59話
レベル上げ期間です。通常の戦闘の描写ありませんが、日常的にレベル上げをしています。
ある日の出来事である。
「コク、精霊魔具で普通の装備に長期的な威力増加って付けられないのか?」
鍛冶の強化以外でも何かしらの性能強化があると底上げになる。
「ん~?出来るよ。まだ試作品だからちゃんとした性能にはならないけどね」
と剣を手渡してくる。これがそうなのだろうか。見た目では全くわからない。
「これは剣だよな?素材はウーツ鋼みたいだが……どう違うんだ?」
どうみても普通のウーツ鋼の剣だ。ダマスカス刀剣のように特徴的な文様もない。
「それを持って魔力を入れてみると解かるよ」
それだけ言ってくる。俺を驚かせるつもりなんだろうが、そうはいかない。覚悟を決めて魔力を込める。すると、剣が槍になった。
「は?なんだこれ」
質量保存もない。完全に無視している。何で剣を槍に変更させるのか意味も解からない。くぁwせdrftgyふじこlp。
「驚いたでしょ?派手さはないけど、瞬時に武器の種類を変えられる特性を付けてみたんだ」
意地の悪そうな顔でニヤニヤしながらコクが言ってくる。驚いたというよりは混乱した。
「なるほどな。リムに剣と杖、パステルに弓と杖を用意すれば接近された時の対処に便利そうだ」
装備品を入れ替える際にはアイテムボックスから取り出さないとならない。数秒の違いではあるが、その数秒で命取りになる可能性だって十分ある。
「うん、スズキさんは解かってくれると思ってた。変形はロマンだよね」
コクが嬉しそうに言ってくる。
(いや、そっちの方向で理解したわけじゃないんだけど)
と考える。確かに武器の変形はロマンかもしれないが、どっちかと言えば沢山武器を持った方が恰好いいと思うタイプなんだ、俺は。
「変形も良いんだが、属性の変更とかは出来ないか?複数の属性を武器に付けられれば色んな敵に対処する時に便利だと思うんだ」
コクの目がカッと開く。何か禁句を言ってしまったのだろうか。
「複合属性!!」
コクが叫ぶ、何かに触れたらしい。
(いや、そうではなく切り替えだったんだが……)
全然見当違いである。どこからアイデアが出るのか良く解からないという事だろう。
「早速取り掛かるよ。挑戦できるっていいなー」
凄い笑顔で理論の構築を思考し出した。どうやらやる気になったらしい。俺は邪魔しないようにその場を後にした。
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「主!!プールが欲しいのじゃ!!」
コタツで休んでいたある日の午後、突然リムが叫んだ。
「プール?突然どうしたんだ?水中の迷宮では物足りなかったのか?」
正直水中の迷宮で苦労したから水の中はうんざりだ。
「安全に泳いでみたいのじゃ」
安全にねぇ……確かに水中の迷宮では戦闘が必須だからな。泳ぎというより殺し合いだ。
「だが、いいのか?水着なんてないから全裸で泳ぐ羽目になるぞ?」
実際は布製でもいいからネクに作ってもらうつもりだが、ちょっと意地悪をしてみる。
「う……それでも泳ぎたいのじゃ……」
恥ずかしがりながら言ってくる。このままお持ち帰りしたい。
「そうか。ならプールの拡張でも見てくるよ」
そう言って嬉しそうな顔をするリムの頭を撫でてからパソコンへ向かう。パステルはまた甘やかして、と母親が父親を叱るような表情をするがスルーしておく。
(さて、プールか。9人だし、そんなにでかくなくても大丈夫だよな)
ビニールプールにリムを入れたら笑えそうだと考えながらリストをみる。最小のサイズは……50mの9コースだった。
(おい、最小でこれとかどうなってんだよ)
縦50m x 横25mもある。学校のプールというより、市民プールを思い浮かべてもらいたい。使い魔全員で同時に競争が出来る。これで30万DPだった。
(うーん……作るのは問題ないんだよな。もうスキルも揃えたし、拡張するものは無い。だけどコクは販売を止めるに止められないとかで続けているからどんどん増えるし)
コクは頼りにされているとかで全然売る手を休める事が出来ないらしい。俺も他のプレイヤーを助ける行為は悪いとは思わないから特に止めるつもりも無い。
俺は決意してプールを作る。水着とかネクが作ってくれるだろうし、下心もある。いや、下心しかない。
「プールを作ったぞ。案内するから来てくれ」
そう言うとコタツに居たパステル、リム、タリス、ネクがついてくる。皆興味はあったらしい。プールにつくと皆驚愕する。どう見てもでかすぎるだろう。
プールに近付いて見てみると既に水が張ってある。この管理はどうなっているんだろうか、と考えたがどうせ無駄だろう。慣れたものである。
そうして何となくみていると、突然リムがプールと叫んだと思ったら突然全裸になって飛び込んだ。
(全裸とか冗談だったのにな)
プールで遊ぶリムを見ながら考える。近くに居るネクに水着をどうにか作れないか相談する。ゴムが無いからどうしても色々と透けてしまうが一応作れるとの事。俺にとっては透けた方が良いとは言わなくでおく。
(まぁ、モチベーションの維持や楽しめるのなら色んな施設を増やすのもいい物なんだろうな)
そう考えながらまだプールに居る皆を置いて去っていく。
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自動販売 part110
114 名前:名無しさん
おい、コクさんの新作きたぞwwwww
115 名前:名無しさん
え?何々?
116 名前:名無しさん
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変幻自在+10
効果
オリハルコン製の武器。
魔力を込め武器の形状を念じると好きな武器に変わる。
また属性も好きな属性へと変更が可能。
製作者:コク
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117 名前:名無しさん
なんじゃそりゃwwwwwww
武器と属性が自由って色んなものを越えやがったwwwwwww
118 名前:名無しさん
やべ、欲しいな
買った奴はどんな感じだったんだよ
119 名前:名無しさん
買ったよ
イメージして魔力を送らないといけないから慣れるまで大変だけど
性能は属性を付けたその武器と変わらない
かなり良い性能だな
120 名前:名無しさん
特殊な形状とかも出来そうだな
鎌とかそんなの
121 名前:名無しさん
うん、出来た
鍛冶をやっているみたいで面白いな
122 名前:名無しさん
そりゃいいな
量産されないかな……
123 名前:名無しさん
いや、むしろどんな作り方なのかを知りたいわ
鍛冶とか魔道具とか合わせても作り方がさっぱり解からない
124 名前:名無しさん
既存の生産スキル以外に新しいのとかあるのかね
迷宮をクリアはしたがそんなの見当たらない
125 名前:名無しさん
鍛冶スレのコクさん曰く精霊魔具製作らしい
レアスキルか何かなのかね
126 名前:名無しさん
また聞いた事のないスキルだな
レアだとしたら絶望的だなー
127 名前:名無しさん
まぁ、あの人が手に入れたのを幸運と思っておこうや
コクさんならそんなに吹っかけたりしないし、ちゃんと数も作ってくれている
128 名前:名無しさん
鍛冶スレのあの人を見ると怖いけどな
変な物を作りそうで
129 名前:名無しさん
前に言ってたのは依頼されてジェット噴射用の筒だっけ?
頑張ればジェット機とか作っちゃうんじゃないか?
130 名前:名無しさん
冗談に聞こえないから怖い
マジで鍛冶スレの連中は何を考えているのか解からん
131 名前:名無しさん
量産してくれれば良いんだけどな
その一点ものだったら悔しいな
132 名前:名無しさん
そういう可能性もあるよな
以前の+85とかももう出て来ないし
133 名前:名無しさん
いや、+85を何本も作れとか無理だろ
134 名前:名無しさん
それでも、それでもコクさんならやってくれる!1
135 名前:名無しさん
無茶振りキター
夏の湿気と暑さが徐々に酷くなっているこの時期にコタツと書くと気分が滅入ります。
冬にこの小説を書けばよかったですね……。




