表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍刻の転生者  作者: 勇者 きのこ
少年期 第5章 長き旅路編
45/51

第44話「反撃の狼煙」

※文章中の表記で『魔法』"スキル"という感じにしています。もちろん、違う部分もありますが……。

 





「くそッ!『韋駄天』ッ!!」


 リュウは咄嗟に『韋駄天』を発動し、残像すら残さぬ速度でパンドラとミシェルの前に移動し、2人を庇う形で陣取る。


 疾風の靴を“解析"のスキルで詳しく調べ上げ–––––その結果付与されていた"疾走"という移動速度を底上げするスキルを、まるで分解するかのように徹底的に解析した。


 すると、スキルの仕組みまではわからなかったが”疾走"を起動するために靴に施されていた魔法陣とその詠唱文字などだけは理解できた。


 あとは解析した"疾走"をベースに、ミラから授けられていた移動速度を底上げする魔法を組み込んでいき、【魔術式】によって固有魔法(オリジナルマジック)『韋駄天』を完成させたのだった。


「君さぁ、力を封印されてるんだってね。そんな状態で僕に勝とうっていうのかな? 控えめに言っても、無謀だと思うな?」


 リュウは何も言わず、ただ真っ直ぐに勝利だけを求め剣を握る力を強める。


 ロキは呆れたように肩を竦め、「やれやれ」と溜息を吐いた。


「まぁ、やってみるといいよ!!」


 そう叫ぶと同時、ロキを囲む空間に無数の魔法陣が展開され、死を具現化したと錯覚させるほどの魔弾が降り注いだ。


(俺だけなら避けられる、奴はわざと避けやすいようにしてやがる……だがッ!)


 リュウはチラリと背後を振り返り、苦虫を何百匹も噛み潰したような表情で地に伏せたままのパンドラとミシェルを見る。


 ロキはリュウに選択を迫る。


 2人を見捨て、己だけが生き残るか。

 2人を庇い、己だけが犠牲になるか。


(抱えて逃げる–––––だめだ、それじゃ間に合わない!! )


 防御系の魔法を展開したところで、すぐに破壊されるだろう。


 リュウはこの一瞬の間で、何重にも思考を繰り返す。


 被弾する箇所に集中して防御魔法を展開して軌道をずらす–––––すぐに魔力切れだ。


 高速飛来してくる魔弾を剣で各個撃破する–––––今の状態じゃ体力がもたない!


 ジュリウスにしたように風の魔法で2人を吹き飛ばす–––––バカか、2人を引き離せば奴の思い通りだッ!


 魔術式で新たな防御魔法を構築–––––そんな時間は、無いッ!!


 考えろ、考えろ考えろ、考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろッ!!!


 やはり己の身を盾にしてでも、あの魔弾を斬り伏せ続けるしかッ!?


 永遠に続く攻撃だろうがなんだろうが、やってやる–––––。


 リュウがそこまで考えた時、眼前に広がった薄く緑色に発光する壁を見て思考を停止した。


「不甲斐ない、私は緋天の守護者失格ですなッ!」


「–––––ジュリウスさん!?」


 魔障壁を展開し魔弾の雨からリュウたちを守ったのは、先程までロキとの力の差に呆然と立ち尽くしていた白髪の男–––––ジュリウスだった。


「私は、何を今更–––––死への恐怖など、お嬢様を守ると誓いを立てたあの日(・・・)、既に覚悟は出来たはずッ!!」


 ジュリウスは怒りと憎しみと恐怖と焦燥とが入り混じった心を押さえつけるように拳を力強く握り、口の端から血を流している。


 彼らとロキとの間に何があったのか、それをまだ知らないリュウでさえも、ジュリウスの決死の表情にただ言葉を紡ぐことができないでいた。


 そんなリュウに視線を移したジュリウスは、申し訳なさそうに苦笑いを浮かべて言った。


「今のリュウ殿は、龍神の力を使えません。だからこそ、その間だけは我々が貴殿をお守りすると約束したはずなのに……」


 リュウはその言葉に肩を竦めると、気にするなと言うように手をヒラヒラと動かして答えた。


「俺だって、ただ守られてるだけなのは嫌ですよ」


 その言葉にフッと笑い、すぐに真剣な表情になると、ジュリウスは手を前に突き出し、虚空から一本の大杖を取り出して構えた。


「リュウ殿にこんなことを頼むのは、大変申し訳ありませぬが、何卒、御助力願いたいッ!」


 ジュリウスの心情は、その表情で見て取れた。


 –––––諦めてなるものか、と。


「その意気ですよ、ジュリウスさん!!」


 ニッと不敵な笑みを浮かべたリュウは、グリモアを両手で構え、再び残像すら残さぬ速度で駆け出した。


「その魔法の弱点なら、もうすでに見切ってるよ」


 その言葉を証明するかの如く、ロキは片手を前に突き出すと漆黒の閃光を放ち、文字通り目にも留まらぬ速さで駆け抜けるリュウを、じわりじわりと追い詰め始めた。


「その魔法、常時展開はできないみたいだね。魔力の消耗も激しいみたいだけど、それ以上に身体の方がついていけないんでしょ? ねぇねぇ、正解? 正解かなぁ!? だったら、魔法を発動するタイミングを狙えば良いだけだよ!!」


 その言葉に、リュウは僅かに歯噛みする。


 ロキの言う通り、『韋駄天』は魔力の消耗が激しく、常時展開はとても制御する自信が無い。

 それに、一時的にだが神速での動きを可能にするのだ、肉体への負担も大きく、『身体強化(ブースト)』発動状態であっても骨身は軋み、体力もガリガリと削られる。


 故に、一瞬だけ発動して移動し、さらに一瞬だけ発動しを繰り返し行わなければならず、その隙をロキが見逃すはずもなかった。


 アハハハッ! と狂喜に満ちた笑みを浮かべ、しかしリュウへの攻撃の手を緩めないロキの真上(・・)から、轟ッ! と凄まじい音と共に、燃え盛る太陽そのものを幻視させる程の紅蓮の炎を纏った炎弾群が雨の如く降り注ぐ。


「私のことも忘れないでもらいたいですな、ロキ。私は貴様のことを忘れたことなど、1日も無いと言うのになッ!」


「うざったいなぁ、もう」


 灰すらも残さぬ紅蓮の炎の群を心底煩わしそうに回避(・・)したロキは、その術者を睨みつける。


 それだけでも大気が震え、ジュリウスは身体中に死の気配がヌルリと纏わりつく感覚を覚え、脂汗が吹き出る。


 自然と荒くなる呼吸と心臓の鼓動を無理やり鎮めるように杖を握る力を強めた。


「くっ、–––––紅蓮の焔よ、緋天を穢す愚者に真なる鉄槌を、神の業火と緋龍の怒りよ、天に轟き大地を揺がし、全ての罪を灰燼にッ!!『蓮炎』!!」


 ジュリウスの前方に、短縮された詠唱に呼応して出現した幾何学的とも幻想的とも言えるほどの、鮮やかな紅の魔法陣が展開され、一拍の後に紅蓮の砲撃が放たれる。


 炎系統魔法の帝王級(エンペラークラス)に位置する絶技の魔法である『蓮炎』は、その昔、中央大陸で最も栄えていたとされる国を、たったの一撃で消滅(・・)させた程の伝説の魔法と詠われる魔法だ。


 発動させるためには例として、1万人の宮廷魔術師が三日三晩休むことなく詠唱を続けることでやっと発動に至る程、尋常では無い魔力と集中力を要する代物だ。


 それをたったの五節にまで短縮し、詠唱省略により発動させるジュリウスの魔法の才は、さすがは火の龍神の眷属と言わざるを得ない、それで納得するしか無い常軌を逸した実力だった。


 もちろん、そんな攻撃がロキに直撃すれば、ロキだけではなくその余波だけでもここら一帯は跡形もなく消え去るだろう。


 だからこそ、ジュリウスはその攻撃をロキの遥か上空(・・・・)へと放った。


「は? 何がしたい–––––っ!?」


 ジュリウスの理解し難い行動に、こいつ遂にイカれたのかな? と訝しんだロキは『蓮炎』の向かう遥か上空、その目指す場所を見て–––––戦慄した。


「クアハハハッ! 待っておったぞ、この時を!! 我輩、神を一柱でも良いから殺ってみたいと、常々夢見ておったのだ!!」


 そこには獰猛な瞳で牙を剥き、不敵に笑う漆黒の毛を(なび)かせる狼の姿が。


 黒狼の身体が黒い霧に覆われていき、完全に姿が見えなくなった。


 一拍の後、ボバッ! と霧が爆散し、そこにいたのは黒狼ではなく、漆黒の鎧に身を包み、闇よりも深い黒のマントを靡かせ仁王立ちしている、艶のある黒髪をオールバックに決め込んだ男–––––『魔人化』したリオウルフが姿を現した。


「クアッハッハッハ!! –––––牙狼王である我輩の牙は、神すら噛み砕くぞ! む? ()すら噛み(・・)砕く……? クアハハハッ! さすがは我輩、センスが光り輝いておるわッ!!」


 そんなしょうもないギャグを言っては一人で笑う残念狼に、「良いから早くやれよッ!!」とさすがのジュリウスも青筋を浮かべる。


 パンドラがロキの魔法で眠ってしまった時、リオもまた"顕現"を解かれていた。

 しかし、パンドラは目覚めたとほぼ同時に、まるでそのつもりだったのかと言うように再びリオを召喚していたのだ。


 そしてロキに気づかれぬよう、ロキの認識の範囲外で息を潜めて待っていたのである。

 獲物を狩る絶好のタイミングがやってくるのを待ち続ける、獰猛な狼のように。


「むんッ!」


 紅き閃光の尾を引きながら己に向かって天を突き進んでくる『蓮炎』を一瞥した後、それをおもむろに突き出した右手で掴み(・・)喰らった(・・・・)


「んぐっ、ぶはぁ!! なかなかに良い魔法を操るではないか、緋天の眷属よ! さてと、では神よ、貴様に見せてやろう。"牙狼王"の牙をなッ!!」


「あはは、【成り上がり】の精霊の分際で、神に抗うとは愚かだね! 思い知ると良いよ、格の違いをねッ!!」


『蓮炎』を喰らったリオからは紅蓮の焔のように赤く揺らめき輝く魔力が噴き出し、それをその身に纏うとドヤっとキメ顔になる。


 それに心底イラッとしたのだろう、ロキの狂気に溢れんばかりの笑顔の頰の端が、僅かにピクついている。


 同時にロキからは漆黒の魔力が溢れ出し、死を体現するかの如く大気を更に震わせ、大地を怯えさせる。


 同時、紅と黒の閃光が激しくぶつかり合い、大気が爆ぜる。

 轟く爆音と軋む空間が、上空で二つの閃光が競り合うたびに発生し、その余波が地上にいるジュリウスやパンドラたちに襲いかかる。


「まったく、少しは下にいる我々のことも考えて欲しいものです……」


 そう愚痴をこぼしながらも薄く緑に輝く魔障壁–––––帝王級防御魔法である『天殻』を展開して余波からリュウたちを守っているジュリウスは、リオがロキの気を引いている間にもアヴァロンを取り返す方法を思案する。


 それは傍で瞑目しているリュウも同じであり、幾十にも思考を重ねた結果、「やっぱこれしかねぇか」と苦笑いをしつつ、肩を竦めた。





 –––––





「なんでよ……なんで、動かないのよ……」


 眼前に広がる光景に歯噛みし、必死に起きろと身体に命じるが、反応は無い。

 それどころか立ち上がることを拒絶する心に、パンドラは今にも泣き出しそうな声を上げる。


 –––––敵と認識されただけ。


 それだけでも身体が(すく)み、心は折れかけた。


 守るべき人に守られ、自分は情けなく地に這いつくばったまま。

 そして目の前で徐々に追い詰められていく少年を見ることしかできなかったことに、力強く握る拳は真っ白になっている。


 悔しさに唇の端から血をつーっと流して、必死に己の身体に命令を下し続ける。


 –––––戦え、と。


「–––––っ!?」


 突然自分の手に温もりを感じ、ビクッと体を震えさせながら傍を見れば、そこには自分と同じように苦虫を何百匹も噛み潰したように顔を歪め、けれどもその瞳には決然とした覚悟を宿している親友の姿があった。


「大丈夫……なのですよぉ……。一人じゃダメでも、私たち二人ならぁ、どんなことだってできるのですよぉ……。だから、大丈夫なので–––––」


「–––––おい、な〜にが『二人なら』だよ。『みんなでなら』だろうが」


 頭を優しく撫でられる感触に今度はミシェルもビクッと体を震わせ、いつの間にか二人の間に片膝をついて微笑む少年を見上げる。


「なんだよ、デカくなったのは見た目だけか? さっきは態度もデカかったくせによ」


 そう言いながらケラケラと笑い、今度はわしゃわしゃと力強く撫で回した。


「ほら、シャキッとしねぇか! 情けねぇ顔してんじゃねぇよ。それともなんだ? 光の龍神の眷属は、火の龍神の眷属よりも弱ぇのか?」


 プーックスクス! と心底腹の立つ顔で笑うリュウを見て、パンドラの手が別の意味で握る力を強める。


「–––––ぷっ、あはは! なによその顔! 勘違いしないでよね、今から本気出そうと思ってたとこよ!」


「ご主人様のミシェルはぁ、そこに居るおじいちゃんよりもぉ、ずっとずーっと優秀なのですよぉ〜? バカにしないで欲しいのですよぉ!」


 ニッと不敵に笑うと、二人同時に勢い良く立ち上がり、それぞれの相棒を流れるような動作で構えた。


「よーっしその意気だッ! んじゃ、元気も出たみてぇだし? ちょーっとやって欲しいことがあるんだわ」


 まるでイタズラを仕掛ける前の子供のよう(見た目は子供だが)な笑顔を見せたリュウに、キョトンとした顔で首を傾げる二人。


 そんな顔と仕草に思わずドキッと高鳴る鼓動を誤魔化すようにコホンッと咳払いを一つした後、「っと、その前に」と言いながら、傍で未だ眠ったままのカンナとガッチェスを見やる。


「上手く発動しなかったみたいだな、確率は20%あるかないかだったしなぁ。師匠のが発動しなかったのは痛い誤算だけど……」


 そう言いながら眠る二人に手をかざすと、無詠唱で状態異常回復魔法を発動しようとしたが–––––。


「–––––やっぱりか。今まで感覚で覚えてた無詠唱魔法も、先代から引き継いだ魔法も、師匠に力を封印された時に全部リセットされてるな……村の中で師匠が俺に言っていた『自分で気付け』ってのは、このことだったのかもな」


 言外に、『なんでそんなことも気づかぬのか、たわけ』と伝えていたのかもなぁ〜。などとブツブツ呟き、魔法を詠唱してガッチェスとカンナを起こした。


「–––––ん、む? 何があったんだ……なぜ俺はこんなとこで眠って–––––な!? なんだこれは、どうなってるんだッ!?」


「んにゃ……うるさいにゃ、です……」


 目を覚ました瞬間、眼前に広がる緑の障壁と、遥か上空で激しくぶつかり合う紅と黒の閃光、その余波で軋みをあげる空間に、驚愕に目を見開き眠気をすっ飛ばしたガッチェスと、未だ寝足りないとモフモフの尻尾に顔をうずめるカンナ。


 リュウは、ガッチェスに苦笑いを浮かべながら現在の状況を説明し、カンナには電撃強制目覚ましをしてあげた。


「–––––うにゃにゃにゃにゃッ!?」


 プスプスと白煙を上げながら、別の意味で再び深い眠りにつこうとするカンナをチョップで叩き起こし、 カンナには適当に説明する。


「お前も言ってたろ? 神様がなんか企んでるって言ってたから、みんなに『状態異常防御』の魔法をかけてたんだ。防御が成功する確率が低かったせいで、カンナとガッチェスさん、ジュリウスさんと師匠は眠ってしまったみたいだが……」


「それにしても、よく状態異常での攻撃を予測できたな……?」


 ガッチェスにそう問われたリュウは、不思議そうな表情で–––たしかに。と小さく呟いた。


「なんで俺……あのロキって神のやることが分かったんだ?–––––っ!!」


 思い出そうとすると、また頭に靄がかかり頭痛に悩まされる。


 そしてリュウは先程、自らの身体に激痛を走らせ魔法を耐え抜いたジュリウスのことを思い出した。


 咄嗟にあれを、何の躊躇いも無く行える実践能力と覚悟は–––––いったい彼の身に何があって、何が彼をそこまで駆り立てるのか……。


 リュウたちの傍で防御魔法を展開し続け、必死にリュウたちを守り続けるジュリウスを見て–––––ふとそんなことを考えたが頭を振って気持ちを切り替える。


 みんなが落ち着いたことを確認してから、リュウは考えていたイタズラ(・・・・)の内容を語った–––––。


「–––––––これで作戦は以上だ。できるよな?」


 瞳を鋭く細め、だが決して不敵な笑みを崩さないリュウを見て、しばらくの沈黙の後、皆一斉に吹き出した。


「ぷっ、普通そこは『できるか?』じゃないの? まぁ、当然できるけどね!」


「ふふ、当たり前なのですよぉ〜! このままただ見てるだけなのはぁ、さすがに我慢できないですからねぇ〜」


「戦闘はあまり得意ではないが、気を引くくらいならできるだろう。俺も協力しよう」


「ご主人のお願いとあれば、はりきっちゃいます!」


 その言葉に満足そうに頷くリュウだったが、最後のカンナの言葉で「む?」っと首を傾げた。


「なんだ? 『にゃ』って言わねぇのか?」


「えっ!? い、言いませんよそんなこと!」


 その言葉にギクッとして、慌てたように取り繕うカンナに、まさかのその横からの追撃が襲った。


「さっき寝言で言ってたわよ? なにを隠す必要があるのよ」


「そうですにゃぁ〜? 可愛かったのですにゃよぉ〜?」


「ミシェル先輩は絶対バカにしてますよね!? 『にゃ』なんて、恥ずかしいじゃないですか……」


 それはお前の妹のことか? と無粋なことを言いそうになり、ガッチェスは苦笑いを浮かべる。


「別に恥ずかしくねぇだろ。遠慮したりすんなよ、仲間なんだしな。それに、俺はそっちの方が獣人らしくて好きだぜ?」


 ヘラヘラと笑いながらカンナの頭を撫で回すリュウ。

 最後の言葉でカンナの顔が桃色に染まるのに気づいてないのようで、隣のパンドラのキッとした視線に意味がわからないと後退りしている。


 そんなやりとりを見ながら苦悶の表情を浮かべるジュリウスは、「良いからはやくしろよッ!」とでも言いたげだ。


「さてと、そろそろジュリウスさんも限界みたいだし、さっさと作戦を開始するぞ。みんな、こっからが本番だ! 反撃を開始するぞッ!!」


「「「「「おうッ!!」」」」」







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ