1/1
~序章~ 数百年前の彼女の変化
人なんて、信用できない。
それが、私__蜻蛉翠花が世界を繰り返して導き出した、最初の答え。
その答えが、私の心の中で揺らいだり消えたりするような事は無い。
例え信用が出来て、絆が出来ても…それは自分の心を縛る鎖にしかならない。
相手が死んでしまえば、尚更だ。
今は、落ち着いて生活を出来る世界で暮らしているけど__。
きっと、戻っても彼女達__使い魔や守護神、守護獣は何も言わないだろう。
でも、私はこの世界から自ら出ないでいる。
それは、自分のいつ捨てたか解らない位前に捨てた、感情の欠片が外に出るのを拒んでいるから。
感情は、自分を鎖で繋いでいる。
感情なんて、欠片も要らない。
感情があった所で、制限が増えるだけ。
そんな時、心の中で何かを無くした感覚がしたのが数百年前。