

「レナ、来てくれたんだね!」

「待ってたぜ、レナ!」

「ふ、間一髪だな。」

レナは三人の元へ駆け寄る。

「皆、お待たせ!」

「もう、大丈夫みたいだな。」

その言葉に強く頷くレナ。

「皆、色々ありがとう。

 私、自分の事、全然信じてなかった。

 でも、もうだ大丈夫。

 私にはこんなにも頼れる仲間がいるから!」

そして微笑むレナ。

三人は頷く。

そして

「行くわよ、皆!」

「了解!」

「チェンジ イグニッションッ!!」

ブレスにカードをスキャン。

瞬時にスーツが装着される。

「メシア4レナ・アンケリー!」

「メシア1ジェイク・マクロード!」

「メシア2セレン・リラード!」

「メシア3ディン・リーデン!」

「ワールド・アース・メシア 出動!!」

「く、こうなれば全員、狙い撃ちにしてくれる!」

再びライフルを構える。

そして引き金を引こうとする。

「させない!」

瞬時にレナがレーザーライフルを放つ。

放たれたレーザーはライフルを直撃し、破壊した。

「馬鹿な!?」

「今よ!一斉攻撃!」

「はあああああっ!!」

それぞれの専用武器で技を繰り出す。

「うわああああああっ!!」

叫び声と共にスナイパーゼクトは爆発した。

「ミッション、コンプリート!!」


「やったな、レナ!」

レナが振り向くと三人は笑っていた。

「ありがとう、皆のおかげだよ。」

「いや今回はレナのお手柄だ。」

「そうだよ、レナが来てくれなきゃどうなってたか。」

とその時レナが突然意識を失い、その場に倒れた。

「レナ!?

おい、レナ!!」

すぐさま再び、治療室へ運ばれるレナ。

まだ怪我が完治していないのに、激しい戦闘をしたため再び意識を失ったという。

その後、三人はレナのお見舞いに行った。

病室に入るとレナは安心したかのようにぐっすりと眠っていた。

それに安心し、部屋を去ろうとするジェイクとセレン。

するとディンは、もう少しだけ様子を見ていくと告げた。

そして部屋にはディンとレナの二人だけになった。

しばらくするとレナが目覚めた。

「気付いたか?」

「ディン……、

 あれ、私どうなって……。」

「まだ怪我が治ってないのに無茶な戦闘をしたからな、

 それで再び気を失ったんだ。」

「そうだったんだ、ごめんね……。

 何回も迷惑かけちゃって。」

「全く、お前は無茶をしすぎだぞ。」

呆れるディン。

そして

「でも、良かった。

 レナが立ち直ってくれて。」

「それは皆のおかげだよ。」

「なんかこの会話、さっきもしてなかったか?」

「そういえば……。」

とレナは笑う。

ディンもふと微笑んだ。

するとレナが

「ディン、明るくなったね。

 初めて会った頃とは大違い。」

「そうか?

 自分ではそんな感じはしないんだが。」

「ううん、今のディンはもっと話すようになったし、笑うようになった。

 私は今のディンが好きだな。」

「え……?」

「ん……?」

少しの間の後、レナは顔を赤面させた。

「いや違うの!

 好きって言うのは、その……ね?」

そんな慌てているレナを見てディンは、

「俺も、いつも明るくて笑顔でいてくれるレナが大好きだ。」

「ディン……。」

するとディンは立ち上がり、こう言った。

「レナ、以前が俺が一人で無茶しようとした時、レナは俺に言ってくれたよな。

 私達は仲間だから、一人で背負わないでって。

その言葉で俺は自分の過ちに気付けた。

レナには本当に感謝している。

だから……。」

と、レナの方を見るディン。

「今度はレナが俺を頼ってほしい。

 約束する。

 レナは俺が守る。」

「ディン……?」

「ずっと前から言いたいと思ってたんだ。

 こんな俺を助けてくれたレナに。」

そして次の瞬間、ディンはレナにキスをした。

「……!!」

「ありがとう、レナ。」

レナは驚いたものの、笑顔になり嬉しそうに頷いた。

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