始まり
引き金に手をかける
感情を制御できない
目の前にあるものに対する感情がよく分からなくなる
だけどやらなくちゃならない
そう分かっているんだ
そして僕は引き金を引いた
俺が生まれる五年前つまり二十年前のことだ
その時あまりに突然の事態に世界は大混乱したらしい
それもそうだろう世界中のあらゆる国の首都に塔のようなものができたのだ
しかもその塔の中は全て繋がっているのだから驚きだ
出入り口は百人規模で入れるほど大きく材質は不明
研究者達は必死になって調査しているが十五年の月日が経ったも未だに何も分かって0いないらしい
中はとんでもない広さで外観からは予測できない広さをしている上に1000階層もあるときたもんだ
そして塔にはルールがある
先ず一つ目塔から出るときは入った場所と同じ場所になる
二つ目塔から出たものは24時間塔に入れない
三つ目塔の中にいる者は言葉が通じる
四つ目塔の中では特別な力が使える
これらのルールは塔の中に入ると頭の中に浮かび上がってくるのだから誰もが信じざるを得なかった
まあルールに反しない裏技のようなものもあるのだがこれは今はいいだろう
こうして出来た塔は世界中で物議をかもしたあるところでは神からの使いだとか、宇宙人の仕業だとか
人類滅亡の危機だとか色々言われていた
だが何よりも問題なのはその塔の中で使える特別な力と塔の中で行われる犯罪行為だった
特別な力は一人に一つ与えられ似たようなものはあるが同じものは確認されていない
能力は千差万別で火を出せるといった分かりやすい能力から鏡の中に入れるといったよくわからない能力まである
犯罪行為については最初のころは酷いもんだったらしい密輸、強盗、殺人、強姦などなど何もない空間とはいえ1000階層もあり能力のこともあり捕まえるのはなかなか難しかったという
それぞれの国で規制は行っていたが中々上手くいかない
そこで全世界で塔に関する協定を結ぶことになった
その結果塔はTOAという組織を作りTOAが管理することになる
TOAはその性質上等に関することに対して絶対的な権力を持つことに決められた
そしてTOAのールだけを定めた
塔への出入りは自由、塔の中で起こる出来事はあらゆる法律で罰せられることはないという衝撃のものだった
もちろん世間は反発を示したがその勢いはある事件が起きてから急速に沈静化していった
その事件とはTOAによる私刑であった、塔の中で合法的に犯罪を行おうとしている者たちを次々に駆逐しそのほどんどを殺したというTOAの集団での能力を使った戦闘になすすべもなくやられたようだ。
つまり塔の中で重罪を犯そうとすれば殺されるのだ
それに不満があるのなら塔に入らなけらばいい世の中の多くの人間はそう納得した
この十五年間大きい問題もなく機能してるところを見るとうまいやり方だったのだろう
そうして塔の中が安定すると今度はビジネスが始まった最初は塔の中での物の受け渡しなどが多かったが
不便だったのか誰かが塔の中に家を作り始めたそれをきっかけに塔の中では町作りが盛んになる
五年もたてば50階層は街で埋め尽くされ十五年たつ今では日本とそう変わらない暮らしができる所があるまでになったここまで飛躍的に進化したのは能力のおかげというのも大きいだろう。
とここまでが教科書に載っているような塔に関する情報だ
今のところこの塔が何のために作られたのかそれはわかっていない
ただ一つ分かるのは人間はもうこの塔があることが当たり前だと感じていることだ。